2009年6月29日月曜日

試してみんと

 先日実家へ草刈りに行った際、雑草の中から、何やら甘~い香りが。茂みをかき分けてみると、見覚えのある丸い葉が見える。もしかして、ミント?一枝折って鼻に近づけると、間違いなくミントなのである。
 なぜこんな場所にミントが?と思っても、母はよく分からない様子で、植えた覚えもないみたいだった。どこからか種でも飛んできて、ひょっこり根づいたか。

 雑草を片づけたあと、ミントだけは刈らずに全て残し、一部をビニール袋に入れて持ち帰った。もしかすると、天がくれた労働の報酬だったかも。


 ミントは種のほか、地下茎でも増えるらしく、1本を引っぱるとイモズル式につながってくる。分けるのも面倒なので、自宅南側の軒下にそのまま並べて植えた。
 ミントは以前から欲しいと思っていたが、期せずしてタダで手に入った。自宅にあるハーブ類はシソとカモミール、そしてラベンダーである。またひとつ仲間が増えた。雑草の間でもたくましく育っていたので、たぶん手はかからないはず。

 その後ネットで調べたが、どうやら種類は「アップルミント」というヤツらしい。(確信はない)生の葉をそのままハーブティーにしたり、入浴剤やら、防臭防虫剤、アイスクリームの飾りなど、いろいろ使えるらしい。
「らしい」の連発であるが、いずれ完全に根づいたら、実際に試してみなくては。鉢植えにして家の中で育てるのもいいかも。通りすがりにただ匂いをかいでいるだけでも、充分楽しめますが。
 昨夜から今日にかけ、7月にやる予定の2本の自主企画ライブにむけての、おおまかな選曲をした。テーマとタイトルはそれぞれすでに決まっていて、それに沿った内容の曲をピックアップ。
 600曲近いストックのある譜面ファイルを全部繰ってみたが、だいたいイメージ通りの曲にたどり着いた。

 今日はそれらの曲の歌い込みにはげむ。重複はひとつもなく、全部で30曲余。いわゆる「オリジナル率」は、おおむね60%といったところ。初披露の曲が6曲ほどあり、ある程度の時間が必要だが、自由気ままにやれるその分、それは実に楽しい時間なのである。

2009年6月28日日曜日

思い立ったらBBQ

 相変わらず暑く、カラリと晴れて無風。しかも日曜日で、これといった仕事はない。午後の珈琲を飲んだあと、妻が「髪を切って」と頼むので、二つ返事で承諾する。
 場所は居間の一角で、100円ショップで買った散髪カバーをすっぽりかけ、霧吹きで髪を濡らしながら、散髪専用ハサミで手早く切る。もう何年もやっているので、手慣れたもの。30分足らずで終わった。

 髪のついたタオルを外に払いに出たとき、ピンと閃いた。
(ひょっとして今日は、バーベキュー日和ではないか?)
 さっそく妻に相談すると、一発OK。(妻はもともと、外食だとか寿司、バーベキューの類いを好む)我が家は、思い立ったらすぐにバーベキューができるよう、いろいろな体勢を整えてある。


 まずは食材の調達で、さすがに食材までのストックはない。近くの週末ディスカウント店に材料を買いに行った。
 フランクフルトソーセージ4本、鶏もも串10本、椎茸、ビール1缶などを調達。およそ700円強で、最近の我が家の夕食費としては多めのほう。しかし、今月は定額食費の予算に、かなりの余裕がある。この程度なら、ナンニモ問題がないのである。
 帰ってすぐに炭火の準備。いつものようにウッドテラスに常設のコンロでやる。これまた手慣れているので、15分ほどで火はおきた。
 この常設コンロはブロックとレンガを積んで、ウッドテラスにぴったりはめ込んだもの。最初に作ってからすでに10年経つが、こちらのDIY難易度も5。なかなかうまくいかず、合計3度くらい作り直したいわくつきの物。あまり真似をしないほうがいいと思う。


 午後6時ころから材料を焼き始める。野菜の一部とイカ、タレつきジンギスカンや枝豆等は自宅のストック分を使った。
 あーでもない、こーでもないと話しながら一通り飲み、食べても、まだまだ陽は高い。7時を過ぎると、少し風が出てきた。中年夫婦二人だと、この量でも食べるに余る。飲んだビールも、合計わずか850ml。しかし、酔った。二人とも若い頃に比べ、食全体が細くなっている。

 今日は海産物のいい食材がなく、肉類が中心だったが、いずれ折を見て得意の海産系BBQでもまたやってみよう。

2009年6月27日土曜日

突然の夏

 昨日の夕方、実家近くに住む姉から電話があり、実家周辺の雑草が伸び放題だが、鎌を持っていない。時間があったら、寄って刈ってはくれないか、とのこと。新聞販売店から半年毎にもらう家計簿を届ける用事があったので、草刈り道具一式を積み込み、午後から出かけた。
 特に伸びがひどい北側の駐車スペースを中心に作業。普段から手慣れているので、すぐに終わった。姉もやってきて、お茶を飲みながらあれこれ雑談。

 母は傷んだ膝掛けの補修をやっていた。もともとは自ら手編みしたものだが、ほつれたので自分で繕っているのだそう。もうすぐ90歳だが、まだまだしっかりしている。
「なかなかやりますね」とほめてあげたら、まんざらでもなさそうだった。


 帰路、昨日車の故障で行けなかったモエレ沼公園のガラスのピラミッドに寄り、施設使用届の変更手続きをする。電話した担当の女性は非番で不在だったが、すでに書類はきれいに書き改められていて、印鑑を押すだけになっていた。
 的確で親切な対応に、非常に好感を持った。公務員であろうが民間人であろうが、きちんとやる人はやるし、やらない(やれない)人はやらない。問題はその人柄だ。

 昼のレンタル時間がキャンセルになったので、予約料の半額が戻ってきた。それでも個人レベルのライブとしては、かなりの負担額。しかし、「60年に一度」のことであるし、おそらくここで歌う機会は二度とない。それらを考えると、安いものだ。
 帰宅後、昨日からやっている作りたての照明&スピーカースタンドのテストを繰り返す。写真のように、高さ2.1Mの折畳み式木製スタンドに、スポット照明とスピーカーの両方が取り付け可能。
 20Wと40Wの2種類のスピーカーを使い、それぞれテスト中。いまのところ40Wスピーカーを60%くらいの音量で使うのが最も安定する。
 今後自宅ライブの場などを利用したり、マイクの数を増やすなどし、最適値を探りたい。

