2013年2月28日木曜日

イカスはヤバイ

「イカス」そして「ヤバイ」という言葉がある。いずれも若い人を中心に使われた流行語の類いだが、50年の歴史を誇る「イカス」はすでに死語の世界となってしまったのに対し、わずか30年の歴史しかない「ヤバイ」が市民権を得たのはなぜだろうか。
 具体例をあげる。「ヤバイ」は、かの宇多田ヒカルがデビューアルバム「First Love」の中にある「甘いワナ」という歌の中で繰り返し歌っている。これが1999年、彼女が16歳のときだ。

 宇多田ヒカル、現在30歳。まだまだ若い。そんな彼女がなぜ「危ない」「怪しい」「格好悪い」といった否定的な意味合いの言葉だった「ヤバイ」を歌詞に使ったか?
 ここからは推測だが、もしかすると彼女が「ヤバイ」を「凄い」「のめり込みそうなくらい魅力的」という、肯定的な意味で使い始めた先駆者ではなかったか。それこそが、言葉を巧みに操る秀でた才能の持ち主である証しか。
(この部分「日本語俗語辞書」を参考にしました)
 さて、次は「イカス」である。1950年代後半から芸能界を中心に盛んに使われたが、すでに10代20代の方には通じない言葉なのではないか?
 言葉の意味は「かっこいい」「魅力的」で、実は肯定的な意味での「ヤバイ」と大差ない。こちらも当時ヒット曲の中で使われた。真っ先に思い出すのが、フランク永井の「西銀座駅前」。
 1958年の曲だが、かなり売れたと思う。当時9歳だった私も、学校の行き帰りによく口ずさんだほど。

「イカス」はCMや日活の青春映画のセリフでも多用された。記憶がやや曖昧だが、森山加代子が「デイリーソーセージ」という、当時トレンドだった魚肉ソーセージのCMで「イカす味なノォ~♪」と歌っていた気がする。
 映画では、かの吉永小百合の名作「キューポラのある街(1962年)」「草を刈る女(1961年)」などでも使われていたはずで、当時は間違いなくトレンディな言葉だった。
 しかし、いまでも時折テレビで放映されるこの種の日活映画で、あの小百合サマが「イカすわ~♪」などと愛くるしい笑顔で語っていたりすると、見ているこちらが妙に気恥ずかしい。もはや廃れてしまった過去の言葉である証しだ。

 現段階で「流行語」と位置づけられている言葉を歌詞や文章に取り入れるのは慎重にというより、余程の理由づけがない限り、やめておいたほうが身のためであるかもしれない。

2013年2月27日水曜日

自由業の定め

 確定申告に使う経費台帳のデータ入力のかたわら、Winodws7のセットアップ作業をやり、その合間に今月締めの請求書を作り、さらには母の暮らす施設から届いた介護計画書に目を通し、書類に記入捺印する。
 雑多な作業が同時進行している感じだが、そんなときに月曜に納品した仕事の修正2点が飛び込む。都合5度目の修正で、こうも頻繁だとさすがに辟易してくるが、半ば意地になって1時間ほどで修正して即納。
 などといいつつ、同じメールにはこの2ヶ月間打ち込んできた仕事の請求金額内訳が記載してあり、今月と来月とに分けて請求書を上げるようにとの指示。事前に出した見積書に沿ったものだったが、一部色をつけてくれた仕事もあって、合計額では見込みをやや上回っていた。
 進行中の確定申告書類作成のなかで、昨年の事業収入は開業31年目にして、過去最低額を記録したことが分かっているが、何と今年2ヶ月ですでに昨年分を上回ってしまった。

 浮いたり沈んだりが自由業の定めだが、デザイン系の仕事が8ヶ月も途切れ、いよいよ名実ともに悠々自適の生活に突入かと腹をくくっていたら、思いがけずこんなことになった。
 果たして喜ぶべきなのか悲しむべきなのか?アベノミクスとやらの行末をじっくり見極めつつ、今後の進むべき方向を冷静に判断することにしよう。


_格闘中のWinodws7は、かなりほぐれてきた感じ。インストールして間もないので、起動するたびに更新プログラムがあれこれとうるさいほどダウンロードされ、なかなか使える状態にならずにイライラさせられる。
 もうすぐサポートが終わるXPも似たようなもので、メインで使うMacにはほとんど見られない現象である。つまり、世間ではこうもWindowsを狙った犯罪が溢れているということなのか、はたまたWindowsはもともと脆弱なOSということなのか、どうでもよいことだが、おつき合いは最低限に留めたいと、つい思ってしまう。

2013年2月26日火曜日

電子書籍元年

 アマゾンのKindleで誰でも電子書籍が出版可能になったことは、以前にもふれた。審査は当然あるが、クリアすると48時間以内にアマゾンのサイトから販売される。
 すでにアカウントも取得し、いつでも出版できる体勢は整えたが、昨年末からの急なデザイン系業務の展開により、構想は中断したままだ。

 それでも準備はしておきたい。その一環として、所有するアンドロイド中華Padで動くKindle閲覧専用ソフトを無料ダウンロードし、これまたアマゾンから無料で配布されている本のいくつかを実際に読んでみた。
 その様子は写真の通りで、中華Padから直接アマゾンのサイトにアクセスし、「Kindle」→「本」→「無料本」と進めば、かなりの数の本が一覧表示され、ダウンロードできる。


