2006年8月28日月曜日

カモミール収穫祭

 摘み取りと乾燥の作業を延々と続けていたカモミールの収穫が、ほぼ終った。広口瓶に入れ、窓辺に置いてある。
 春先に害虫にやられた去年はこの1/3くらいの収穫量で、保存する瓶も小型のジャムの空き瓶だった。過去にはもっと採れたこともあるが、そのときは大型のハチミツの空き瓶に入れた。


 今年は出足は好調だったが、暑くなってからハムシの成虫にかなり食われた。花びらだけなら何とかなるが、薬効のある花芯までやられては使い物にならない。
 それでもこれだけあると、たぶん1年はもつ。今年はラベンダーも少しだけ収穫したので、薬用、特に鎮静剤としてのハーブの量は充分だと思う。

2006年8月25日金曜日

招く猫

 独立直後に招き猫の貯金箱を買った。自由業とはいえ、いちおうは商売であるので、縁起をかついだわけである。20数年を経たいまも壊れず、仕事部屋の中央に鎮座している。

 招き猫には、左手が上がったものと右手が上がったものの二種類ある。前者は金を呼び、後者は人を呼ぶという。店頭で妻と少し迷った。商売人なら本来、金を呼ぶという左手型を選ぶのだろう。
 結局、「ウチは人がくればいいんじゃない?」という妻の一声で、右手型に落着いた。


 ところが、その後よく調べてみると、「右手は金、左手は人」だそうで、全く逆だと分かった。しかし、現実の感触として、この家によく集まってくるのは金ではなく、明らかに人である。
 望まなかったのだからきっとそれでいいのだ。それでもときどきは磨いたり、中に五円(ご縁)玉を入れたりし、ネコパワーが損なわれないよう面倒をみている。

2006年8月23日水曜日

瀬戸物市

 夫婦でスーパーの瀬戸物市をよく見て歩く。つい先日も浅い小鉢を買った。写真の手前がそれで、わずか105円である。
 奥にある3点セットは去年同じ店で買った。一番大きいのだけが210円で、あとは105円。小さいのをあと数個欲しかったが、どうしても1個しか見つからない。それでも、中サイズと小サイズとで、仲良く夫婦で使っている。


 食器には夫婦ともこだわる。新婚のときに買ったコーヒーカップは、私自身がイメージに合ったデザインの品を執念で探し当てた。値段も含め、気に入ったものがなければ、あえて買わずに我慢する。
 家→家具→暮し→食器、という延長線上でとらえているから、食器は立派な住まいのアイテムであり、おろそかには出来ない。
「自然素材の暮しに合うか」「食べ物が映えるか」等が基準だが、最近は藍色をメインに、白のバランスがよくてシンプルなものを好んでいる。
 不要になった食器は思いきりよく捨てる。安上がりだが、不思議にリッチな気分に浸れる。

2006年8月22日火曜日

手製ロールスクリーン

 台所北側とユーティリティにある窓のロールスクリーンは手製だ。窓枠上部の壁にタテ溝の入った木片を2個とめ、ビスを両端にとめた角材を溝の中にはめこむ。
 角材にピッタリはまるように適当な布の端部を袋状に縫い、角材の中に差し込んで吊せば出来上がり。手持ちの端材を使ったので、ほとんどお金はかかっていない。


 巻き上げは角材にひっかけた丸ひもを軽く引張りながらやる。ある程度の抵抗がないとうまく巻き上がらない。吊す棒を丸棒ではなく、角材にした理由がそれだ。

 ビスの調整をときどきやるが、使い始めてすでに7年。巻き上げるコツもすっかりつかんで、いまでは妻も何とかこなす。縄文暮しにも多少の慣れは必要だ。

2006年8月21日月曜日

壁のツユムシ

 夜、外に出ると多数の虫の声が聞こえてくる。南側の外壁あたりでも「ツーチキチ」と盛んに鳴いているので、外部のスポットライトをつけて確かめてみたら、壁に伝うツタの中に、多数のツユムシがいた。
 この虫が「ツユムシ」という種族であることを知ったのは、ごく最近のことだ。ネット検索で「秋 鳴く 虫」とやったら、すぐに写真つきのサイトが見つかった。便利だ。