 数字としては90%近くまで音量を上げても問題ないが、自宅スタジオでは音がうるさ過ぎる。ガラスのピラミッドのような大きめの空間なら、ちょうどよいかもしれない。

2009年6月26日金曜日

上がりました

 起きると何だか体調がすぐれない。2日続けのDIY作業のダメージがじわじわ効いているようで、年と共に疲労回復が遅れてしまうのは自然の摂理。取り立てて仕事もないので、予備ベットに横になり、ウツラウツラしていた。
 突然、インタホンが鳴って飛び起きた。またまたセールスかなと受話器を取ったら、「○市のTです」と言う。ライブハウスで知り合った音楽仲間のTさんで、予告なしの訪問だった。

 聞けば、たまたま近くに仕事の用事で来たので、住所メモを頼りに調べたら、一発で家を見つけたという。地番の複雑なこの地区を、迷わずに探し当てる人は稀。日々のブログで家の外観をある程度は知っていたらしく、探しやすかったのか。
 あれこれ話すうち、妻帰宅。かねてから噂話はしていたので、妻も戸惑いはしない。4人で2時間ほど盛り上がり、たまたま昨夜作ったばかりだった麦茶1Lが空になったころ、Tさん夫妻は腰を上げた。
 ライブハウスで互いの歌は何度も聞いているが、いずれ機会があればセッションでも、と別れた。またひとつ輪が広がった感。この輪が今後どう変化してゆくのか、それは時の流れに任せておけばよい。ほとんどテレサテン。
 昨日決まったことだが、秋にモエレ沼公園、ガラスのピラミッドで実施予定だったイベントライブは、諸事情で規模を縮小し、夜の部のみのファミリーコンサートとして変更実施する運びとなった。
 実は今年の10月上旬に、私たち夫婦はそろって還暦を迎える。その祝賀ライブを、自らのプロデュースでやろうというのだ。つまりは、「モエレ沼還暦フォークコンサート」というわけで、息子もそのために、遠方から休暇をとって駆けつけてくれる。
 ライブはリハなしの正味2時間弱に短縮されるが、出演は私と息子のファミリーが基本なので、リハなど不要。曲数は逆に増える。

 聴き手はかなり減るだろう。しかし、聴く気のない100人の聴衆より、本気で聴いてくれる聴き手が一人いれば、歌い手としては充分満足なのである。


 施設使用届の変更と、支払った料金の清算手続きに行こうと車のエンジンをかけたら、なぜかウンともスンとも言わない。助手席のドアが半ドア状態で、そのせいかと閉めても同じ。カーラジオもかからず、どうやらバッテリーが完全に上がってしまっている。
 あわてて業者に電話し、状況を説明したら、
「半ドアにして一晩置いたら、室内灯がついたままになって、バッテリーは上がりますよ」ときた。さあ、困った。
 一昨日からこの種の災難続きで、全くの天中殺状態。嘆いても騒いでも仕方なく、業者に対策を尋ねたら、まずは別の車とバッテリー同士をケーブルでつないでエンジンをスタートさせ、その後3時間エンジンを切らずにおくと元に戻る、というもの。
 幸い、30年前に買ってあったブースターケーブルは健在。あとは正常に動く車の調達で、近所に住む友人のNAOさんにレスキュー電話を入れたら、すぐに来てくれた。
 過去にもこの種の作業はやったことがあり、トラブルは難なく解決。持つべきものは友である。助かった。

 これまで、ブースターケーブルは単純に赤と赤、黒と黒のバッテリー端子を相互につないでやっていたが、バッテリーの上がった車側の黒端子(マイナス端子)は、バッテリー直結でなく、車体内部の別金属などにつなぐのが安全であることを後で知った。
 こんなトラブルにそう何度も見舞われたくはないが、いい勉強をした。頭に入れておこう。

2009年6月25日木曜日

壊れました

 昨夜ブログを記したあと、突然インターネット接続が切れた。4台あるどのパソコンも同じで、最初は契約しているプロバイダの一時的な回線不良かと思い、放っておいた。
 しかし、1時間たっても回復しない。これはオカシイと、試しにパソコンを1台だけ1階に運び、ADSLモデムに直結してみた。すると、難なくつながる。回線不良ではないことが分かり、そうなると、中継しているブロードバンドルーターが怪しい。

 調べてみたら、買ってからはや5年。以前も5年くらいで壊れて買い替えた記憶があり、いよいよ寿命かと、試しに本体のリセットスイッチを押してみた。すると、すべてのパソコンでつながった。なんだそうだったのかと拍子抜けし、1階にセットしたパソコンは、再び2階に戻した。
 録画してあった映画を半分だけ見たあと、就寝前にメールをチェックしようとパソコンを起動させたら、またまたつながらない。何度リセットをかけても復帰しない。今度こそ壊れた。


 翌日、DIY作業で身体がダルかったが、再び2台のパソコンを1階に降ろし、あれこれ試す。
 昨年カミナリの直撃でADSLモデムが壊れた際、まるごと新しいモデムに交換してもらった。レンタルなので無料だったが、交換してもらった最新モデムには、ルーター機能がついている。
 ルーター、すなわちネット回線を複数に分配することで、我が家の場合は4回線あれば足りる。

 2台のパソコンを起動させ、それぞれのネット接続と、家庭内LANとしての相互接続が可能かどうか試すと、何ら問題ない。つまり、これまで使っていた中継用のブロードバンドルーターは、もういらないことになる。
 だいたい予期していた通りで、問題は1階天井裏(2階床下)に配置してある4系統のLANケーブルを、いかにして1階のADSLモデムまで延ばすか?である。
 調べてみると、4本のうち2本は長さに充分余裕があり、天井裏から壁の空洞を経由し、うまく1階のモデムまで導けば、そのまま使えるはずだった。
_まずは壊れた機器や電源ケーブル等を取り外し、長いほうのケーブルを2本まとめてゆっくりと壁の中を通す。ルーターとモデム間の接続に使っていたケーブルにテープで固く巻き付け、ガイド役にしてやったが、これは以前に電気屋さんに教えてもらった方法。手探りでやるより、ずっと確実にできる。
 暑いなか1階と2階を何度も行き来し、脚立を何度も昇ったり降りたりし、どうにか一人でやり遂げた。テストしてみると、ちゃんとつながった。やれやれ。

 残る2台分のケーブルは、それぞれ5Mほど足りない。10Mのケーブルを新しく買い、丸ごとつなぎかえてやればよいが、費用がかかって面倒。古いケーブル類を保管してある箱をひっくり返したら、5M近いケーブルがちょうど2本余っていた。
 ひとまずそれを壁の中にセットし、壁の穴から出してモデムに接続。2本のケーブルは接続コネクタを買ってきて、相互につなぐことにした。

