2016年7月31日日曜日

カンフル曲に救われる

 隣区にあるサ高住の夏祭り余興に出演した。一昨年暮れにネット経由で最初の依頼があり、以降年2回ペースでクリスマス会と夏祭りには呼ばれている。
 最初のクリスマス会での盛り上がりが素晴らしく、職員や入居者の方々に喜んでいただいた。うまく言い表せないが、おそらく施設と歌い手との相性がいいのだろう。

 私の出番は12時40分からの30分だったが、昨年は前2組の出演者が予定よりも早く終わってしまい、早めの出番になったと記録にある。今回も用心して、かなり早めの12時5分には会場入りした。
 会場となる駐車場では、民謡グループが演奏の真っ最中。客席は建物側に張られたテント下だったが、ステージは駐車場真ん中にあって陽射しが照りつける。昨年は暑さに相当参った記憶があるが、幸いに今年は曇り空で太陽は見えない。
 車を裏手の駐車場に置き、ステージに戻ると、なぜか民謡グループはすでに演奏を終えて撤収している。時計はまだ12時15分で、あまりに早すぎる。
 どうやら昨年同様に、全体のスケジュールが巻いて(早まって)しまったようだ。
「トムノさん、すぐ演っていただけますか?」と担当の方が困った顔で言う。ある程度心の準備はしていたので、ただちに機材をセット。会場が広く、PAは2台を準備した関係でやや手間取ったが、予定より15分早い12時25分から始めた。


 アンコール等を含め、およそ40分で13曲を歌う。

「憧れのハワイ航路」「北の旅人」「さんぽ」「恋の町札幌」「赤い花白い花」「青春サイクリング」「草原の輝き」「古城」「浪花節だよ人生は」「長崎は今日も雨だった」「どうにもとまらない」「上を向いて歩こう(アンコール)」「知床旅情(リクエスト)」

 構成は先日のデイサービスライブで好評だった「夏向き新メニュー」をベースにしたが、施設の嗜好や屋外のお祭り系ステージであることを考慮し、数曲を差し替えた。
 具体的には、「青葉城恋唄」を「北の旅人」に、「カントリー・ロード」を「さんぽ」に、「時代」を「青春サイクリング」に、「涙そうそう」を「草原の輝き」に、といった具合だ。
 年齢層から考えるとやや新しすぎる感じもあったが、4回目の出演なので、定番曲の重複をなるべく避けたいという思惑があった。
 この夏初めて30度を超す真夏日で、湿度も70%を超す不快な蒸し暑さ。中高年には厳しい条件で、歌い始めても聴き手のノリはいまひとつ。昨年と同じような苦しい展開になった。
 悪いことは重なって、風でマイクスタンドが揺れると、仮設のステージがぐらついて歌いにくい。途中から足で押さえてようやく落ち着いた。


 しばらくは我慢のステージが続いたが、場の反応が劇的に変化したのは、ステージも後半の「古城」を歌い始めてから。
 決してお祭りむきとはいえない静ひつな曲だが、私にとっての「カンフル曲」のひとつである。それまで静かだった場が、間奏で突然の拍手が湧き上がった。子細は不明だが、この曲には聴き手に訴える確かな何かがある。

 次の曲は似た曲調の「長崎は今日も雨だった」を予定していたが、咄嗟の閃きでニギヤカ系の「浪花節だよ人生は」を歌った。時間には充分余裕があると分かっていたし、ここで場を一気につかみたかった。
 この判断は大正解で、歌の途中で手を降ってステージに近づいてくる入居者の女性がいる。(リクエストか?)と一瞬思ったが、その右手には白い紙の塊が…。なんと介護施設系では前代未聞のお捻りなのだった。
 これを機に、場は文字通りお祭り状態。もうひとつのカンフル曲である「どうにもとまらない」でそれがピークに達し、「お兄さん、いい歌をありがとう!」などと、お捻りが乱れ飛ぶ。歌に合わせ、手を取り合って踊り出す人も続出した。
 請われるままにアンコールやリクエストにもお応えしたが、時間も程よくなって進行の方がまとめに入っても、まだ会場からは「アンコール!」の声が聞こえていた。
 ちょっと間延びした感じだった場が、結果として大団円の盛り上がりとなり、担当の方々にも大変喜んでもらえた。

