2016年12月18日日曜日

施設との相性

 隣区にあるサ高住Xmas会余興に出演した。2年前のクリスマスにネット経由で最初の依頼があり、それ以降夏祭りとXmas会には欠かさず招かれている。
「高くて険しい3度めの壁」は軽々と越え、今回が5度目の依頼。このところ他施設でも似た傾向にあるが、おそらくは相性に起因すると思われる信頼関係が、着々と築かれつつある施設のひとつだった。

 イベントは13時半から始まっていたが、私の出番はいつも通りラストの14時半あたり。昨年は時間が25分も巻いて早めの出番になったので、用心して14時には会場入りした。
 ステージでは施設職員による歌の真っ最中。控えの廊下では次の出演者、アクション演劇の「わんわんズ」さんがスタンバイしていた。昨年もご一緒したチカチカパフォーマー仲間で、「しばらくです」と挨拶を交わす。

わんわんズさんのステージ

 14時10分くらいから、わんわんズさんのステージが始まる。廊下の片隅で機材をセットしながらチラ見したが、ステージをいっぱいに使った忍者時代劇に会場が湧いていた。
 14時35分くらいに終わって、ただちに機材を移動。L字型の大きな会場で、聴き手は100人を超える。これまではPAを2台使ってきたが、今回は1台で臨んだ。
 一昨日のデイサービスで歌った際、ボーカル音量を上げれば1台でも充分やれることを知ったからで、機材は少ないほうが機動面では当然優れている。
 やや遅れて、14時40分からステージ開始。先方の希望通り、30分で10曲を歌った。

「北国の春」「おかあさん(森昌子)」「ソーラン節」「バラが咲いた(歌詞カード)」「幸せなら手をたたこう」「矢切の渡し」「さくらさくら」「まつり」「また逢う日まで」「月がとっても青いから(アンコール)」

 熱い手応えのあった一昨日のデイサービスでのセットをベースに、1年以内に同施設で歌った曲との重複を避けるなど、微調整を加えて臨んだ。
 PAが1台であることにやや不安があり、生音でのボーカルは普段よりも強めにした。昨日のグループホームでノーマイクで歌ったばかりで、連続ライブの真っ只中の割に、声はよく出た。


 昨年は特に前半で場の反応が少し弱かったが、1曲目にXmasソングを避けて演歌の「北国の春」で臨んだ今年は、間奏の時点で拍手が湧き起こるという順調な滑り出し。以降もその流れを失うことなく歌い進む。
 聴き手参加型や叙情系の曲とのバランスもほどよく、あっという間にラストを迎える。最後は職員さんにも手拍子をうながし、にぎやかなフィナーレとなった。

 間髪をいれず、職員さんリードのアンコールの声。昨年はタイミングの悪い半端なアンコールとなった反省を踏まえ、今年は打合せの時点でどうするのか確認した。
 利用者からの自然アンコールは出にくいというが、演出面ではあったほうが望ましいとのこと。そこで職員さん主導で出すことが決定。持ち時間にはアンコールも含めることにする。
 つまりは「お約束アンコール」だったが、施設によって利用者の形態も変わるので、それに応じた進行もあるだろう。


 歌った10曲で特に手応えが大きかったのが、意外にもふとした思いつきで入れた「矢切の渡し」。当初は同じ細川たかしの「浪花節だよ人生は」を歌うつもりが、5ヶ月前の夏祭りでも歌っていたので重複を避けた。
 分類としては叙情系の穏やかな曲だが、直前の演劇がヒントになり、歌詞の女性と男性の声色を使い分けて歌うことを思いつく。これがハマったのか、終了後の拍手が割れんばかり。全く何が幸いするか分からない。
 終了後のセンター長さんの挨拶でも、繊細さと力強さの両面が素晴らしかった、いまや当施設の専属歌手ですね、とのコメントをいただく。外交辞令的な部分は割り引いても、歌い手としては単純に嬉しい。
 12月になって8本目、中旬から続く連続ライブの5本目だが、疲れも吹き飛ぶ手応えだった。