_だいたいの作業を終え、妻と二人で近所のDIYセンターに行く。秋のライブ用にスピーカーの延長ケーブル10Mをまず買い、次に接続コネクタを探したが、ない。やむなくそこからヤマダ電機まで歩いていくと、1個470円で売っていた。
 帰って2本のケーブルを相互につなぐ。残る2台のパソコンも、めでたく復旧した。今日の DIY難易度は、最高レベルの5。
「床下と壁、天井裏に穴を開け、LANケーブル10Mを4本通し、機器に接続する」という作業自体が常識外れだからで、家の構造を熟知していないと無理。余程の自信と裏づけがない限り、真似をせずにプロに頼むか、配線そのものが不要の無線LANに切替えるのが無難である。
(合計4カ所の穴は以前に開けてあり、今回はそれを利用)

 ルーターをもし新調していたら3,000円ほど、ケーブルを買い替えていたら2,000円ほど、最低でもそれぞれかかっていた。結果として940円の出費で済み、無用なルーターの電力供給や維持費も不要となり、LAN回線もすっきりとまとまった。
 予告なしに突然襲ってきたアクシデントだったが、結果的に「災い転じて福」だったようで。

2009年6月24日水曜日

可般式照明スタンド

 今日も晴れた。気温は昼近くですでに30度。今度こそ、本当の夏到来か。
 延ばし延ばしになっていた、ライブ用の可般式照明スタンドを作る。詳細な設計図を作ってあったはずが、どこを探してもない。どうやら以前に材料を買いにいった際、持ち出してそのまま捨ててしまったらしい。
 仕方なく、記憶を頼りに材料を加工する。場所はいつものウッドデッキだが、暑さでたちまち汗が吹き、半袖シャツ1枚で作業した。


 写真は材料の加工が終わり、組立てているところ。今回の照明スタンドは、高さ2Mのものを半分に折りたたみ、台には重しとしてレンガを使っている。
 レンガには穴を一切開けず、両側から木材を介したビスで固く締めつける。折りたたみの支持棒は安くすませるため、1×4材を1本だけ買ってきて、電動ノコで真半分に裂く、というウルトラ技を使った。
 DIY難易度は高く、5段階の4あたり。
 ほぼ予定通り2時間ほどで終わったが、平らな床に置いてみると、ややガタつく。ビスを一部緩め、入念に調整する。
 完成して折たたんでみると、長さおよそ1,150で、車のトランクにぴったり収まった。

 暗くなったので、スポットライトを挟むためのガイド板の加工は明日以降。スタジオに運んでいろいろ試してみたが、支持棒にフックを取付ければ、スピーカースタンドとしても立派に使えることが分かった。
 つまり、状況によっては、照明スタンドとスピーカー支持台の両方を兼ねるということ。これは使える。写真はその両方を確かめてから載せます。

2009年6月23日火曜日

困ったらストローク

 昨日に引き続き、長崎のいちろうさんのオリジナル「いつか見た青い空」を延々練習。昨夜半にふと思いつき、ギター伴奏をストロークにがらりと変えてみた。すると、ハマル。
 原曲では全編を通してしっとりとしたアルペジオでまとめていて、その強い存在感にまともに迫っても、到底太刀打ちできないのは明白。

「困ったときはストローク」というのが最近の定番で、1月にやった企画ライブ「かぐやな宵」でも、「なごり雪」を常識をくつがえしてストローク奏法で歌い、それがエラく好評だった。
 ストロークは初心者むきのごく簡単な奏法だが、実は奥が深い。歌詞やメロディに沿って、微妙に調子を変化させるのだ。場面に応じ、カットを止めて意識的に無音状態を作るのも、私の常套手段。
 ライブのレベルが上がるほど、誰もあまりやろうとしないので、意外に自分の持ち味を出せたりする。なかなかオイシイのである。


「いつか見た青い空」は、実はかなり重い内容の曲である。重い曲をあえて軽いストロークで何気なく歌う。これも過去に何度か試みていて、直近では昨年秋の自宅コンサートで、「涙そうそう」をこれでやった。
 やってみると、曲のイメージがかなり変わる。これは自分のスタイルだな…、そう感じる。難しい曲だが、この方向で歌い込めば、何とかモノになるかもしれない。
 今日はそのほか、好きな及川恒平さんの「いのちかえす日」という歌も練習。7年前の曲だが、最近再結成された「六文銭'09」の新アルバムにも収録されている。
 この曲、実は「いつか見た青い空」に通じるテーマなのだ。「音の庭*歌の森」の前半のテーマは「16歳の夏」とかなり前から決めてあるが、後半のテーマは必然的に「命」となる。「萌える命と閉じる命」という対比もいい。こうして、スルスルとライブ構成が決まってゆく。

 7月はこのほか、以前に書いた「インスタレーション音楽」に沿った青空ライブも、可能であればやりたい。場所はすでに決めてあって、「晴れた暑い夏の、週末の午後」が必須条件。仕事が暇で、この条件に叶う日が果たしてあるのか?が最大の問題。
 構成のイメージはすでに頭にある。タイトルも決まっているが、発表はめでたくやり遂げたあとになりそう。このブログで何もふれなかった場合は、アエナク中止ということです。

2009年6月21日日曜日

限りない要求

 介護施設の見積り用設計図一式と、7階建マンションの外観パースの仕事を無事に納品した。介護施設の図面は最終のつもりでいたが、お施主さんから再度の修正が出てしまった。
 見積りにはほとんど影響しない内容だが、いざとなると限りなく要求が広がってゆくのは、お施主さんの常。早く見積もりを依頼し、早く業者を決めないと、差し迫る今後のスケジュールに影響をすることを説明し、細かい修正は業者決定後に再度描く確認申請図面で反映させることを提案し、どうにか納得していただいた。
 経験的に、建物が立ち上がって入居間近になってからでも、お施主さんからの修正希望は出る。その内容が設計時に私がお勧めし、拒絶された内容だったりすることも多く、「だか~ら言ったじゃないのぉ」と、ガックリくる。
 家作りとはおよそそういうもので、生き方暮し方を日頃からよほど突き詰めて見つめていない限り、素人では無理な視点が確かに存在するのだ。

 軽微なものであれば、以前は完了検査時に申請図面との食い違いを箇条書きにし、提出すれば済んだが、構造偽造問題が発覚してからは格段に厳しくなった。
 ドア1枚でも変更すると、場合によっては確認申請の再提出、となることもかってはあったらしい。現在は多少は軽減されたと聞くが、追加工事の元ともなるので、特に確認申請提出後の変更は極力しないほうがよい。


 夕方、久しぶりに時間ができたので、放ってあった家庭菜園の手入れをする。最初に植えた枝豆の芽がほぼ出そろったので、2度目の種をまいた。写真は初回の分で、山鳩対策のペットボトルのカバーを一部かぶせてある。
 1カ所に4粒の種をまくが、忙しくて水まきは全くやらなかったせいか、発芽率が例年より悪い。1カ所に2本の丈夫な芽が育つのが理想だが、1本しか出てこない場所には、追加の種をまいた。初回でまだカバーが残っているのは、その出遅れた場所である。