2016年7月30日土曜日

木製ドア5度目の調整

 17年使い続けているフィンランド製の木製断熱ドアの閉まりがまた悪くなった。「また」と書いたのは、新築時に設置して以来、定期的に閉まりが悪くなり、その都度調整してきたからだ。
 記録を調べてみると、なんと5度目の調整。素材がスプルス(松)なので、湿度や気温の影響で狂いやすい宿命にある。


 今回の不都合は前回と全く同じドア下端部の膨張によるもの。1ヶ月くらい前から調子が悪くなり、最近の長雨で症状が悪化した。開けるのも閉めるのも、その都度ドア下端を足で蹴飛ばしつつやる始末。雨が一段落したのを機に、再び自力調整することにした。

 まずは蝶番側のネジを外し、一番下にある蝶番の固定部分木部をノミで1ミリほど削ってみる。新築1年目の保証があった頃の最初の調整で、直販店の担当者がやっていた手法だった。ここを削ってやれば反対側の下端部に余裕ができるはずだったが、ネジを締め直してみると、あまり症状は変わっていない。

 結局は前回やった手法と同様に、こすれている下端部の木材そのものを削る直接的な方法に変更した。


 前回はカンナでドア側を削ったが、定規をあてて調べてみると、どうやら今回は枠側の木材が膨らんでいるようだ。そこで今回は枠側の木材をノミで直接削ることにした。
 工具をノミに変更したのは、硬い節が2ヶ所あったため。コツコツ削って、ようやく症状は収まった。前回処置したのが、ちょうど5年前の7月。やはり梅雨の時期である。

 こうした定期的な調整がいつまで続くのかは不明。金属製ドアに変えてしまえば、おそらく一件落着するが、いまのところその予定はない。

2016年7月29日金曜日

母の話し相手

 ここ数日、激しい風雨が続いていたが、午後になって長い雨がようやくやんだので、溜まっていた用事を片づけるべく、車を出す。
 まずは母の暮らす施設に行き、今月末で切替えとなる保険証2種類を施設事務局に届ける。来たついでに母の様子を見に食堂に行ってみると、いつもの席にはいたが、普段と違ってテーブルには同年代の入居者4人が固まって座り、談笑している。
 母はめざとく私を見つけ、すぐに名前を呼んだ。しばしの時間を要した前回とは大違いだ。

 どうやら施設内に親しい友人ができたらしい。増築によって入居者の数は母が入居した時期より、かなり増えているのは間違いない。週一回利用している施設内デイサービスででも知り合ったのだろうか。
 元来が話し好きなので、母の表情は生き生きとしていた。話が弾んでいる様子なので、少しだけ話をして退散。こんなときに息子の出る幕はない。
 身近に身内以外の話し相手ができたのは、母にとって幸せなことだ。表情にもそれが現れている。


 その後、ホームセンターに寄って切らしているコーキング剤を調達。暖房ボイラを交換して出力が大きくなったので、周辺の壁に不燃材を貼ろうと思い、材料の下見をした。候補は多種あったが、ボイラ側の手作りタンスにすでに貼ってある4ミリ厚の石綿スレートが、やはり手ごろのようである。
 ホームセンターの隣にある郵便局で来月分の生活費等をおろす。今月はなぜか生活費が4千円も余ったので、来月分は少し少なめにした。

2016年7月28日木曜日

赤れんがアーティスト合格

 11年ぶりに受けた「北海道庁・赤れんがアーティスト」のオーディション合格通知が届いた。手応え自体は悪くなく、過去の関連情報等から推測し、合格の可能性は高いと思っていたが、実際に合格通知を受け取って、正直ホッとした。

 登録用の書類や広場使用のルールなど、11年前と比べて大きな違いはない。強いていえば、エントリー予約がFAXから電話に変わったこと、平日に限って道庁駐車場が無料で使えるようになったことか。


 ライセンスの有効期限は2019年3月まであって、その間に最低1回パフォーマンスすれば、次回は書類申請のみで更新されるらしい。
 いろいろな意味で、チカチカパフォーマンスのライセンスよりも条件が緩いが、こちらは広場の開放時期が5〜9月の夏季限定である。屋根がないので、気象の影響をモロに受ける。物品の販売行為も禁止されている。
(確認してないが、オリジナルCDも販売不可の可能性が高い)

 それぞれに一長一短はあるが、活動できる公認の場が広がったことは喜ばしい。似た環境にある小樽運河は非公認だし、音や場所の面で歌は演りにくい雰囲気になりつつあるので、当面は赤れんが広場を中心に活動することになるかもしれない。