 電子書籍に関しては、すでに「青空文庫」というサイトで著作権フリーの本が自由にダウンロード可能で、そのままPCやスマホ等で読める。
 こちらは昨年からすでに20作近い作品をダウンロードし、マイクロSDカード経由で中華Padに入れ、「青空読手」という専用ソフトで読んでいるが、使い勝手はいまのところKindleが上か。
 Kindleでは表紙が一覧表示されるし、頁の背景色やフォントサイズも自由に変えられる。Padを縦横自由にしても読めるが、対して青空読手では表紙がなく、文字も背景も1パターンのみで、縦位置限定だ。しかし、文字は大きめで背景は薄いベージュなので、不自由はない。
 青空文庫の強みは、作品を本体から切り離せること。調べてみたが、Kindleでは本体のどこかに格納されてしまうらしく、ネット接続を切っても読めることは読めるが、外部に持ち出すことはできないようだ。
(「販売」が主目的であるため、コピー防止措置と思われる)

 著作権フリーの日本文学を中心に、PCやスマホで自由に読みたいなら青空文庫、有料の本も含めて、より便利に電子書籍を利用したければKindle、ということになろうか。
 電子書籍はまだまだ日本では黎明期だが、近いうちに本はもちろん、新聞や雑誌もすべてこちらが主体になると思われる。インターネットのように、いざ広まり出すとあっという間だろう。それまでいろいろ試して慣れておく。

2013年2月25日月曜日

Windows7を導入

 天気がよいので、自宅の窓を覆うように降り積もった雪を外側からどかした。今冬は一度も除雪せずに放っておいたので、かなり固く締まっている。しかし、いつまでも室内が暗いのは落ち着かない。
 その後、歩いて郵便局まで用足し。歩道は写真のように3メートル近い雪の山。左側に車道があるのだが、全く見えない。まるで雪のトンネルを歩くようだ。


 家に戻って遅れている確定申告書類をいよいよ作り始めようと思ったら、先日アマゾンに注文してあったWindows7がメール便で届く。セットアップは後回しにするつもりだったが、動作不良が万一あった場合、連絡は早いほうがいいかな、と考えた。
 結局封筒から取り出して、Macのバーチャルソフト「VirtualBox」にインストールした。WindowsXPのサポート終了が1年後に迫っている。Windowsでしか動かないCADソフトがあって、最近の仕事の流れから考え、来年も使い続ける公算が大きい。
 地デジ切替時同様、期限が迫ると世間がパニック状態になるかもしれず、早めに切り替えておくかと調べてみると、アマゾンに送料込み7,760円の品がまだある。迷わず買った。


 インストールは予想外に手間取った。Macとファイルを共有したり、画面サイズを自在に変えたりすることが、なかなかできない。「Guest Additions」という機能拡張を設定する必要があるのだが、その方法が分からない。「自動マウントされる」と説明書にあるが、なぜかされないのだ。
 英語のマニュアルと格闘し、深夜までかかって手作業にてようやく成功。セキュリティ関連やブラウザのOperaなど、最低限のソフトをまずインストールしたが、肝心のCADソフトは手つかずだ。
 実は夕方になって、先週末に納めた仕事の修正が入り、納期が例によって明日の朝。ひとまずは普通に動くXPで終わらせる必要があった。何かと追われる。

 Windows7の起動時間はXPとほぼ同じで、約60秒。画面の文字はMacの美しさにはるか及ばず、期待はずれ。デザイン系の仕事がなければ、おそらく使うこともなかっただろう。
 しばらくはXPと併行して使い、徐々に慣れてゆくつもりだが。

2013年2月24日日曜日

案内状&釣銭ケースをDIY

 紙ジャケットCDのメドがついたので、残り少なくなった印刷用紙を補充し、100円ショップで小型の値札シールも調達。家に戻ってひとまず5セット分を作った。
 この値札シール、なかなかいい感じだが、何と875片も入っている。年に100枚売れたとしても、9年近くもつ計算。使いきれるのか?


 併行して案内状ケースも作る。一連のチカチカパフォーマンスグッズのひとつだが、これまではそこらのビニール袋に入れてテープで止めて使っていた。使用頻度が高いので、薄い袋ではすぐにダメになる。そこで厚めの透明クリアフォルダをバラして使うことにした。
 案内状はA6サイズで、ライブ時には過去の経験から最大25枚くらい準備する。同じ袋には、オリジナルCD販売時に使う釣銭も入れておく。これまでは500円硬貨2枚だけだったが、今後は200円の廉価版CDも販売するので、100円硬貨6枚を追加した。
(千円札を出された場合を想定)
 案内状と硬貨は同じ缶に入れて並べるので、袋も同じほうが手間が省ける。この両方をうまく収納できるケースにした。
 作り方は紙ジャケットCDとちょっと似ている。硬貨が散らばらないよう、独立した小型ケースを作って二重構造にした。あれこれ作業するうち、今日から始める予定だった確定申告書類の作業は、結局出来ずじまい。まあ、明日がある。

2013年2月23日土曜日

紙ジャケットCDをDIY

 ふと思い立って、オリジナル曲の入った紙ジャケット方式のCDを作ることにした。オリジナル曲CDは主にチカチカパフォーマンスで頒布販売を行なっていて、日によって大きな波があるが、過去9回の活動ですでに40枚が売れた。
 ただ、11曲入り500円という価格は人によって高いと感ずるらしく、興味深げに手にとって裏表をじっくり眺め、結局は買わない、という方も少なくない。
 自分が聴く側に回ったとして、通りすがりに耳にしたずぶのアマチュアシンガーのCDに、果たして500円を出すだろうか?と考えると、ちょっと首を捻ってしまう。オリジナルと気取ってみたところで、そこらが聴き手の本音ではないか。
 そこでもっと簡易な廉価版オリジナルCDを同時に陳列し、選択肢を増やそうと考えた。本当は1枚100円の投げ銭価格のCDを作りたいが、綿密に原価計算をしてみると、さすがに100円では厳しい。