 その後、鎌を持ち出して周辺の草刈り。すでに一度やっているので大きな問題はないが、暇をみてこまめにやっておくのがコツ。

2009年6月20日土曜日

ピクリ

 今月に入ってから、メインに使っているeMacの画面が、時折ピクリと脈動する。画面が一瞬小さくなり、すぐに元には戻るが、あまりいい気持ちではない。
 調べてみると、どうやらモニタの寿命が近いらしい。来るべきものが来たか。

 10年ほど前に使っていたCRTモニタが、ある日突然白煙と火花を吹き、成仏してしまったイヤな記憶が蘇る。その時は分離型モニタだったので、本体は替えずに済んだが、いま使っているeMacは一体型で、モニタだけの交換はできない。(はず)
 つまり、「モニタの寿命=廃棄」を意味する。
_買ってちょうど6年目になり、この間、ハードディスクと光学ドライブを交換した。日々酷使しているから、次はいよいよモニタ…、となってもおかしくはない。
 万一に備え、サブマシンとしてほぼ同じ性能のeMacを持っているので、壊れてもすぐには困らないが、いよいよとなった場合にメイン機をどうするか、方針だけは決めておかねばならぬ。
 修理はもはや不可能と思われるので、部品取り用に本体は残しておくとして、以下のような案が考えられる。

・この際、最新式の一体型iMacなどを買う。
 根本的解決策だが、この不況時に、最低でも12万円強の出費が痛い。

・やや新しめの中古iMacを買う。
 予算は4~5万で済むが、当たり外れがあるのが難点。しかし、液晶モニタなので、発色は抜群。

・こりずに、中古のeMacをまたまた買う。
 ファンがうるさく、重たくてヤボなeMacだが、使い慣れているので愛着がある。中古だと5千円前後で買えるので、これが最大の魅力。

 妻にチラリと相談したら、「たいして仕事もないんだから、一番安い中古でいいんじゃない?」
 ごもっともで。パソコンなんて、動けばいいからネ。
_終日仕事。昨夜は珍しく12時過ぎに寝たので、休養は充分。保留中だった介護施設の立面図の作成に励む。夕食前に何となく眠気がして、予備室のベットに横になったら、そのまま1時間近く寝てしまった。やはりまだダメージが残っている。

 夕食後、弾き語りの練習を2日ぶりにし、その後夜中までマンションの再々修正をやる。こちらもほぼ終わって、明日には送信予定。
 ようやく忙しさの山を越えた感がするが、はてさて、次なる山はいつか?それまでに新しいライブの構成でも考えつつ、進行中の創作活動の仕上げにかかるとします。

2009年6月19日金曜日

体力の限界

 昨夜はやっぱりカンテツ(完全徹夜)になってしまった。90%くらい仕上がったあたりで寝たが、時計は朝6時近く。3時間だけ寝て残りをやったが、終わって送信したのが正午ちょうどだった。
 すぐに先方から修正の電話が断続的に入る。すべて終えたのが、午後1時半。ともかくも、先方の打合せには間に合ったようだ。
 なぜかあまり眠くなく、そのまま予約してあった携帯の買い替えにむかう。すぐ近所のAUショップだったが、旧機種からのデータ転送にかなり時間がかかり、40分ほどを費やす。
 これまでのシルバーと違い、新機種は完全なブラックタイプである。3年ぶりの買い替えだが、機能そのものに大きな差はない。
「新機種にしないと、安いプランに変更できない」という、メーカー側のよく分からないルールにやむなく従っただけ。企業の生き残り延命策か?

 幸い番号は同じで、ポイントをフルに使って、持ち出しは3,600円ほど。最低1ヶ月のメール接続契約等が条件で、これらに月額1,900円が1回だけかかる。


 今回契約したのは、「プランSSシンプル」というシロモノ。1分40円で、月額1,000円(約25分)の無料通話つきで、8月からは月額980円の基本料になる。
 家族分け合いコースを使っているので、過去の例では毎月この範囲で収まる。私の場合、かけるのは安いBBフォンからで、携帯はほとんどが仕事の受けのみ。携帯でネットやメールはしないので、これで充分である。

 充電ケーブルは先日妻が買ったものがそのまま使える。写真にあるカエルのストラップは、先月京都旅行に行った妻のお土産。どこかの寺で売っていたとか。なかなか愛らしい。
 このほかに、財布に入れておくと「お金が還る(カエル)」という、米粒ほどの縁起物カエルももらった。もしかして、そのせいでこのところ仕事が増えたとか?ソレハナイカ。
 夕方、ついに眠気でダウンし、1時間ほど寝たと思ったとたん、またまた仕事の電話で起こされた。昼に納めたパースの施主打合せが終わり、再度の修正依頼である。
 修正箇所はかなり多いが、納品は月曜の朝でよいとのこと。だいたい終わらせたが、さすがに体力の限界。今日はもう寝ます。

2009年6月18日木曜日

自立する花

 昨夜も明け方まで働き、進行中の設計物件に関わる見積り用の資料は、立面図を除いてすべて終わらせた。午前中、施工業者から電話があり、さっそくそれを取りにくるという。少しでも早くプランの概要を知りたいという。

 見積りは検討時間が長いほど、採算限度をよりシビアに見極めることができる。つまり、競合見積りで他社よりも優位に立てる。たとえ1日でも、図面を早くみたい。気持ちは分かる。
 立面図はできた時点でFAXすることにし、完成分のみを渡す。
 打合せ中、別のクライアントからの電話が鳴る。2週間前に2件の依頼を受け、急ぎの分だけを先週納めたが、残る1件は多少遅れてもよいと言われていたので、その後に殺到する仕事を優先させていた。
 ところが、地鎮祭が始まるので、早急に欲しいという。7階建マンションの外観パースだが、全く手つかずだった。率直にそのことを伝えると、明日の午前中までに何とかできないかという。
 徹夜続きでクタクタだが、やらざるを得ない状況である。今夜も完全徹夜となりそうだが、意地でもやる。プロですから。


 午後からすぐにデータ拾いに取りかかった。マンションは久しぶりなので、感覚が戻るのにしばし時間がかかったが、まずは順調に作業は進んだ。明日の納品分は、人物や車、電車(電車通りに面した物件である)などの添景はまだ入れ込まなくてよいとのことで、多少は楽。

 夕食前、気分転換をかね、写真のネタを探して庭を散策。数年前に挿し木で根づかせた八重のハマナスが満開だった。土地との相性がいいのか、何の肥料もやっていないのに、もう私の背丈を越す勢い。

 ハマナスはバラ科なので、花もバラに良く似ている。延び過ぎる枝を毎年剪定するのが唯一の手間だが、剪定時に気をつけないと、鋭いトゲで怪我をしてしまう。
 しかし、放っておいても毎年忘れずに美しく咲いてくれるというのは、ズボラな私むきの、自立心に富んだ花である。