 新規登録者の活動開始は、どうやら9月からになりそう。合格をふまえて、登録書類の準備やHPのライセンス情報の更新、そして活動時に使う看板の準備をさっそく始めた。
 8月のライブスケジュールは余裕があるので、構想にある秋以降の新しい活動に備え、いろいろ準備したいと思う。

2016年7月26日火曜日

健診ざんまい

 朝から健診を3つまとめて受けた。毎年1回受ける市の特定健診、初めて受ける胃ガン検診と前立腺ガン検診の3つである。
 40歳以上の自営業者等が対象の定期健診(とくとく健診)は、いつもは近くの地区センターで受けていた。しかし、あいにく今年は介護施設ライブとぶつかった。健診は午前でライブは午後。しかし、健診日は朝食抜きで臨むので体力的に厳しく、何かと慌ただしい。

 調べてみると、車で20分ほどの場所に「札幌がん検診センター」なるものがあり、ガン検診はもちろん、市の特定健診も受けられる。ここなら早めに済ませられる。
 せっかくの機会なので、以前から気になっていた胃ガンと前立腺ガンの検診も同時に受けることにした。(完全予約制)受診費用は前年度の収入に応じて減免措置がある。
(前立腺ガン検診は減免の対象外で、2,060円が必要)


 前夜9時から食事をとらず、当日は朝一番の尿を自宅で採取し、事前に送られれくる指定容器に入れて持参する。
 8時半に家を出て9時前に施設に着いたが、あいにく駐車場が満車で、停める場所に少し手間取る。9時15分に受け付けて、9時45分からまず胃ガン検査が始まった。

 この年でバリウムを飲むのは初めてと知って、担当者に驚かれたが、すでに3回飲んでいる妻から情報は仕入れていた。発泡剤と同時にコップ1杯のバリウムを飲み、ただちに検査用の半割りカプセルに入る。
 バリウムは思っていたよりも抵抗感なく飲めた。少なくとも大腸内視鏡検査時に飲む1.8Lの下剤よりも、はるかに楽である。
 予想外だったのは、半割りカプセル内での回転移動。つかまる手すりは両側にあることはあるが、ゲップをこらえながら10回以上も自力での回転を繰り返すのは、かなりの苦行。途中でカプセル自体も激しく回転するので、気分はNASAの宇宙飛行士訓練である。
 ともかくも終わって、ただちにコップ2杯の水と下剤を2錠飲む。もはや用なしのバリウムをすみやかに体外に排出させるためだ。

 その後は医師の問診、血液採取、血圧測定、身長体重測定へと進む。前立腺ガンは血液検査でやるので、器具使用や診断はない。
 およそ1時間で全て終わった。利用者は80%が女性で、大半が中高年。私の番号は138番だったが、それほど待たされた感じはしない。結果は1ヶ月後くらいに送られてくるが、問題ないことを祈ろう。

2016年7月25日月曜日

「蜘蛛の糸」の不条理

 お盆が近いせいなのか、NHKのテレビで「蜘蛛の糸」の朗読劇を演っている。古い作品の再放送だが、久しぶりなので思わず観てしまった。
 10分ほどの短い作品だが、小さいころに初めて読んだときの、何とも不条理な読後感が、時を経てまたまた蘇った。

 原作は芥川龍之介で、アメリカの宗教研究者の作品を元にしているらしい。ストーリーの詳細は省くが、物語の核は、釈迦が極楽から垂らした1本の蜘蛛の糸を昇ってきた罪人のカンダタが、後から続いてくる他の罪人を見つけ、「この糸はオレのものだ!」と叫んだとたん、糸は切れて全員が元の地獄に落ちてしまう、という箇所。
 小さいころに感じた不条理感は、(糸は一度だけ善行をしたカンダタだけのもので、他の罪人が理由もなしに利用する権利はないのではないか…?)というもの。この思いは還暦を超えたいまでも変わらない。


 正当な主張をしたと思われるカンダタを、他の罪人もろとも再び地獄に落としてしまったのは、絶対的存在である釈迦の判断であろう。ラストシーンで釈迦は悲しい顔をする。その悲しさの正体は何か?
 カンダタを始めとする罪人は、人間全体の象徴とみてよい。他を顧みない人間の浅ましさを悲しく感じたというのなら、仮にカンダタが何も叫ばずに極楽にやってきたとしたら、物語はどう展開していたのか?
 ここまで考えて、ネットで「蜘蛛の糸」を調べてみたら、同じような不条理を感じた人が他にもいたようだ。
 作家の小松左京がパロディとしての「蜘蛛の糸」を作品化していて、カンダタが首尾よく極楽に上がってしまったあとの騒動を面白く描いている。
(興味ある方は、ウィキペディア「蜘蛛の糸」でお調べを)