 家を建てた当初からよく見かけたが、ツタが増えてから居心地がよくなったのか、窓や壁の周辺でよく見かける。
 背中に細いスジのあるのがオスで、ないのがメス。写真ではツタの葉と同化して分かりにくいが、中央にオスが一匹ちゃんといる。体長4~5センチで、混じりのない緑色が美しい。
 日中はまだまだ暑いが、ここだけはすでに秋の気配。

2006年8月19日土曜日

初枝豆

 今年初めての枝豆を家庭菜園から収穫した。実の入りはまだ八分だが、いつものように甘くて旨味がある。
 採ったのは3株だが、今年は全部で100株近く植えたので、毎日食べても一ケ月はもつ。


 種は一昨年植えたマメの表面が黒い品種で、2年経ってもまだ芽が出る。強い生命力だ。今年は一株だけ残して、新しい種を採取する予定。こうやって順に種をとっておけば、毎年種を買う必要もなくなる。
「縄文暮し」の真骨頂なのである。

2006年8月17日木曜日

ゲンコ

 物を本来の目的以外に使うのが好きで、「ゲンコ」はその際たるものだ。
 ステンレスパイプを支持する金物を「ゲンコ」と呼ぶが、我が家ではこれを玄関のコート掛けと引出しの把手に使っている。

 私が好むのは最も細い6ミリのタイプで、しかもデザイン的な美しさから、穴が貫通した「通し」という製品を選ぶ。
(ちなみに、穴が開いていないタイプは「止まり」と呼ぶ)


 オープンハウスを利用して我が家を訪れるお客様にも大変評判がよく、「これと同様のものをぜひに」と頼まれ、設計した家につけたこともある。
 特にコート掛けは既製品ではデザイン的にツマラナイ物が多く、自然素材系の家にマッチする物を探しあてるのは難しい。しかし、これなら合う。ポイントは取付ける架台にも無垢材を使うことだ。
 太さやデザインにもさまざまあって、強度や好みによって使い分けが可能。いずれにしても、ユニークさでは他の追従を許さない。
「ゲンコ」という親しみ深い呼び名の由来は知らないが、おそらくそのこぶしを握ったような形状からくるのだろう。

2006年8月16日水曜日

トマトの柱

 トマトが毎日のように採れ始めた。特に昨夜食べた2個はものすごく旨かった。
 食べる3時間くらい前に採り、そのまま冷蔵庫で冷やして薄く皮をむき、スライスするだけだ。ドレッシングも塩も使わない。それでも、独特のウマミのようなものが滲みでてくる。
 無農薬有機栽培の造り出す味かもしれない。


 この地域は風が強いので、トマトは苗の時期から一株に3本の女竹を周囲に立てる。気温の低い時期はこの竹に、上下を切った大きなビニール袋をかぶせておく。
 茎が伸びてくるとビニール袋を外し、今度は竹に茎を順にひもでしばる。気温上昇と共に茎はどんどん伸びるので、ひもの数は結構なものだ。

 竹だけでは強い風にはもたないので、最近は4つの株の中心にタル木の太い柱を立て、そこから十字形に添木を出して12本の竹をがっちり結んでいる。これなら台風がきても倒れない。

2006年8月15日火曜日

信濃撫子

 庭の花々も短い盛りを過ぎたが、6月から延々と咲き続けて目を楽しませてくれたナデシコの花が、いまだに一株だけ鮮やかに咲いている。
 ナデシコにも多種あるらしいが、北海道で多く見かけるのは写真にあるシナノナデシコだ。幼い頃からこの花が大好きで、田舎の家にいた頃、母に頼んで庭に植えてもらった覚えがある。


 新居に越してからもまっ先に植えた。宿根草なので毎年咲くし、種が飛んであちこちに増える。とにかく丈夫で手がかからず、それでいて可憐で長く花が咲く。
 全日本女子サッカーチームを「ナデシコジャパン」と最近は呼ぶが、日本にしかない固有の花だそうである。なるほど。