 これに近いキリのいい価格で、しかも買い手にお得感を感じさせるにはどうすればよいか?ずっと考えていたが、たどり着いたのがストリートで評判のいい曲を2~3曲だけチョイスし、安価なパッケージで販売する手法。
「紙ジャケット」というCDのスタイルがあることを以前に知ったが、より詳しく情報を集め、独自の手法でやってみようと思った。


 最大の課題は紙ジャケットの体裁と作り方である。いろいろな手法がネットで見つかったが、A4サイズの厚紙用紙に印刷し、折り紙のようになるべく加工を少なくする方法を選んだ。
 完成後のサイズは125×125で、既存のCDケースに高さを合わせる。表側に写真と曲のタイトルを印刷し、ジャケット裏面にあたる部分には曲の歌詞とその他の情報を印刷。用紙の裏側には折り代のみを直線で印刷し、カッターの背でこすって折りやすくする。

 サンプルを作ってみた段階で、入り口になる部分だけ左右を一部カットするほうが、仕上がりが美しいと判断。内側に折り込んだ紙の一部は糊付け処理することにした。
 CDレーベルはいつものようにジャケットと同じデザインを流用。入れる曲は熟慮のすえ、評価の高い「抱きしめて」「独り」「サクラ咲く」の3曲とした。
 ほぼイメージ通りに出来上がったが、内側にはCDにキズをつけないよう、キッチンペーパーをカットして糊付け。本来なら不織布ケースを丸ごと入れたいところだが、嵩張るのを避けつつ、コストを下げる苦心の選択だ。

 販売時には透明ケースに入れて見映えをよくする予定。陳列棚には2種類のCDが並ぶことになるが、価格が一目で分かるよう、小さな値札シールをそれぞれに貼ろうかと思う。
 次回のチカチカパフォーマンスからさっそく試してみたいが、どんな動きになるのかと、ちょっと楽しみ。

2013年2月22日金曜日

キャリーカートの有効利用

 チカチカパフォーマンスでの機材移動手段にキャリーカートが充分に使えることが分かり、今日はそれに沿って手持ち機材の改良を試みた。

 昨日一緒に活動した似顔絵描きのまつみさんから、「キャリーカートを看板掲示にも使ってはどうですか?」とアドバイスを受けた。まつみさんや他のパフォーマーは、パフォーマンス中には用のないキャリーカートを、確かに看板掲示などに有効に使っている。
 PAの設置に使っている人もいるが、私の場合はPAは三脚設置がベスト。やるならオリジナルCD販売スタンドか、案内状入れあたりだ。


 さっそくいろいろ試してみる。オリジナルCDの陳列棚は、現状の譜面台脚方式よりも設置が簡単で安定しており、しかも見やすい。
 次に案内状入れを上端の横パイプに目玉クリップで止めてみた。何とか止まるが、やや安定感に欠ける。食事や休憩をはさみ、対策をあれこれ考える。
 CD陳列棚と案内状入れにキャリーカートを使った場合、現状の譜面台脚は使わない方向となるが、そうなるとライブ前のデジカメ撮影用三脚の代替品を別に考えねばならない。

 試行錯誤するうち、現状の譜面台上端に使っているネジ付きの棒をそのままキャリーカート縦パイプに固定してやればいいことに気づく。ビニールホースを蛇口に固定する金属バンドを使って止めてみると、案内状入れもデジカメもぐらつかずに安定する。
 かくして、現状の譜面台脚はお役御免となった。これにより、機材重量がおよそ450g軽くなる。キャリーカート移動時に重さはあまり関係ないかもしれないが、段差のある部分などでは、やはり少しでも軽いほうがいい。
 次回のチカチカパフォーマンスから新方式で臨むことになる。機材の細部が毎回のように目まぐるしく変わるが、少しずつ使いやすく、つまりは前進しているのは間違いない。

 今日はそのほか、紙ジャケット方式のCDについてもいろいろ調べた。評判のいいオリジナル曲を2~3曲だけ入れた、ごく安いCD(200円くらい?)をチカチカパフォーマンスで販売しようと考えている。そのための情報収集である。これに関しては明日以降に。

2013年2月21日木曜日

大雪のチカチカ

 記録的な大雪が降った。昨夕で140センチだった自宅北方4キロの地点にあるアメダスの積雪量が、午前9時で179センチに到達。観測史上例のない記録だそうで、朝起きると南側の窓が雪に埋まり、室内が暗い。
 西側のテラス窓は床に近いので毎年雪に埋まるが、南側の窓はそれより60センチも高い位置にある。この窓がここまで埋もれたのは、過去13年で記憶にない。

 あとで知ったが、自宅東側を流れる川の対岸地区にある拓北では、24時間積雪量が53センチを記録したらしい。いわゆる「ドカ雪」というヤツで、都心まではJRで20分強で着く便利な地域だが、もはや完全なる豪雪地帯である。


「新聞が届いていない」という妻の声で目覚めてドカ雪の異常事態を知ったが、午後からチカチカパフォーマンスに行く予定になっている。玄関前は雪で完全に塞がっているので、これをどかさないと参加は不可能だ。
 昨夜は3時まで起きていたので5時間しか寝てないが、雪が気になって起きてしまった。まだ雪は止まないが、腰をかばいつつ、除雪車の置いていった硬い雪をまずスコップでどかす。

 いったん休憩して珈琲を飲み、次に電動除雪機を持ちだして作業した。電気代はかかるが、さすがに機械は楽で、20分ほどで車を出せる状態になる。再び家に戻って軽くリハーサルをする。
 空は徐々に晴れてきたが、雪による渋滞が怖いので、いつもより30分も早く家を出た。


 ほぼいつも通りの時間に都心に着く。この日は2週間ほど前に買ったキャリーカートを初めて試す日でもあった。大雪で歩道の状態が悪そうだったが、逆にこんな日にこそ、キャリーカートの真価が分かるというものだ。