 これを読んで長年胸につかえていたものがスッと落ちる気がしたが、かといって釈迦が永遠に地獄でうごめき苦しむってのも、別の意味での不条理を覚えないわけではない。
 宗教を作り出し、支配しているものはこの世に生きている人間そのものに他ならず、神やホトケの名を借りてあれこれと他をさばこうとすること自体が、愚行そのものではないのか。

2016年7月24日日曜日

爪甲剥離症かも?

 10日ほど前のこと。素手で家庭菜園の手入れをしていて、左手中指がチクリと傷んだ。どうもトゲが刺さったらしい。よくあることなので、手を洗ってトゲを抜き、そのままにしておいた。
 数日経って、患部の爪先端が白くなり、浮き上がっているのに気づいた。先のトゲが原因のようだったが、これまたよくあることなので、日にちが経てば回復すると思っていた。

 ところが、何日経っても白い部分は消えない。理屈では爪が伸びるに伴って、肉の部分が押し上がってくるはずだった。ところが、反対に白い部分が広がってゆくような気がする。これは大変だ。
 真っ先に疑ったのは、爪の水虫。すでに薬で完治したが、以前に右手人差し指の爪が水虫になり、かなり苦労したことがある。
 足の水虫を手入れしていて、白癬菌が移ったのが原因と医者に言われていたので、以降は爪切りを使ったあとは必ずライターの火で殺菌消毒し、足の水虫を治療したあとも、石鹸でていねいに洗うよう心がけていた。


 しかし、当時の水虫とは微妙に症状が違うように思える。ネットで調べてみると、似た症状の人がごくわずかにいて、写真つきで詳しく解説してあった。
 それによれば、どうやら「爪甲剥離症(そうこうはくりしょう)」と呼ばれる爪の病気らしい。原因はいろいろあって水虫菌も引き金になり得るらしいが、最も可能性が高いのは、やはりトゲなどの外的要因から。雑菌が爪に入り込んで炎症を起こすことが原因のようだ。
 右手の爪だとギターのアルペジオ奏法に重大な影響があるが、左手もギターの弦を押さえる際、かなりの負荷がかかるので、影響がゼロとはいえない。
 いまのところは写真のような状態で、白い部分が3ミリほどもある。土中の何らかの菌による可能性が高いので、水虫用の抗菌剤を毎日塗っているが、果たして治っているのかいないのか?

 このまま広がらないことを祈るが、爪の病気は他の体調不良のサインとも言われてるので、不安だ。
 カラスやら蟻、ライブの不調など、トラブルは時に重なって起こるもの。復活の兆しも少しはあるが、まさに弱り目にたたり目である。


《2016.12.22 追記》
 その後5ヶ月が経過。爪の剥離部分は、消えたかと思えば別の場所に発生を繰り返したが、下記のような自己流療法を根気よく続けた結果、ほぼ気にならない程度にまで回復した。

1)一般の皮膚病の薬は一切つけない。
(当初、水虫の薬をつけたが、すぐに中止)
2)水仕事は極力避け、やむを得ない場合は台所用のゴム手袋を使用。毎日の食器洗いと夜の歯磨きには、必ずゴム手袋を使った。
3)爪を傷めやすいDIY作業や畑仕事、観葉植物の手入れなどには、薄手のゴム軍手を着用。
4)乾燥がよくないとの情報を得て、爪の先端部にハンドクリームを日に4〜5回ほど塗った。
5)入浴前にはハンドクリームを念入りに塗り、爪をお湯に浸けないよう努めた。

2016年7月23日土曜日

夏メニュー新路線

 昨年秋にネット経由で初めて依頼があり、以降続けざまに3度の依頼があった隣区のデイサービスから、半年ぶりに4度目の依頼があった。
 最初の依頼で気に入っていただき、その後毎月のように依頼が続く施設は少なくないが、得てしてパタリと依頼が途絶えたりするもの。一気に燃えたものは、時に冷めやすいものだ。