2006年8月10日木曜日

侘助

 居間のテーブルの上には、動物を模した爪楊枝入れがずっと置いてある。はっきり記憶にないが、20年程前に私が作ったものだ。名前がちゃんとついていて、「侘助」という。
 子供たちがまだ小学生で、PTAバザーの売物に各家庭から何かもってくるよう連絡があった。子供が喜びそうなもので、出来れば手作り品、という難しい注文である。
 そこで子供たちといっしょに、動物を模した小物入れを作ることにした。当時仕事で使っていたカラーインクの空ケースを中心に使い、トイレットペーパーとヤマト糊を水で練って回りにくっつけ、子供たちの自由なイメージで動物の形を作らせた。
 一晩乾燥させ、絵の具を塗って最後に木工用透明ニスで仕上げた。


 5~6個作ったはずだが、私が作った中で、この「侘助」の出来があまりによく、売るのが惜しくなった。
「これはウチで使うぞ」
 そう子供たちに宣言し、そのまま時が過ぎ去った。あちこち傷んできたが、ときどき掃除したり、内部の仕切板を交換したりしている。

 リスだかイタチだかモモンガだか分からない風貌だが、とぼけた表情がなかなか良い。ちなみに、「侘助」の由来は、身体の色が茶道で使う抹茶に似ているから。ツバキにも同じ名があると聞いたが、20年余の時を経た我が家の「侘助」は、たぶん私自身の分身だ。

2006年8月9日水曜日

青い紫蘇

 家庭菜園に植えた「青い紫蘇」つまり、「大葉」が大豊作である。大葉を植えたのは、3年振りくらいだろうか。
 越してきた最初の年はタネから育てていたが、発芽までに手間がかかり過ぎるので、3年目からは苗にした。ところが、この苗が害虫にやられ、全滅。完全無農薬有機栽培なので、虫にはとても弱い。以来こりて、大葉からは手を引いた。


 再開したのは、春先にトマトの苗を買いにいったとき、妻が「今年は大葉も欲しいわ」と言ったのがきっかけ。
 一株だけ買ったが、害虫に充分気をつけたせいかどんどん育ち、いまや100枚近い葉を常時つけてくれる。しかも、柔らかくてアクが少なく、市販品よりはるかに新鮮で旨いのだ。

 そうめんや冷や奴の薬味、天ぷら、イカやタコの刺身にまぶしたりと、毎日のように食卓を彩ってくれる。秋になったら実と一緒に醤油漬にするつもり。熱いゴハンに載せて食べたら、これまた最高。
 わずか160円の苗だったが、今年の大葉は当った。

2006年8月8日火曜日

夏コタツ

 1階居間中央の床には、開口寸法740×1040の掘コタツが作ってある。土間には防湿用の鉄筋コンクリートを打ち、基礎壁は外断熱。床下にはパネルヒーターを設置して、冬はここから暖気を上げる。コンクリートの蓄熱作用で、暖房を切ってもしばらくは暖かい。

 反対に夏は外気温が上がってもコンクリートは冷えたままで、床下はひんやりしている。測ってみたら、室温が28~30度でも、床下は24度前後で一定。これは涼しいはずだ。


 コタツ直下には足を載せる台があって、この台を分解すると、そのまま1階床の「蓋」になる。つまり、いつでもごく普通のフラットな床に戻せる仕組みだが、夏も冬も快適なこのシステムを変える気は、いまのところない。

2006年8月7日月曜日

いつでもBBQ

 我が家の西側には、居間に隣接して4畳大の手作りウッドデッキがある。時には洗濯物干場、時には家庭菜園の加工場、またある時にはDIYの作業場と、真冬以外は大変重宝している。

 その中央には常設のバーベキューコンロがある。すべて手作りだが、ブロックとレンガを土中深くからモルタルで頑丈に固めてあるので、地震や凍害にもびくともしない。


 週末、ここで妻と二人だけで、今年初めてのバーベキューをやった。炭やタキギもデッキ横の専用箱に常時しまってあるので、「思い立ったらいつでもバーベキュー」となる。
 都合で若手が参加できなかったので焼肉はやめ、今回はホタテとイカの海鮮風にした。ブタ串や野菜、トウモロコシもちょっと焼いた。ドリンクは黒ビールと発泡酒の「ハーフ&ハーフ」。これがまた旨い。

 このウッドデッキ、内と外の緩衝地帯となるよう、床の高さや屋根のパーゴラ、照明や窓の配置など、細部を工夫してある。いわゆる「内でも外でもない」不思議な空間なのである。