2009年6月17日水曜日

賢明な選択

 進行中の設計プランが確定するまで、毎日が同じ繰り返しになるようで、昨夜も寝たのが、明け方4時過ぎ。今朝も午前中、2本の電話で起こされつつ断続的に眠ったが、夕方に修正図面を先方に届ける話になり、やむなく起きた。
 朝食もとらず、業者と見積り作業の打合せ。この不況なので、厳しいスケジュールに、快く協力してくれることになった。

 その後、修正作業を継続する。昨日の打合せで決めた内容に、再度の修正が午前中に出た。一晩眠ると気持ちが変わるのは、よくあること。お施主さんもその例外ではない。
 昨日の分の修正作業は明け方までに終わっていたが、やむなく再々修正。昼食やらオヤツをこれまた断続的に食べつつ、4時までに終わらせた。すぐに印刷し、先方に行く。車で10分足らずなので、そこだけは楽である。
 責任者二人が同席し、手すり仕様の追記や引戸の収まりなどで細かい注文が出たが、ほぼOKをいただく。早急に仕上表と特記仕様書、そして立面図をまとめ、見積図書として業者に渡すのが今後の段取り。
 協議のうえ、見積業者は3社を選択した。それぞれ特色があるので、どう転ぶかは不明。アドバイスはするが、最終選択権はあくまでお施主さんである。

 お施主さんに予算がなく、今回の私の業務は、土地を吟味して意見を述べ、決定した土地に基づく見積用図書(図面)を作成し、業者が確定した段階で終了する見込み。確認申請書類の作成と、それに伴う提出作業は施工業者がやる。
 本来は設計事務所と施工業者とが完全分離した発注が望ましいが、緊縮低予算の場合は困難。それでもスタートから施工業者に丸投げするより、基本プランニングの段階で設計事務所がからんだほうが、特に間取りの決定面で大きな差が生じる。
「設計のプロとしての、第三者の視点」が、家作りには大事なのである。

 業者も煩雑なお施主さんとの間取りの打合せ作業から完全解放され、仕事がスムーズに運ぶ。お施主さんとしては、低予算で賢明な選択をされたと思う。
 夕食をはさんで、作業の継続と弾き語りの練習を交互にやる。今日は気分的に、訪問ライブ系の癒しソングを連発した。

 手すり関連の細かい修正と、仕上表と特記仕様書の作成までは夜半までに終わった。これから一休みし、その後立面図の作成作業に入る予定。
 携帯電話の新機種が届いたという連絡が入っているのだが、忙しくて取りに行けない。ブログ用写真も撮る暇がない。早くこの忙しさから解放されたい。

2009年6月14日日曜日

MLS〜VOL.2

 夜にフォーク居酒屋「ありがとう」での定例ミニライブがあるので、あわただしく雑事を片づけた。
 まずはYouTubeに早急にアップすべきオリジナル曲の動画作り。音源の変換はめこみとタイトル類の配置まではどうにか終わらせた。とっかかりが出来たので、残る画像の配置と画像転換処理、そしてタイミング調整は明日以降。

 次に、一昨日急きょ打ち合わせた新規設計物件の間取り案を作成した。ラフプランはすでにその場で鉛筆で描き、大筋での了解を得ている。
 時間がないので間取りをCADで仕上げつつ、細かい部分の修正を同時進行でやる。こちらもかなり進んだ。何とか月曜中には終わらせたい。
 5時近くになってしまったので、あわててライブのリハを通しでやった。喉はまずまずの状態まで回復し、迷っていたストロークのリズムパターンや、細かい節回しの調整などにもようやくふんぎりがつく。
 軽い夕食を済ませ、午後6時過ぎに車で出発。今日もアルコール抜きのストイックライブである。


 先月から始まった、一人の持ち時間が30分という「ミニライブSunday」(略称:MLS)は、今回が2回目。2ヶ月続きのせいか参加者が少なく、お流れになる危機も一時はあったが、蓋を開けてみると、歌い手は前回と同じ7組。聴き手も加えた参加人数は、お店スタッフ3名を含め、23名という盛況であった。
 私のセットリストは、以下の通り。

 ・空に星があるように
 ・三日月の森(オリジナル)
 ・天の川
 ・黒い森の青いネコ(オリジナル)
 ・惑 星
 ・桃色吐息
 ・夕凪わるつ(オリジナル)

 合計7曲をぴったり30分で終えた。ギターのモニター音がやや大きかったが、エレアコを使っているのは私だけなので、そういうこともある。あまり気にせずに歌った。あとで聞いてみたら、客席にはちゃんと聞こえていたようだ。
 いろいろと冒険、そして新しい試みをしたが、出来としてはまずまずで、大きなミスはなかった。暗闇の中にひっそり潜む23名の聴き手の気配は、なかなかよいものである。終了後に多くの方々から声をかけていただき、大変ありがたかった。

 参加者7組はそれぞれに独自の「色」があり、その色変わりをじっくりゆっくり楽しむのが、この新しい定例ライブの魅力と方向性になるかもしれない。今回は歌い順が1番だったので、なおさらゆったり聴けた。
「自分も歌えるが、ひとまず聴くだけ」という参加者が、この夜はかなりいた。確かに、ただ聴くだけでも充分楽しい。しかも、よい勉強とシゲキになる。

2009年6月13日土曜日

節約目標値

 スケジュールがあれこれ詰まっているので、珍しく午前中から仕事。最も急ぐ東京の住宅メーカーの仕事をまずやる。断続的に作業し、夕食後までに終わらせた。
 平面図と配置図をデザイン処理し、レイアウトするだけの単純作業だが、4棟目にして、ついに厚かった4時間の壁(累計作業時間)を破った。素材の備蓄に努め、作業の省力化を図ったのが大きい。時間単価を算出すると、他の仕事と比べても遜色ない。

 このペースだと、ひょっとすると3時間の壁を破る事も可能かもしれない。まるで年間暖房灯油消費量や、車の燃費の目標設定のようだが、何事にも自分なりに目標を決めるのが長年の私のやり方。
 これで思い出したが、毎月の食費雑費の目標値をずっと4万円と設定していたが、最近はこれでも余ってしまうので、さらに5千円下げ、今年はずっと月額35,000円でやっている。(実はこれでもまだ余ることがある)
 毎日夫婦で晩酌し、ちゃんと美味しい物を食べていて、いまのところ病気知らずの健康体。やれば出来る、目指せば叶う。やっぱり目標値である。


 明日の居酒屋定例ライブに備え、仕事の合間にギターの弦を4ヶ月ぶりに交換した。ついでに、摩耗していたナットとフレットの調整をやった。
 道具は手持ちのヤスリ2種類で、平ヤスリは普通の金属加工用。細い棒ヤスリは昔やっていた弓道の矢筈(弦をはめる部分)を調整するためのものだが、ギターにも立派に使える。