 歌い手としては年に1〜2回くらいのペースが演りやすいが、依頼する側の都合でそうはならないケースも多い。今回はどんな事情があったのか分からないが、間隔としては程よく空いた。
 最初の2回は手応えが弱く、つかみどころがなくて戸惑ったが、3度目の前回で試みた「自由気ままな新路線」が予想外に受けたので、今回もそれに沿った定番無視の大胆な構成で臨むことにした。
 開始15分前の13時45分に到着。14時ぴったりから始め、およそ35分で11曲を歌った。

「憧れのハワイ航路」「青葉城恋唄」「カントリー・ロード」「恋の町札幌」「時代」「涙そうそう」「古城」「赤い花白い花」「長崎は今日も雨だった」「どうにもとまらない」「上を向いて歩こう(アンコール)」


 定番曲のひとつである1曲目以外は、介護施設系ではほとんど歌わない曲を連発した。叙情性の強いバラード系の曲が場の好みであることは前回つかんでいたので、そこをまず押え、「夏」という季節感をそれに加えた。
 聴き手参加型の曲は皆無に近く、手拍子のでやすい曲もあまりない。これも前回と同じだった。しかし、場の反応は悪くなかった。

 以前にブログで、《介護施設系ライブは「参加型」と「傾聴型」に大別される》と書いたことがある。その分類法に従えば、今回の施設は明らかに「傾聴型」なのだった。
 歌い進むうちに、聴き手がどんどん寄り添ってくる気配を感じた。「古城」以降の後半に、特にその傾向が強かった。
 前回同様に、ラストで初めて手拍子での参加をうながす。「どうにもとまらない」は介護施設系で歌ったことは一度もなく、かなりの冒険だった。しかし、チカチカパフォーマンスでの「カンフル曲」のひとつで、夏を象徴する歌でもある。それを信じて歌ったが、期待を裏切らない盛り上がりよう。
 1曲目以外は穏やかな曲調がずっと続いたので、その反動もあったに違いない。ときどき仕掛ける「最初と最後だけニギヤカに」という構成、場にもよるが、大きなハズレがない。

 アンコールは打合せにない自然発生的なもの。永六輔さん追悼の意味で「上を向いて歩こう」を歌詞指導つきで歌ったが、ほぼ全員が歌と手拍子で参加。最高のシングアウトとなった。
 この日も27度に迫る夏日で、汗がギターに滴ったが、あれこれ冒険を試みた夏メニュー新路線が当たって、報われた思い。

2016年7月22日金曜日

今年も遮光シート

 一昨年に試験的にやってみて、夏の暑さ対策に効果的だった西側ウッドテラス上の遮光シートを、今年も設置することにした。
 一昨年は7/30に設置し、昨年は7/9に早くも設置している。今年は真夏日もまだなく、いまのところ昨年ほどの猛暑ではない。しかし、午後になると強い陽射しを窓内側のロールスクリーンで遮断するようになったので、いよいよ時期到来である。


 昨年から古い登山用ツエルトをリメイクし、上部パーゴラにぴったり収まるシートを作った。調べてみたら、固定用のビスもそのまま残っている。
 昨年はかなり手こずった記憶があるが、今年は脚立に載ってビスにフック部分を引っ掛けるだけ。微調整も含めて、30分で作業を終えた。9月中旬まで設置の予定。



 車庫&物置の北側にあるアジサイの花が次々に咲き始めた。隣地側にある赤いタチアオイの花もいまが盛り。北の短い夏が通りすぎてゆく。

2016年7月21日木曜日

17年目の暖房ボイラ交換

 17シーズンの長きにわたって使ったサンヨー製の暖房ボイラを、ついに交換することにした。普通に使って寿命は10〜15年と言われているから、よくぞ働いてくれたもの。
 設置が1999年冬で、2009年秋に灯油用の電磁ポンプを交換。2012年春に温水循環ポンプを寿命で交換した。修理はメーカー系列のサービス会社に依頼したが、
「こんなに長く動いているボイラは珍しい」と驚かれたもの。

 2012年春の補修時に「持ってあと2〜3年」と警告されていたが、それから4年経ってもまだ動いている。ボイラ寿命は運転時間の累計とほぼ比例するらしいので、年間灯油消費量が北海道平均値の50%強という我が家の使用条件が、明らかに有利に働いている。
 しかし、このところめっきり燃費の衰えが目立つ。燃焼音も大きくなり、いつ何時動かなくなっても不思議ではない。非常時の小型灯油ストーブがあるとはいえ、真冬にボイラが止まってしまう事態は避けたい。2年くらい前からネットを中心に下調べし、適当なメーカーと設置業者を絞り込んだ。