2006年8月5日土曜日

伝うツタ

南側外壁の下に植えたツタが、猛烈な勢いで伸び始めた。家を建てた翌年に、たった1本のさし芽から増やしたもので、種類はよく分からない。
 今年は春先に木材部分の壁を全面塗装補修したので、去年まで伸びていたツルはすべて取り払った。それでもちゃんとまた新しいツルを伸ばしてくる。しぶとい。
 放っておくと屋根の上まで伸びそうなので、ちょっと可哀想だが、ほどほどの位置で切る。


 南の壁にツタがあると、室内の暑さがかなり和らぐという。最近では北海道でもクーラーや扇風機を持つ家が増えたが、家中の窓を開け放ち、間仕切のほとんどない室内に風を通してやれば、クーラーも扇風機もなしで夏を涼しく過ごせる。
 ローコスト&エコロジーな夏が走る。

2006年8月4日金曜日

額縁表札

 勝手に命名した「表札シリーズ」のラストである。昨日書いたポストの上部に、額縁を利用した小さな表札がある。ハガキサイズの大きさで、いまならたぶん100円ショップで手に入る。
 この額縁に事務所の屋号と自宅の完成パースを印刷して入れ、額の裏と周囲とを防水コーキングした。


 裏ぶたは少し大きいサイズの板に交換し、これを200×300の2ミリ厚アルミ板台座にネジで止めた。インタホンも同じ台座に取付けてあるが、こんな面倒な仕事は業者はやってくれないので、工事中に私自身が台座を加工し、自分で取付けた。

 玄関に至るまで、表札類はたくさんあるので、ここにさらに表札をつける必要は本当はない。しかし、いつでも交換可能な写真を使った表札モドキを、ちょっと作ってみたかった。
 写真が色褪せてきたころ、別の写真に取り替えれば、いい気分転換になる。100%遊び心から生まれた表札と言えそうだ。

2006年8月3日木曜日

ポスト表札

 我が家は自宅と仕事場を兼ねているので、屋号を含めた表札のたぐいは多い。

 アプローチから雁木状に透明屋根のかかった通路を進むと、ドアの右側に家の形をした大きなポストがある。もちろん手製だが、屋根の形状や色、壁の模様に至るまで、すべて本体である家を模した。
 壁の部分にある表札のところが蝶番で内側に開くようになっていて、新聞や郵便物はそこから中に入れる。屋根の部分はこれまた蝶番で上に開くようになっていて、ここから中身を取り出す仕組みだ。


 A4版の郵便物と新聞が、そのまま横にすっぽり入る大きさで、表札部分には屋号と家族の名が入っている。パソコンのプリンタで印刷し、透明のフィルムをかぶせただけだが、内側に引っ込んでいるせいか、7年経っても傷みはない。
 このポストは、富良野にあるジャム園に行ったとき、公衆電話ボックスが同様に家そのものを模したデザインになっているのにヒントを得た。

 我が家を訪問するお客様にも大変評判がよく、本格設計依頼をされた方に手作りし、新築祝としてプレゼントしたこともある。ごく最近では、依頼者が我が家の物を参考に自ら作られた例もあるが、とてもよく出来ていて驚いた。
 屋根の部分には本物の鉄板をかぶせ、木の部分の塗装補修も怠りないので、もしかしたら家本体と同じくらいもつかもしれない。

2006年8月2日水曜日

針金表札

 自宅の車庫兼アプローチ屋根を支える左側の柱には、自宅建築の際の残材で作ったオブジェがある。そのオブジェの上端には、これまた自作の表札をつけてある。
 これまで試行錯誤でいろいろ作ってきたが、ときに激しい風雨や雪にさらされるこの場所では、ヤワな構造ではもたないことが分かった。


 ごく最近作ったのが、文字を針金で作った「針金表札」である。青い部分はクリーニング屋さんでくれるハンガー、金色の部分もありあわせの残材を使った。本体は厚めの木材、これしかない。
 スケッチを丹念に描き、木材に穴を要所にあけ、針金の端部を曲げて打込んである。素材が針金だから、耐候的には期待できる。
 通路の一番手前にあるので、結構目立つ。丸みのある字体が気に入っている。