 機材は自宅で梱包し、キャリーカートごと車に積んだ。うまい具合にそのまま後部トランクにすっぽり収まる。心配していた雪道だったが、あまり問題なく運べた。段差部分もゆっくり進めばOKである。
 何より、肩や腰への負担が格段に少ない。これは使える。
 この日は昼の枠に似顔絵を含めて4組がエントリーしているはずだったが、事務局に行くと、まだ誰も来ていないという。大雪で出遅れたのかもしれない。やむなく、2種類ある看板を預かり、キャリーカートに積み込む。
 ヒモや余分なゴムバンドを持参しなかったので、積み込みにはかなり苦労した。しかし、工夫すれば何とか積める。移動時には手で支えてやり、地下へは階段ではなく、エレベーターを利用した。

 会場は苦手とする北3条広場だが、2月は割当て枠が少なく、他の会場の選択肢はない。トップバッターとして14時ちょうどから第1ステージ開始。およそ27分で以下の8曲を歌う。(※は初披露)
 直前に連絡のあった知人のTさんが会場に来ていて、最初から聴いてくれた。

「いいじゃないの幸せならば」「石狩挽歌※」「人形の家」「抱きしめて(オリジナル)」「男と女のお話」「夜が明けたら」「圭子の夢は夜ひらく※」「伊勢佐木町ブルース※」


 前回大冒険企画としてやってみた「暗くてマイナーな曲」が予想外に受けたので、勇気を得て再度似たような構成で臨んだ。人が集まりだしたのはオリジナルの「抱きしめて」あたりから。自分でも理由がよく分からないが、この曲は本当に強い。
 続けて歌った「男と女のお話」で聴き手はさらに増え、一気に30人近くまで迫る。そのまま大きく減ることなく、ラストまで歌い進んだ。
 いつもはマルチビジョンの音声が大きい会場だが、この日はいつもより音が小さく感じられた。この会場としては、かってないほど人が集まった理由のひとつだったかもしれない。

 楽曲の強さにも助けられたのも事実だ。聴き手は必ずしも明るくて励まされる曲ばかりを望んでいるわけではない。時には暗く沈んだ曲も聴きたい。それが紛れもない事実である。その確証をこの日得た。
 ここでは曲調はあまり気にせず、自分の歌いたい曲を好きに歌えばよいのだ。
 ジャグラーの方のパフォーマンスをはさみ、15時10分から第2ステージ開始。およそ28分で以下の9曲を歌った。第1ステージでアルペジオの感覚が微妙にズレたので予定を少し変え、全曲ストロークで歌った。

「夢の途中」「時の過ぎゆくままに」「オリビアを聴きながら」「不思議なピーチパイ 」「白い冬」「ダスティン・ホフマンになれなかったよ」「五番街のマリーへ」「男と女のお話」「熱き心に」

 後半はガラリ雰囲気を変え、実績のあるメジャーな曲を並べた。ところが、聴き手の集まりが前半に比べて極端に悪い。第2ステージにありがちな展開だったが、臆せずに淡々と歌い継ぐ。
 いつもは強いはずの「白い冬」で、ついに聴き手がゼロになってしまった。過去一度もなかったことで、理由は不明。ふきのとうがいつでもどこでも受け入れられるわけではないということだ。

 いつものように通りに吹く風になった気持ちで歌い続けるうち、「ダスティン・ホフマンになれなかったよ」からまた人が集まり始めた。ストリートの聴き手には、まるで波のような掴みどころのない流れがある。
 以後、聴き手は減ることなく増え続け、ラストの「熱き心に」では20名近くに達した。第1ステージであまりに反応がよかったので、「男と女のお話」を再び歌った。同じ日に同じ歌を2度歌うことはまずないが、それほどこの曲が強かったということ。
 この日売れたオリジナルCDは2枚。ほとんど告知せずに並べてあるだけなので、こんなものか。最後の2曲くらいで指と足の裏がつり気味になり、さらには寝不足による眠気も襲っていた。これらは大雪によるダメージであるのは間違いない。気を奮い立たせて歌いきったが、ちょっとした綱渡りだった。
 すべてを終えて撤収にかかろうとしていると、遠くから中年女性が微笑みながら近づいてくる。以前に子供がサッカーでお世話になった者です、という。15年前に指導していたサッカー少年のお母さんなのだった。
 普段は通らない地下通路を何気なく通りかかり、懐かしい歌だな、上手な人だなと思って聴くうち、以前のサッカーコーチであることに気づいて驚いたという。
 偶然だが、住んでいたマンションも同じで、息子さんは札幌選抜チームにセレクトされた優秀な選手であった。しばし懐かしい話にふける。本当に不思議な偶然の起きる空間である。

2013年2月19日火曜日

テーマソングCD完成

 珍しくデザイン系の仕事が全くなく、昨日途中までやりかけて、急な仕事で中断していた介護施設テーマソングCDの作業を集中してやった。
 まずは音源をサンヨー製のICレコーダーからパソコンに取り込んで専用ソフトで編集。USB端子から一発で取り込みたいところだが、あいにくMacパソコンには対応していない。いまどき融通の効かないことであるが、音質や使い勝手はまずまずなので、文句はいうまい。
 Windowsのバーチャルソフト「VirtualBox」を起動させ、ここを経由してファイルを取り込む。

 次にフリーの音源編集ソフト「Audacity」から曲ごとに細かい編集作業をする。無料とは思えない優れたソフトで、使い方にもかなり慣れてきた。介護施設むけのCDなので、リバーブは軽めに設定した。
 曲ごとに3テイクずつ、つまり6つの音源を録音したが、2曲とも2番目に録った音が無難な出来映え。こちらを採用とした。