 可能なら同じサンヨー製がよかったが、サンヨーはすでにパナソニックに吸収され、ボイラ部門からは完全撤退。動いているのはサービス部門だけだ。
 ワットチェッカーを駆使し、現状のボイラ性能を詳しく分析。暖房出力が同程度で、起動時と燃焼時、そして待機時の消費電力が小さい機種を中心に絞り込む。最も優れていると判断したコロナUHB-G75Cを最終的に選んだ。

長く働いてくれたサンヨーHBU-AK5C Z1

 新聞広告やホームページ等で工事費こみの価格をガラス張り公開している市内のT社に見積もりを依頼。社長の実直な人柄に好感を持ち、価格もリーズナブルだったので、即決。今日、その交換工事を行った。

 午前9時過ぎから始まって、排気筒や不凍液、リモコンの交換も含め、3時間ほどで終了。これまでの製品より幅が狭くなり、高さと奥行きが少し増えた。費用は材工共で229,000円
 メーカーが変わるので心配していた給排気管はうまく収まり、壁を貫く給排気筒用スリーブも移動することなく、そのまま使えた。リモコンケーブルも既存の線が利用できた。
 ところが、ボイラ本体の前カバーがうまく外れず、本体側のネジ山に問題があるという。2本あるネジのうち、1本が効いていない状態。分解に手こずったせいで、カバーのネジ部塗装に一部欠損ができている。
 メーカー保証の範ちゅうのため、後日交換にくるとのことだったが、早くも午後にはメーカーのサービス担当者が確認にやってきた。

燃焼音も小さく、運転自体には何も問題ないが…

 本体側の受金具とカバーを交換すれば解決するが、あいにくカバーには固有の生産番号が刻印してある。カバーだけの交換が可能かどうか、メーカーの判断をあおぎたい、とのこと。運転自体には何ら問題ないのだが、担当者も初めてのケースで、戸惑っている様子だった。

 夏まっさかりで、運転は早くても10月末。時間は充分にある。結論は先送りだが、感触としては本体丸ごと交換か?周辺関連工事は全て終わっているので、時間はそうかからないそうだが。
(翌日朝、メーカーから本体を全交換する旨の連絡あり)

2016年7月20日水曜日

アンコールなし

 4年前にネット経由で依頼されて初めて歌い、以降毎年1回のペースで誕生会余興に出演している介護施設から、今年も招かれた。
 いわゆる「細いが、確かな関係」が続いている例で、年に何度ものペースで集中的に依頼されるのも決して悪くはないが、結果として長続きするのは、細くとも確かなこうした関係なのだった。

 特養ホームとデイサービスを併設した施設で、専用の舞台つきホールがあり、天井も高くて広い。聴き手も100名前後と多いので、昨年からは音響をサブスピーカーを使ったPA2台方式に改めた。
 駐車場からの移動がスムーズに運ぶよう、機材一式はキャリーカートに積んだ。自宅から25分と比較的近く、開始20分前の14時10分に先方到着。ゆっくり設営して、14時20分にはスタンバイした。


 聴き手もそろったので、予定より早めにイベントを始めることになる。まず施設長さんの挨拶があり、続いて私の出番となった。
 14時32分から始めて、先方の希望通りぴったり30分で11曲を歌う。

「憧れのハワイ航路」「バラが咲いた」「お富さん」「二輪草」「幸せなら手をたたこう」「いつでも夢を」「月の沙漠」「青春サイクリング」「夜霧よ今夜も有難う」「時の流れに身をまかせ」「花〜すべての人の心に花を」
 夏メニューということもあって、8曲目の「青春サイクリング」までは、4日前に歌ったデイサービスライブと全く同じ構成である。この日も暑い夏日で、条件としては4日前と酷似していたが、場の反応は大きく違っていた。

 特養とデイサービスの利用者が混在している関係で、聴き手の的を絞りにくい。当初からの傾向だが、場の反応は全体的におとなしかった。場の半分を占める特養の利用者にその傾向が強かった。
 手拍子や共に歌う姿はそれなりにあったが、もっぱらデイサービス利用者からのもの。利用者層が異なる聴き手を前にしたライブは増える傾向にあるので、対応は今後ますます難しくなりそうだ。


 終了後、これまでなら「アンコール!」の声が必ず上がったものだが、今回は進行のNさんが、なぜかイベントの終了を告げてしまう。
「アンコールはないのかい?」とのつぶやきが客席から聞こえたが、そもそもアンコール(この場合はお約束アンコール)の有無を事前に確認するのを、うっかりして忘れていた。

