2016年12月1日木曜日

甘え心理

 午前中から母の衣類を中心とした荷物の整理を続ける。昨日、布団に入ってから思いついたことがあり、さっそく試した。
 施設への入居時からずっと使っていたプラスチック製の5段引き出しがあり、整理には便利なので新しい施設にも持ち込んだ。ところが重心が高すぎて不安定なので、居室に置くことを許可されなかった。
 つかまり立ちして転倒する可能性があるからで、やむなく持ち帰り、解体してゴミとして処分するつもりでいたが、もしかして3段くらいに縮めて、居室に設置の収納机下に入れられるのでは?と思い立った。
 さっそく試すと、やはり1段毎にバラせる構造になっている。いったん全体を分解し、ていねいに掃除。3段だけを組み立て直し、不安定なキャスターは撤去した。高さを測ると、およそ60センチほど。これなら安定しているし、机の下にも収まるはず。
 衣類のダンボール箱は2つ残っていたが、当面必要ない夏物をこの引き出しに入れることにする。3年以上使っていない衣類はいったん実家に戻し、傷みのひどいものは昨日同様にリサイクルに回すことにする。


 午前中に片付けが全部終わって、午後から他の備品類と共に施設に届けに出向く。
 受付でインフルエンザ予防の措置をまずやったが、手の消毒とマスク装着はともかく、耳の穴に挿入して使う体温計で問題が起きた。
 なぜか37.0度という微妙な数値。つまりは微熱だ。37.5度以上だと面会はできないと言われていたので、受付で是非を問うた。すると体調に異常がなければOKとの許可を得る。出直しという最悪の事態は回避した。
 部屋に入ると、母は寝ていた。昼食後に寝ることが最近は増えていて、聞けば体温が37.1度あるという。私同様に母も微熱状態で、昨日も37.5度あった。転居に伴ういろいろなストレスがそうさせるのか。
 心配していた夜の徘徊はなかったが、相変わらず食が細く、水分をとろうとしないらしい。前施設から続いている問題で、水分不足のせいでずっと便秘気味らしく、昨日から今日にかけ、浣腸や下剤を処置したという。便秘が食欲減退につながるという悪循環だ。
 入院中もそうだったが、ジュースなら飲むので、次回はジュースを持参するよう言われた。素直に水を飲んでくれれば簡単なのだが、うまくいかない。

 これまた前施設同様に、ベットから自分で下り、車椅子なしで食堂まで一人で歩いてくるらしい。「自立歩行不可」「車椅子必須」と引き継ぎ資料にあったので、担当職員さんは当惑していた。前施設と違って居室から食堂は近く、段差なしのワンフロアーでつながっているのが救い。
 私がいる場合は「立ってなんか歩けないよ〜」とすがってくるが、身内がいなくなるとスタスタ歩く。ある種の甘え心理からくるギャップに違いないが、このままだと転倒のリスクは一向に回避できない。歩く歩かないの周辺状況が、あまりに曖昧すぎるのだ。

 持参した改良プラ引き出しは、机の下にぴったり収まった。この机、タンスもかねた不思議な造りになっていて、最低限の衣類やタオル類は全て収まる。
 そのほか、インフルエンザ予防注射と入れ歯の作り直しの打合せを係の方とする。まだ1日しか経ってないが、ゆっくりとでも母の生活を改善させていけるだろうか。