 ナットは溝の傾斜が不均等になっている1弦、2弦、6弦を棒ヤスリで調整。フレットは深い溝と不均一な箇所が出来ている1~5フレットあたりを、集中的に平ヤスリで調整した。
 およそ30分ほどで終了。5年前にも30年以上使った古いギターを、同様の処理で調整したことがあり、かなり症状が改善された。普通はプロに頼む作業だが、費用と時間が惜しく、そもそも修理を外注に出すほどの高級ギターではない。
 弦もすべて交換し、さっそく明日の練習を通しでやる。「チューニングしても、カポをはめると音がズレる」という困った症状は、ほぼ直っていた。
 買ってすでに丸4年。わずか2万円の安物だが酷使にも堪え、よく鳴ってくれる。まるで我が身のように思えてくるが、だましだまし末永く使いましょうぞ。

2009年6月12日金曜日

トーサン

 2ヶ月使った妻のプリペイド電話のカード残量が少なくなったので、1年分有効の1万円のカードを買うべく、近所のAU代理店に出向く。月曜でもギリギリ間に合うが、あれこれ身辺が騒がしくなってきたので、いまのうちに片づけたい。
 店では新機種の普通タイプへの切替えを勧められたが、どう試算してもカードのほうが得。受けることが大半だからで、月換算840円弱は安い。

 ついでに丸3年使った私の携帯を切替え可能かどうか尋ねたら、こちらは3,500円出せば最新機種に交換可能で、現状とほぼ同じ条件で月々の支払いは約半分の980円になることが判明。さっそく切替えを申し込んだ。
 気になっていた住所録やメモ帳の内容は、その場でケーブル接続し、新機種に転送可能とか。試算すると、約8ヶ月で元がとれる。以降は安くなるばかり。調べてよかった。


 出たついでに近くのイトーヨーカ堂に寄り、シャツ売場をのぞく。長袖シャツは消耗品で、定期的に補充する必要がある。
 手頃なシャツが「さあ、どうぞ」とばかりにブラ下がっている。紺系のストライプで、わずか690円。好きなデザインだったが、ポケットの形がやや遊び過ぎている気がし、妻の意見を求めると、

「ほとんどアソビ人なんだから、それでいいんじゃない?」


 まあ、それも確かにそうだなとフンギリがついて買おうとしたら、「父の日が近いから、プレゼントしてあげる」と妻が言う。オレはあなたの夫で、チチじゃございませんよと抵抗すると、私のキブンではほぼ父なのよと言い張るので、そうだったデスカと大人しく好意に甘えることにした。
「自分の伴侶をどう呼ぶか?」という命題には以前から興味があり、いろいろ調べたことがある。「お父さん、お母さん」と夫婦間で呼び合うのは日本だけかと思いきや、欧米でもちゃんとあるらしい。これは以前にホームステイ活動をしていた際、直接確かめた。
 私の友人知人でもさまざまに呼び合っているが、「~ちゃん」と互いに呼び合う中年夫婦も複数いて、なかなか微笑ましい。また、「夫」とキッパリ正攻法で呼ぶ友人もいる。

 私の場合、伴侶を「妻」と呼ぶのはあくまでブログ上だけで、子供にメールを出すときは「ハハが」、二人きりのときは「すーちゃん」あるいは単に「スー」、第三者に直接話すときは「女房」あるいは「カミサン」など、時と場合と気分に応じてさまざまに使い分ける。
 我が妻の場合、最初の子が生まれて以来数十年というもの、ほとんどの場面で「トーサン」一本やりで通していて、それはそれでひとつの哲学かもしれないな、と最近では思う。

2009年6月11日木曜日

ブログは消えモノ

 終日雨。「しょうがない雨の日」が、延々と続いてる。
 うっとおしい日々に合わせるかのように、地元の大手マンション分譲M建設が今日、倒産した。負債額が100億を越す大型倒産で、つい先日、戸建住宅の地元大手TハウスやMホームが倒産したばかりで、金融不況の余波はまだまだ序章と考えるべきだろう。

 実はこのM建設とは、20年ほど前に直接取引があり、数年前には知人のデザイン会社を通して、かなりの額の取引があった。いろいろな事情でどちらも途切れたが、知人の会社は、もしかすると大きな被害を被ったかもしれない。
 3年前に地元大手広告代理店の倒産で、50万円近い負債を背負ったことが、つい昨日のことのように思い出される。確か同じ6月だった。宮仕えも地獄、さりとて自営業も地獄。パラダイスは自己の精神世界の中に構築するしかない時代なのか。


 昨日に引き続き、一歩も外に出ずにディスクワークならぬパソコンワークにまい進。滞っていたHPの更新作業をやったが、その内容はブログとそう変わっていない。
 しかし、以前にもふれたように、ブログはライブや人生と同じく、しょせんは「消えモノ」である。一時的な自分の生きたアカシにはなり得るが、「カテゴリ分類」などと工夫をこらしてみても、結局は数日で消え去る、はかなき定めである。
 やや色あせた感はあるが、きちんとした定点情報置場、つまりはアーカイブとして有効に機能するのは、まだまだホームページが主役である。
_これまでノンフィクション小説の企画出版や住宅の本格設計依頼、弾き語り関連のマスコミ出演依頼など、私にとって大きな成果を得てきたものはブログではなく、すべてホームページ経由であった。
 この理由はよく分かっていないが、単にブログの歴史が新しいという理由以外に、「ブログはネット検索にかかりにくく、しかも発信者の素性と連絡先が多くの場合不明瞭」という事情も関係しているように思う。
 ブログは質的量的に、ホームページほど自由に文章や写真を載せられない、という制約も大きい。

 個々のブログの位置づけにもよるが、私のように何らかの「野心」「邪心」を潜在的に抱いてネットからの情報発信をしているのなら、ブログは当面補助的手段程度に考え、曖昧さを排除した誰にでも分かりやすく、出入りが自由なガラス張りのホームページ発信を併用すべきだろう。
「お手軽なもの」「不透明なもの」は、未知の人からの信頼は得にくいと知るべし。

2009年6月10日水曜日

永久不滅

 月曜に納めた仕事に少し手直しが出て、またしても朝一番に起こされた。先方の設計事務所所長は、私とさほど年は違わないが、さすがに人を使って組織を構えているだけあり、朝は早くて仕事のツメも厳しい。いつものようにそのまま起きてすぐに修正したが、やっぱり眠い。
 昨日はNHK-BSで、「ミクロの決死圏」という古いが、非常に面白いSF映画を深夜にやっていて、何気なくチャンネルを合わせたら、ちょうど潜水艇をマイクロ化する最初のヤマ場。何度も見たはずなのに、ついそのままズルズルと最後まで見てしまった。

 最初に見たのは12歳の頃だったが、本当に面白くて手に汗握って見た。細かい部分のストーリーやシーンをいまでもちゃんと覚えていたが、空想科学映画に不釣り合いなラクウェル・ウェルチのグラマスな身体を、子供心にワクワクしながら見たものだが、昨夜もやっぱりそこは同じだった。(^_^;
 何年経っても男のスケベ心に変わりはなく、これがある限り、女の存在は永久不滅である。
 昨夜は映画を見た後、先日ここに書いた「歌謡劇」に関する新しいアイデアが浮かび、その調整作業をやった。
「音の庭*歌の森」の自宅ライブ終了後、NAOさんから歌謡劇に関する欠点をいくつか指摘され、そのうちのひとつが、「幕の切替え時に生ずる時間空白が、やや長い」というもの。
 シナリオと楽譜を再セットし、カポをはめ換えるのに、どうしても15秒前後はかかる。出だしは問題ないが、3曲つなぐとその「空白の15秒」が2カ所出来る。それを何とか出来ないか?