 いずれにしても、自然発生のアンコールが出る雰囲気ではなかったことは間違いない。あとでNさんが言っていたが、必ずアンコールを出す利用者が、今回に限って客席にいなかったという。
 アンコールでシングアウトする心づもりもあり、自分としては消化不足のライブだったが、Nさんや施設長さんからは喜んでいただいた。自分の思いと施設側の評価とは必ずしも一致しない。まずは施設側に満足していただくことだ。

2016年7月19日火曜日

解決には「時薬」

 発覚してから1週間が経過した、浴室ドアに作られたアリの巣問題。毎日入浴直後にドアを外し、翌日の入浴直前に再び入れ直す、という緊急措置をいまだ継続中である。
 外したドアはただちにバスタブに浸しておき、時折水や熱湯をヤカンやシャワーで枠上端から注入。直後に叩いたり揺すったりすると、下端から大量のアリの死骸や巣の材料が出てくるが、それが一向に沈静化しない。

 業を煮やして、ドアヒンジ側の枠上端にあるキャップを外し、中に棒を入れて直接掃除することにした。棒は窓掃除用のスクレーパーで、長さは充分ある。先端にはウエスを巻きつけて念を入れた。
 しかし、ゴミや死骸はたいして出てこない。それでは毎日流れ出てくる死骸や新たなアリは、いったいどこから?
 もしやと思い、反対側の枠に水や熱湯を注入してみた。すると、こちらからも大量のゴミやアリの死骸、そして卵が流れだす。どうやらドア枠全体がアリの巣と化しているらしい。
 やむなく、今度は反対側の枠を中心に注水作業を断続的に継続。浴室を使っていないときは、もちろん外してバスタブに浸けておく。


 注意深く観察していると、毎日4〜5匹のアリが枠のどこかから忍び出てくる。行き場がなく、元気もないので簡単に手でつぶせるが、こんな繰り返しが延々続いている。
 反対側の枠には錠前があり、両端のキャップも簡単に外せないので、直接の掃除はできない。推測だが、枠のどこかに卵が大量に産みつけてあり、それが日々孵化してくるのではないか?

 ドアは「水攻め」で孤立化しているので、外部からの出入りは一切できない。エサもつき、いずれは卵からの孵化も沈静化するはずだが、「アリの巣に残った卵が孵化を終えるのに10日はかかる」と、以前に読んだ記憶がある。
 今日は注水作業によるゴミ芥の流出もかなり少なくなった。あと数日で決着がつくと信じたいが。
 カラス襲撃と毎日のアリの巣対応、そして頻発する弾き語りライブの諸問題など、このところ気が滅入る出来事が続いている。
 悪いことが続けざまに起きることは、経験的によくある。解決には「時薬」が必要だ。落ち込んでいても仕方がないので、今日は気分転換にと、妻と平日90円寿司を食べに行った。帰りには滅多に行かない隣市にあるイオンまで足を伸ばす。

 以前は衣料品の品揃えが野暮ったく感じたが、かなりアカ抜けた雰囲気に変貌していた。自宅への最短ルートも発見。グーグルマップで調べてみたら、わずか5キロしかなく、自宅からは最も近いイオンであることが判明。
 いつも行くトライアルや平日90円寿司、イトーヨーカドーやジョイフルAKからも近いので、周遊コースに加えてもいいかもしれない。

2016年7月18日月曜日

まだまだ節電

 妻が常用しているiMac-G5の調子が突然おかしくなった。「ブ〜ン」という異音と共に、マウスやキー入力を全く受け付けなくなる。起動ボタンを長押ししてもダメで、ついには電源コードを抜いて処理する羽目に。

 中古で買ったのが6年前で、発売は11年前のPowerPC。OSは7世代も前の10.4Tigerで、機種としても相当古い。かってはメインPCとして仕事にも使っていたが、いまや使えるブラウザもデフォルトで入っていたSafariのみ。
 仕事用としては全く使えないが、20インチの薄型液晶がなかなか美しく、ハードディスクが250Gあるので、大容量の仕事用ファイルのバックアップのほか、妻はネット閲覧で毎日のように使っていた。
 ヤフオクで45,000円だったが、正規のインストールCDはついてきた。CD起動させて、ディスクユーティリティでハードディスクの検証を試みる。すると、いくつか問題が見つかり、幸いに修復することができた。