 次にCDレーベルやタイトルの作成に入る。2曲だけなので、歌詞はタイトルの裏面に印刷し、録音情報等は余白に書き込んだ。
 写真は撮りためてある中から、明るいイメージのものを選択。タイトルと同じデザインをCDレーベルに転用するのは、昨秋に作ったオリジナルCDと同じやり方だ。
 各種ファイルはオリジナルCD作成の際に作ったものを流用。手法は固まっているので特に問題なく、スムーズに完成に至る。ここまでで、合計6つの各種ソフトを駆使した。素人でもスキルさえあれば、ごく安い費用でそれなりのCDを作ることができる。いい時代である。
_一晩乾かして明日発送の予定。大雪や仕事、そして腰痛のせいで随分遅れてしまったが、なかなかの出来映えと自己評価。
 オマケのつもりで作った音頭調の「笑顔で暮そう」は、簡単な手話ふうの振り付けをつければ、施設のイベント等でも充分に使える感じがする。夢は広がる。

2013年2月17日日曜日

ほのぼの豆ライブ

 以前にある方のライブで行ったことのある近隣のカフェで、イベントライブが実施されることを知った。最近は足が遠のいていたが、問い合わせると、ぜひにという。マスターは私のことも覚えていてくれた。
 開始は15時で終了が20時。途中退出もOKで参加費は発生せず、ワンオーダーのみという、願ってもない条件である。

 店はやや小さく、キャパは15名といったところか。アルコール類は一切なく、食べ物の持込みも可。一人の持ち時間は15分で、3曲以内。住宅街に店がある関係でマイクやアンプ類は一切使わない、いわゆる完全なるアンプラグド・ライブである。


 店は自宅から9キロほどで、夏なら20分で着く距離だが、大雪による渋滞で30分かかった。駐車場は店の前に4台分があり、私の到着は2番目で、充分に余裕があった。
 15時近くになって、続々と人が集まってきた。知らない顔ばかりの完全アウェイかと思いきや、数年前から介護施設系ライブでよくご一緒する女性シンガー、ユキさんにばったり出くわす。
 その他、8年前に私が主催した及川恒平さんの時計台コンサートの折に来ていただいた方にも遭遇。世間は実に狭い。

 世話役のコズエさんの音頭で、まずマグネット式のプレートに名前を書いてエントリー。代表者によるじゃんけんで、歌う順を決める。接待に忙しいマスターだけがラストの指定枠である。プレートを金属ボードに順に貼って壁に掲示し、準備完了。
 実はこの手法、以前に別のカフェで30回続いた同名のイベントライブから受け継いでいるのだとか。そのカフェが閉店してしまい、引き継ぐ形で今回のライブが企画されたらしい。
(参加者の大半が当時のメンバー)
 客は全部で12名。内訳は男性が7名女性が5名で、うち男性5名女性4名が歌い手をかねている。昼時間のカフェという条件がそうさせるのだろうか、この種のライブとしては女性シンガーの比率が非常に高い。
 少し遅れて15時30分からライブ開始。エントリーは合計9組で、私は4番目という、早くも遅くもない絶好の順番を引き当てた。

 楽器は大半がギターで、一部にピアノ、鍵盤ハーモニカ、ウッドベースがアドリブ演奏で混じった。
 歌のジャンルはフォーク、昭和歌謡、ポップス、ジャズ、オリジナルなど、多種多彩。歌や楽器の技量を競うというより、音楽を楽しもう、という姿勢が随所に見られた。MCも各自長めで、客席とのやり取りも盛ん。暖かで家庭的な雰囲気である。「ほのぼのライブ」とは実にうまいネーミングだ。


 入れ替えを含めて、1組およそ20分で回る。休憩は一切なく、トントンとライブは進む。私の出番は16時30分からだったが、開始1時間を経過していたので、開始前に自主的に声をかけて5分の休憩タイムをとった。
 初めての場ということもあり、この日はジャンルの異なる曲を並べた。

「ろくでなし」「もっと(オリジナル)」「夜が明けたら」

 9組のなかで、立って歌ったのは私一人。店に備付けの譜面台を使った関係で、譜面はいつもの中華Padはなく、A4版の紙を持参した。サイズが大きいので、歌っている途中に譜面から目を離しても歌詞を見失うことが少ないという利点がある。
 通りに面した大きなガラス窓があるので、店内は非常に明るい。照明効果はなきに等しいが、あまり気にならずに普通に歌えた。歌唱中は非常に静ひつで、みなさん熱心に聴いてくれる。集中できる条件が整っていた。
 アンプ類が一切ないという条件は、最初は不安に感じたが、始まるとそう気にならなくなった。声や楽器そのものの音がストレートに響くので、PAを使った音とは別の何かが伝わる感じだ。
 店が小さく、ステージは客席の一部を利用したものだった。歌い手と聴き手の距離が非常に近い。ここが大きなポイント。弾き語りを始めた頃の、何か懐かしくて大切なものを思い出したような気がする。


 18時30分に、9組すべての歌唱が予定通りに終了。やり残しの仕事があり、最後まではいられないことを事前に伝えてあったので、途中で退席した。それを潮に、それぞれ用事がある他の数名も席を立つ。
 時間のあるメンバーは、その後も自由なセッションを楽しんだ模様。このイベント、どうやら定例化するらしい。