 シナリオも含めて全部を暗記してしまえば問題ないが、そんな神業は私には不可能。解決法をずっと考えていたが、シナリオと歌詞譜をA3サイズ1枚にまとめてレイアウトし、見開き形式で印刷すれば、カポをセットする最小限の時間ロスだけで済むことに気づいた。
 さっそくやってみると、「雨のち晴れ」のシナリオでは、コード譜まで入れても充分に収まる。譜面台にもちゃんと立つし、転調をうまく使えば、カポの入替えすらも不要になるかもしれない。来月以降はこれでやってみることにした。友人の忠告はありがたい。

 あれこれあって、昨夜寝たのは明け方4時。こういう日の翌日に限って、仕事の電話が鳴るもの。片づけたあとで二度寝したが、これはこれで体調を崩す。なかなか都合よくはいきません。

2009年6月9日火曜日

安上がりな人生

 久しぶりに晴れたので、図書館と郵便局に行くついでに、近隣を散策。おや?と琴線に響く被写体にいくつか出会い、カメラに収める。
 1ヶ月ほど前から始めた動画サイト、YouTubeへのオリジナル曲掲載作業だったが、まとめて5曲をアップしてからは、しばし休んでいた。アップすべきオリジナル曲は多数あるが、動画としてまとめる作業が非常に煩雑。しかし、当初の予想よりも反響が多く、やはり少しずつでもアップすべきだろうか、と考え直した。
 今日写した写真は、夏向きの曲としてすでに動画のイメージは出来ているが、まだターゲットとなる写真が手元にないもの。つまり、頭にある初夏のシーンを求めて歩いたのだ。
 だいたいイメージに沿う素材が集まったので、ようやく動画として再構成する作業に移れそう。しかし、やるべきこと、やりたいことが目白押しなので、すぐにというわけにはいかない。思いついたら、少しずつ。


 昨日から今日にかけ、依頼されていた居酒屋のライブポスターを2枚続けて作った。わずかだが、対価もいただけるレッキとした仕事。ある程度慣れた作業で、過去の作品の一部差し替えでも済んでしまう内容だったが、最近会得した新しいテクニックを使い、新しいイメージの作品に再構成した。
 慣れた作業ほど楽だが、時として流されやすい。いったん流されると、そこに新しい創造性の入り込む隙間はなくなる。そこが惰性の怖さだ。戒めるものがあるとするなら、ごく親しい家族か友人の忠告、そして自分自身の矜持か。
 夕方、残っていた自宅西側空地と、再び雑草が延び始めた南側空地の草刈りを黙々と続ける。全部終わらせたが、かなり疲れた。そのせいか、その後の弾き語りの定例練習では高音が思うように延びず、やむなくギターストロークの反復練習に切り換えた。
 散策も含め、今日はちょっと動き過ぎ。おかげで夕食の発泡酒1缶がエラくうまい。生きている喜びをシミジミかみしめる安上がりな人生である。

2009年6月8日月曜日

インスタレーション音楽

 美術、デザインのジャンルで「インスタレーション」という概念がある。一言で書くと「場所や空間全体を作品として体験させる芸術」ということ。鑑賞者は遠く離れた場所からでなく、アート作品そのものに存在しながら、空間を実体験するものだ。

 作品は展示が終わると解体撤去され、後世に残ることはない。写真や映像で残ったとしても、それは決して「体験」したものではないから、現場に足を運んで実感したものとはかけ離れており、作品が真に存続するのは、体験した人の記憶の中だけである。
 最近よく考えるのが、この「インスタレーション型」の音楽だ。CDやDVDで見聞きする音楽は疑似体験に過ぎないから、インスタレーション音楽からは程遠い。ライブが最もそれに近いが、聴き手と歌い手との間に乖離感があると、それもまたインスタレーションからは遠のく。
 歌い手と聴き手の距離感が物理的にも感覚的にも近いことが条件で、さまざまな制約を取り去り、その音楽空間を通して歌い手と聴き手とが一体となるのが理想。数年前からいろいろ企画し、実行しつつあるイベントは、ほぼこの「インスタレーション音楽」を目指していることに最近気づいた。

 路上ミュージシャンも路上で歌っているうちはこの「インスタレーション音楽」に非常に近い感覚だが、いざ売れ出すと次第に聴き手との空間共有感は遠のいていくだろう。それが商業主義、つまりはカネモウケの悲しき運命なのだ。


 で、今日この「インスタレーション型」のライブ企画をひとつ思いついた。通りすがりの人々と空間を共有する路上型だが、出来れば今年の夏にでもやってみたい。
 アイデアの断片はかなり以前からあったが、昨日の夕方、妻の友人であるNAOさんとあれこれ議論しているうち、ほぼ方向性が固まった。フィールドは夏の公園で、記憶に残るのは歌い手である私と、そこにたまたま居合わせた人のみ。

 飲食物や人生と同じで、ライブも究極的には「消えモノ」。飲食物は消えて血肉になるが、人生やライブは消えてどこに何を残すのでしょう?