2013年2月16日土曜日

中華Padでブログ

 中華Padを使ってブログを書く方法に関し、ずっと調べていたが、ようやくやれる見通しがつき、今日初めてトライしている。
  一番難しかったのが写真のアップ。中華Pad内蔵のカメラは精度が悪くてとても使えず、常用するデジカメで撮った写真を使いたい。
 デジカメにマイクロSDカードをまず入れ、普通に撮影。カードを中華Padに移し替え、2種類のアプリで加工して明るさやピントを調整。その後、360×270の小容量画像に変換する。
(サイトを軽くするのは、非常に重要。軽いサイトは検索順位が優先される、とも言われる)

 android専用のftpアプリで画像を転送。最初の大きな山を越えた。


 次なる問題は本文の記載である。実は私のブログは、一部にタグ言語を使っている。普通に記すと愛想のない小さい画像とレイアウトになってしまうので、やむなくやっている。
 この面倒な画像表示タグ言語を簡単に打ち込むため、「CopiPe」というアプリを探し出した。定型文を登録しておき、一発でコピペ可能な優れ物。これを使って、オリジナルの切り株画像も瞬時に書き込める。
 こんなふうに。
_日本語入力はPCで使っているローマ字入力の設定方法を、ようやく見つけた。しかし、画面上でふれるだけの入力は普段の倍の時間がかかり、練習と割り切らねば、とてもやってられない。
 今回の試みは、旅行や外出時などに中華Padのみでブログやツィッターを記載するため。そして、2月からチカチカパフォーマンスでWi‐Fiが無料で使えるようになったのも、きっかけになった。
 どうにかひとつの壁を越えられそう。

2013年2月15日金曜日

700曲

 電子譜面にデータを入力し、保存管理している弾き語りコード譜の曲数が、つい最近700曲を突破した。調べてみたら、オリジナル曲がおよそ1割の75曲。他はすべてカバー曲、ということになる。
 パソコンのデータベースソフトを使って入力し始めたのが、確か2004年ころのこと。レパートリーとしては多いほうだと思う。足掛け10年もの間、コツコツと励んできたひとつの結果だ。


 おそらくそのうち半分くらいは、一度も人前で歌ってない曲。思い立って歌詞やコードを探し、データを打ち込んで反復練習。その後人前で披露するかしないかは、特に他からリクエストがあった曲以外は、あくまで直感。自分でもよく分からない世界である。

 楽曲に大きな制限がなく、ある程度自由に歌えるチカチカパフォーマンスの場を得て以来、覚えた曲を披露する確率が飛躍的に高まった。
 しかし、聴き手が目の前にいなくとも別に構わない。歌はあくまで自分に向かって歌っている。

2013年2月14日木曜日

毎日がバレンタイン

 せっせと仕事に励んでいたら、階下で勤めから戻った妻が、珈琲が入ったわ、と呼ぶ。バレンタインデーなので、近所で見つけた焙煎珈琲専門店にでも行こうかと思っていたが、すでに我が家の特製ローコスト珈琲が入っているらしい。
 階段を降りてみると、居間のテーブルの上にチョコの箱が。数年前から夫婦間の義理チョコは廃止したはずが、なぜか虚礼復活である。

 しかし、遠慮するほどの品ではなく、オヤツに最適のチョコワッフル。妻のキモチに感謝しつつ、美味しくいただいた。
 日頃から気づいたときに夫婦間のプレゼント交換は怠っていないので、バレンタインデーだからといって、ことさら構えることもない。いわば、「毎日がバレンタイン」なのである。


 就職で上京し、入った会社の先輩社員だったのが妻。別にバレンタインチョコを貰って付き合い始めたわけではなく、当時すでに婚約していた仲。東京を遠く離れた山中の現場勤務だったが、バレンタインにピタリ合わせて大型のチョコが届き、ちょっとうれしかったのを覚えている。
 バレンタインチョコがまだそれほどメジャーではなく、「よく気のつく彼女だ」と、現場事務所で大騒ぎになったほど。

「チョコは消えるけど、何か残るものを」と、包みには小型のハンマーが入っていた。これでチョコを割って食べる趣向だったが、(ボクたちの仲もチョコのように割れてしまいやしないか…)と、ちょっと不安だったことも、よく覚えている。
 いまでも保存してあるハンマーを何も言わずに妻に見せたら、経緯はちゃんと覚えていた。生者のあらん限り、思い出は生きん。

2013年2月12日火曜日

ウチ珈琲

 毎日家で2杯ほどの珈琲を飲む。妻はかって日に3杯飲んでいたが、腎臓に砂状の結石があるとのことで、医者から日に2杯以下にするよう忠告を受け、以来2杯でやめている。つまり、夫婦で日に4杯は飲むということ。
 1杯に使う珈琲豆はおよそ10g。日に40g×30日=1200gが毎月の消費量となり、昨今の珈琲価格暴騰の折、家計に与える影響は馬鹿にできない。

 しかし、珈琲は夫婦にとっての大きな楽しみで、40年ほど前に2人を結びつけたきっかけが、この珈琲なのだった。(これに関する子細はいずれ語るかも?)


 珈琲豆は安売りスーパーでいつもまとめ買いをする。450g入の深煎ブレンドを1袋、420g入のウエシマ製キリマンジャロを2袋買う。合計で1320g、これだけあれば1ヶ月は充分もつ。
 すべてキリマンジャロでもいいのだが、こちらはg単価が1円ほどで、ブレンド品のg単価0.8円に比べて、やや高い。混ぜるのは主にコスト面の事情からだ。

 それでも毎月の珈琲代は1200円ほど。日換算で40円で、これにお湯を沸かす電気代を加算しても、せいぜい日に50円といったところか。ささやかな贅沢だ。
 以前はけっこう通っていたカフェにも、最近はめっきり足が遠のいた。価格がいつの間にか1杯500円近くにもなり、家で飲む単価の50倍近く。プロの入れるものなので、価格に見合う味を期待したいところだが、なぜか最近のカフェ珈琲は高いばかりで、自宅の味と大差ない。
 店の雰囲気とかオーナーとの会話、気分転換など、カフェの珈琲には他にもいろいろと楽しみがあるが、味や価格を含めて総合的に判断すると、わざわざ足を向けるほどの魅力に欠ける、といったところか。