2009年6月7日日曜日

歌謡劇

 妻が職場から戻るなり、「NAOさんがくるよ、何だか昨日のライブのことで、話があるって」と言う。昨日はライブ終了後、午後6時まで2時間の茶話会があり、話は充分にしつくしたのでは?と思ったが、ともかく出迎えた。
 話はライブ中盤で仕掛けた「歌謡劇」のことで、「伝えそびれたので、ぜひとも」ということである。
 終了後の茶話会では、特に歌謡劇に関する話題はなく、手応えとしては拍子抜けだった。夕食後に妻に確かめたら、やや辛めの評価だったのは、昨日のブログにも記した通り。しかし、NAOさんの話によると、

「あまりに新し過ぎて、考えがよくまとまらなかった」

 一晩寝て言いたいことがようやくまとまったので、伝えに来た。そういうことらしい。

 似た反応が、37年前に初めて歌謡劇をしかけた際にもあった。当時は4曲20分の構成だったが、終わっても拍手ひとつ出ず、場は静まり返ったまま。(これは失敗だったか…)と後悔したが、実際はその反対だったことが、あとで分かった。

「構成が斬新で、語りとBGMのギターのバランスもいい。何より、シナリオの文章が研ぎすまされていて、心に深く残った。独特の世界観を感じる」というのがNAOさんの感想の要旨。作り手にとってこれ以上の評価はなく、素直に喜んだ。
 全体の掲載は無理なので、シナリオの第1幕だけを掲載する。
歌謡劇《雨のち晴れ》~第1幕
 その日は土曜で、学校の講議はなかった。家族は皆でかけていて、家には僕だけだ。
 独りで過ごすのは嫌いではない。でも、なぜだかその日は無性に誰かに話しかけたい気分だった。

 外は雨だった。窓から外を見ると、小さな雨つぶがガラス窓にたくさん並んでいる。その雨を見ているうちにふと思った。
(公園に行ってみようか…)
 公園で何か面白いものが見つかるかもしれない。そう思うと、僕はドアを開けて外に出た。

 公園に人影はなかった。僕は公園の椅子に座って、ぼんやりと灰色の空をながめた。雨は空の彼方からつぎつぎと生まれてきて、公園のかたすみに小さな水たまりをいくつも作った。
 雨はまるでメダカがはねるみたいに、水たまりの上にあとからあとから降りそそいだ。僕は誰もいない公園で、飽きることなく、じっとそれを見続けた。

(…「雨が空から降れば」)
 NAOさんが特に印象に残った部分は、この第1幕の後半部、雨の描写である。実はこの箇所の記述には、一編の詩としても遜色ないよう、かなりの時間を費やした。

「歌はカバー曲でなく、いっそすべて書き下ろしのオリジナル曲にしてはいかがですか。全体の完成度が増すと思いますが」
 とNAOさんは提案する。歌謡劇はストック分も含め、これまで4作品作ったが、曲まで含めて全てオリジナルで、という試みは一度もやっていない。しかし、昔なら無理だが、いまならやれるかもしれない。

 NAOさんは自身も人形劇の活動を長年続けていて、オリジナル脚本も持っている。いわば形を変えたクリエイターで、創作に対する感覚の鋭さの背景は、そのあたりにもある。
「ノレンに腕押し」と思っていた歌謡劇が、思わぬ展開を見せるかもしれない。それにしても、貴重なヒントをいただいた。次回もまたやってみようか、という気になってくる。

2009年6月6日土曜日

音の庭*歌の森 001

 定例化をめざす自宅ライブ「音の庭*歌の森」の第1回が無事終了。声をかけたのは、毎年秋に自宅でやっている「夕映えコンサート」の常連だけだったが、やや遠方に住む学生時代の友人夫婦とは、あまりに話が急だったせいか連絡がとれず、聴き手は妻とその友人3名であった。

 このライブのコンセプトは、「歌を介したオトナの遊び場作り」といったもので、営利は一切目的としない代わりに、「完全禁煙」「ライブ中はアルコール厳禁」「飲物食べ物は各自持ち寄り」など、参加者にとっては厳しいオキテがある。
 いわば音楽を仲立ちとした共同体、「音楽コミューン」のようなもので、この構想は4年くらい前から実はあり、当時の詳細なメモがいまだに保存してある。


 試行錯誤を重ねてきたが、家族の理解も得て、めでたく実施の運びとなった。「ある日突然」のようでいて、実は周到に準備された道筋なのである。とはいえ、初回なので、いろいろと手探りの部分もあった。

・ライブ開始が午後3時。(明るいライブは難しい)
・休憩なしの1時間限定。(体力が持つか?)

 そのほか、「最後まで椅子に座って歌う」「大幅に改良したPAでやる」という不確定要素もあった。PAに関しては聴き手が旧知の仲なので、途中でボリュームやリバーブの数値をあれこれ確かめ、修正しながら進めた。
 この日のセットリストは以下の通り。

「六月の空」(オリジナル)
「あめのことば」
「黄昏のビギン」
「こころの虹」

 ~歌謡劇 "雨のち晴れ"
「雨が空から降れば」
「こわれました」
「もしも明日が晴れなら」

 ~ノーマルに戻る
「野の花や」(オリジナル)
「女ひとり」
「誰も知らない夜」(オリジナル)
「星の世界」
「桃色吐息」
「引き潮」
 ~アンコール
「惑 星」
 合計14曲を一気に歌った。ジャンルはフォーク、オリジナル、歌謡曲、唱歌と多岐に渡っていて、まさに「歌の森」。オリジナルは意識的に少なめにした。結果として初披露の曲が6曲。初回としてはまずまずで、「常に新しいものを目指す」という日頃の生き方にも沿っている。
 開始は3時ちょうどで、終了が4時5分。アンコールで約5分延びたが、予定時間ピッタリにおさめた。

 歌い終えたあとの自身の手応えは、非常によかった。短い時間のなかで周到に準備を重ねたので、目立つようなミスはゼロ。喉の調子もうまくピークにもってきて、その気になればもっと歌えた。しかし、「毎月やる」という大義名分もあり、余力は次回への楽しみとして残しておいた。

 妻の評価も「最初の頃より、歌や場のさばきが随分上手くなったわね」と、おおむね良好。ラスト「引き潮」の終盤では気持ちが入ったせいか、涙があふれそうになった。妻も泣いているのが気配で分かる。しかし、歌い手である私は、際どくこらえた。
 ラストひとつ前、初披露の「桃色吐息」はNAOさんに非常に評判が良く、「男の人では初めて聴いたが、独特の味がある」と感激してもらった。
 この歌は激しいストロークで弾くので、消耗が激しい。ラスト近くにもってきた大きな理由だが、今後も歌い続ける曲になる可能性が高い。


 前半のテーマは、このところの愚図ついた空模様を反映させ、ズバリ「雨」である。全体の半分は雨に関連する曲だ。
 中盤に入れた歌謡劇「雨のち晴れ」は、自作のシナリオを関連曲でつなぐ構成で、4年前に作ってお蔵入りしていた作品。この種の歌謡劇は37年前に初めて試みた。雨に関連する構成なので、昨夜思いついて急きょ加えた。これだけでおよそ15分を費やしている。
 当初は非常に受けた手法だったが、妻の評価は、「単体でなら面白いが、1時間のライブの中だと、やや冗漫になる」という辛いもの。なるほどね、と納得。時と場が異なれば評価も変わる。それがライブというものだ。

 今回知ったのは、いつもの場、いつもの聴き手、いつもの歌い手で、休憩なしで1時間歌い続ける難しさである。楽曲のバリエーションや構成を変えつつ、どこまでやれるか、いよいよこれからが勝負である。