 たとえば「猫カフェ」のような、珈琲とは全く異なる次元の魅力があるカフェが近所にあれば、ちょっと行ってみたい気もする。
 あとは「いつでも弾き語りOK」の音楽カフェあたり。「たまにライブのカフェ」はけっこうあるが、望むのは「いつでもOK」のカラオケ的弾き語りカフェである。

2013年2月11日月曜日

油断ならぬ

 数日前のこと、番号欄に「チャクシン」とだけ表示された奇妙な電話が鳴った。最近迷惑電話が急増中なので、番号表示機能を使っていろいろガードをかけたつもりが、その隙間をかいくぐっての電話である。
 どうせロクな電話ではなかろうと、名乗らずに受話器をとると、相手はNTTだという。お宅の近所に光回線の準備が整ったので、順次切替え工事を実施中である。いまなら無料でインターネットの光回線が利用可能だと。

 おいでなすった、と思った。飽きるほど受けた光回線への勧誘電話である。しかも、連絡先不明の不届き者。「NTTです」などと名乗っているが、実態は単なる代理店の類いであろう。うまく丸め込んで契約を取れば、何がしかの報酬がもらえる仕組みか。
 この種の電話への応対は手慣れている。「毎月タダにしてくれるんですか」と応ずると、いえ、工事費だけです、と相手のトーンはたちまち下がる。
 ウチはヤフーADSL12Mの長期契約で、BBフォン電話料を含めても月額1,900円前後(NTT回線基本料は含まず)なんですが、とさらに畳み掛けると、そんなに安くはなりませんね、と相手はプツンと電話を切ってしまった。


 番号不明の電話を所属会社を偽って出し抜けにかけておきながら、形勢不利とみるや、一方的に切る。実に失礼な輩(女性だったが)ではないか。油断のならない世の中になってしまったものだ。
 正体不明なので、NTTに苦情をいうことも叶わない。一時期「ヤフーです」と名乗る同様の電話が頻繁にかかってきたことがあったが、「あなたが本当にヤフーなら、私の長期契約内容を知っているはず」と応ずると、相手は狼狽えてやはり電話を切ってしまった。
(ヤフーでは光契約の勧誘を電話では一切やっていないことを後に知る)

 インターネットに関しては、現状のADSL12M契約で何の支障もない。3倍近い料金を払ってまで光回線にするメリットは全くなし。1年前にもふれたが、次世代インターネット回線は光回線ではなく、どうみても携帯型の高速回線WiMAXであろう。
_この種の怪しげな電話を応対するのは全て私の役目なので、いまのところ実害はない。しかし、仮に妻一人の世帯になってしまった場合、果たしてうまくさばけるのか、かなり不安である。
 妻は「死ぬのは私が先よ」と、勝手に決めつけているが、そんなことを言う側が得てして生き残ったりするもの。最近は何でも自分で処理しようとせず、極力妻にもやってもらうよう努めている。

 仮に妻の言い分通りに私が生き残った場合、寂しさの部分は別にして、家事全般に対する不安はいまのところない。やはり当面の問題は、妻の生活管理能力ということになりそうだ。

2013年2月10日日曜日

雪まつり公式通行証

 一昨日の雪まつりステージに出演の際、事前にかなり詳細なエントリーシートの提出を求められた。
 団体名、代表者、人数、ジャンル、出演時間、会場入時間、交通手段、持込み機材、機材搬入手段、PA使用の有無、主催者準備品等など、A4のエクセルシートいっぱいに書き込む必要があり、かってないほどの煩雑さである。

 大元の主催が札幌市なので、こうも厳密になったのだろう。そして引き換えのように手渡されたのが、写真のような雪まつり公式通行証。関係者であることの「証し」のようなもので、これがあれば楽屋やステージ裏に自由に出入り可能となる。
「第64回さっぽろ雪まつり・つどーむ会場」の記載があり、ヒモ付の透明ケースに入った洒落たデザインである。今年のシンボルキャラクターもちゃんと印刷されている。


 この種の記念グッズには頓着しないタチだが、売店で買えるものではなく、簡単には手に入らないレア物かもしれない。よい記念になりそうなので、いただいて保存しておくことにした。
 ヒモ付の透明ケースは中身を差し替えれば、別の場面でも使えそうな気がする。今後そんな企画や機会があればの話だが。
 腰はゆっくりと快方に向かいつつある。昨夜から補助椅子につかまることなく、堀コタツへの出入りができるようになった。靴下やズボンもどこにもつかまらず、立ったままはける。
 逆に言えば、いままでこんな簡単な動作がままならなかったということ。腰痛は日常生活全般や精神までをも破壊する。運動や体操など、一般の成人病と同様に根本的な防止策を講ずる必要がありそうだ。


 腰の按配がよく、天気も穏やかなので、午後から久しぶりに2キロほど離れたディスカウントスーパーに歩いて行った。2週間ぶりの徒歩での遠出だが、まだ油断はできないのでリュックを担ぎ、普段の倍くらいのペースでゆっくり歩いた。

 疼痛もないので、今日からコルセットも外してみたが、特に悪化はしなかった。コルセットに頼りすぎると腹筋などが衰え、回復が遅れることもあるという。かばってばかりではイケナイ。ゆっくりリハビリを施す。

2013年2月9日土曜日

キャリーカート到着

 先日注文したライブ用機材運搬のためのキャリーカートが届いた。さっそく梱包を解き、あれこれ試す。まずは畳んだ状態だが、写真のように非常にコンパクトで、2階の一角に置いてあるベンチの下にすっぽり収まる。
 カタログによれば、収納時寸法315×530×95、約2Kgとある。Amazonで送料込み1,080円だった。

尾上製作所 キャリーカートS-BB ON-285


 組立ては直感的にできる。二つ折りのアーム部分は留め金を反転させ、ぱちんと固定する仕組み。荷台部分の寸法は幅195×奥行280ほどだが、パイプを左右に広げると幅が355まで広がる。
 両端にフックがついたゴムベルトが付属し、長さが130センチほど。収納時はこのベルトを巻きつけて止めておく。
 チカチカパフォーマンスで使っている現状の機材一式を積んでみたが、特に荷台に手を加えなくとも、すべてが積めた。長さが90センチほどのマイクスタンド類も、写真のようにハンドルの片方に巻きつけてやれば、問題なく運べる。
 PAや小物は段ボール箱やプラ箱に入れる選択肢もあるそうだが、ひとまずはこれまで使ってきた布製バックをそのまま積んでみることにする。


 先日作った小型の椅子も一緒に積んでみたが、こちらも問題なさそう。ちなみに、使用時の寸法は、355×350×915、とある。

 耐荷重は25Kg。写真の機材全部で10Kg以下なので、充分に余裕がある。タイヤにかなり強い臭いがあるが、ユーザー情報によると、数日で気にならなくなったそうだ。
 移動時、特に段差部分や雪道でどんな状態になるのか、まだ実戦では使っていないので不明。いずれレポートします。

2013年2月8日金曜日

雪まつりステージ

 雪まつり・つどーむ会場で催された「ふるさとを歌う会・森の時間」のステージに出演。東日本大震災復興支援の市民団体が実施するもので、打診があったのはかなり前のこと。
 年に一度は復興支援系のイベントに参加したいという気持ちがあり、会場が自宅近く。一度も出たことがない雪まつりステージということで、好奇心にも押されてエントリーした。


 実は会場のつどーむは、自宅2階から屋根が見える。直線距離で3キロ前後。歩いて行けるほど近いが、これまで中に入ったことは一度もなかった。
 除雪と仕事の大波で持病の腰痛を再発させてしまい、一時は満足に声も出ない状態だったが、懸命の調整でどうにか7割程度まで回復させることができた。

 休暇だった妻が気遣って引率してくれるというので、9時過ぎには車で家を出る。会場周辺は厳しい交通規制が敷かれ、道路の渋滞はない。700Mほど離れた有料駐車場に停めて、ゆっくり時間をかけて歩く。


 会場は思っていたより広く、中央奥に立派なステージが設営されている。ステージ前にはざっと200席ほどの椅子が並べられ、周辺にも休憩用のテーブルセットが多数。
 つどーむ会場は大通り会場と異なり、参加型の雪像が並んでいる。目玉は雪で作られた長い滑り台で、幼稚園や小学校の子供たちが、教師に引率されて授業の一環としてやってくる。

 そんな条件下でのイベントは、ターゲットの絞り方が非常に難しい。子供か、あるいは引率してやってくる大人か、はたまたその両方に目配りするか?という選択判断だ。


 予定ぴったりの10時にイベント開始。事前に分単位の厳密なスケジュール表が渡されていて、私の出番は3番目の10時44分。平日午前ということもあってか観客は非常に少なく、座席の1割ほどといったところだ。
 10時40分に2番のクラシック・デュオが終わり、すぐにステージに入って機材をセット。2分後には歌える体勢になった。
 ところが、ここでトラブル発生。ギターの音が全く出ない。PAは専門スタッフが4人いたが、原因が分からない様子。そのうちスタッフが別のケーブルを持ってきた。私の持参したケーブルが疑わしいという。

 直前に自宅PAでテストし、ギター内の電池残量も確認済み。その旨説明したが、とにかく換えてみたいという。やむなく応じたが、交換してもやはり音は出ない。時間は刻々と過ぎ、進行のYさんは困った様子。紹介はすでに終わっていたので、別の話でうまく場をつないでくれた。


 ラインでの音録りは無理と判断し、「マイク録りでもいいですよ」と声をかけた。こんな事態も見越し、ギターは生音でもOKのヤマハを、ポケットにはマイクコードに直結可能なアダプターも忍ばせてある。
 そうするうち、突然音が出た。あとでスタッフから陳謝されたが、内部機器の問題だったそう。(スイッチの入れ忘れなど、単純な要因と思われる)この間約2分だったが、とてつもなく長く感じられた。
 結局は予定ぴったりにライブ開始。先のような事情から、この日は癖がなくて明るく、万人むけの無難な曲を並べた。

「ウィンター・ワンダーランド」「天使のウインク」「パフ」「エーデルワイス」「レット・イット・ビー(オリジナル訳詞)」「Smile with you(オリジナル)」


 PAの不調で出鼻をくじかれた格好だったが、この種のトラブルは想定内。臆せず自分のペースで淡々と歌い進めたが、とにかく聴き手が少ない。
 その少ない聴き手も、なぜかステージはそっちのけで、仲間内の会話にふけっている人もいたりしたが、2曲目の「天使のウインク」あたりから、一気に集中してくる気配を感じた。
「エーデルワイス」以降は完全に自分のペース。少ない聴き手でも、充分に満足のゆく熱い手応えを感じ取れた。
 練習通り、割当てより2分短い18分で終了。聴き手の大半は子供の雪遊びに引率してきた中高年で、終わると期せずして「よかった~」との歓声がステージまで届いた。
 客席にいた妻も、隣席の女性から「いい歌ですね」と話しかけられ、実は私の夫ですと応ずると、驚かれていろいろ尋ねられたという。

 イベントは16時半まで続いたが、腰の大事をとって午前中で退去。半分は腰痛との戦いだったが、穴を空けることもなく、義理も果たせた。しばし、休養につとめたい。