 異音はひとまず止まったが、いつも閲覧するサイトのエイリアスからの起動が不可能になった。以前は出来ていたが、やはりどこかおかしい。
 まずはSafariを普通に起動させ、その後エイリアスをクリックすると閲覧できる。面倒だが、ひと手間かけるしかない。


 以前から気になっていたのでいい機会と思い、ワットチェッカーでiMac-G5の消費電力を測ってみた。機種が古いので省エネは期待してなかったが、想像以上に無駄が多くて驚いた。
 比較のために、手持ちのMac3台の消費電力を古い順に記す。(全て実測値)


《iMac-G5》2005年
・待機時 2W(完全OFF)
・起動時 75〜135W
・サイト閲覧 100〜135W
・スリープ時 5W

《Mac Book》2008年
・待機時 1W(完全OFF)
・起動時 24〜34W
・サイト閲覧 17〜40W
・スリープ時 1W

《Mac-mini》2010年→メイン機
・待機時 0W(完全OFF)
・起動時 20〜30W
・サイト閲覧 10〜15W(切替時25〜30W)
・スリープ時 1W
・その他、外部液晶モニタがONの状態で20W
 驚いたのは、iMac-G5やMac Bookが待機時にもそれなりに電力を消費していたこと。3台の中では最新機種(それでも6年前だが)のMac-miniは、さすがにあらゆる面で省エネ仕様だった。
 iMac-G5はサイト閲覧しているだけで、Mac-miniの3〜4倍も電力を食っている。私のお下がりとしてさんざ使っている妻が、「この際、新しいのを買います」などと申し出てきたが、はてさてどうしたもんじゃろう?

 ついでに調べたWi-Fiルータも待機電力2Wを使っていたことが判明し、とりあえずの対策として、これら3機種、合計5Wの待機電力をゼロにするべく、使わないときはコンセントからケーブルを抜いておくことにした。
 これにより、年間で1300円ほどの電気代が安くなる。(29.72円/kWhで計算)対策はすでにやり尽くし、これ以上節電の余地はないと思っていたが、まだまだありそうな気がしてきた。

2016年7月17日日曜日

変装して草刈り

 朝からパッとしない天気で、雨は降ってないが、風が強い。気温も20度を切って肌寒い。ふと思い立った。(草刈りのチャンス到来では…)
 前回の草刈りから2ヶ月近くが経ち、自宅周辺はすっかり雑草に覆われている。とうに2度目の草刈りを実施すべき時期だが、6月中旬から悩まされている子育て被害妄想カラスの襲撃が恐ろしく、とても外で作業する気分にはなれずにいた。

 しかし、カラスの子育てもそろそろ終盤。最近は巣を留守にすることも多く、以前より危険度は下がっている。風が強いせいか、今日は鳴き声も聞こえない。気温が低いので外作業には絶好だし、風で刈った草も吹き飛ぶ。
 それでもまだカラスが怖く、いつもとは違う帽子をわざとツバを後ろにしてかぶり、メガネの上から保護用のゴーグルをかけた。ズボンも上衣も普段あまり着ない作業用タイプに替える。
 つまり、カラスには有効と言われている「変装」の術である。

真後ろの方角にカラスの巣がある

 外に出て素早く作業開始。カラスの巣は間近だが決して見上げたりせず、常に巣に後ろ向きの姿勢で作業した。
 危険度の高い車庫北側の空地は、気付かれないうちに真っ先に作業。途中でカラスが盛んに警告の鳴き声を発し始めたが、知らぬふりで作業を継続。そのせいか、以前のように舞い降りて威嚇に来ることはなかった。
 30分ほどで東側の草刈りは無事に終わった。カラスがやってくる気配はないので、残っている外作業を一気に片づけることにした。
 庭木の剪定をし、伸びて外壁の一部にからみ始めたナツヅタも剪定する。2度目の種を蒔いた枝豆のペットボトルカバーを外し、外ムロの内部もきれいに清掃した。

 ふと見ると、西側のラズベリーが色づき始めている。さっそく採取して、ヨーグルトと共に夕食後に美味しく食べた。
 西側の草刈りがまだ残っているが、カラスの様子を見ながらボチボチやることにしよう。

2016年7月16日土曜日

暑くて燃えた

 近隣のデイサービスで1年ぶりに歌った。一昨年末に最初の依頼があり、以降短い間隔で4度の依頼が続いた。熱心な利用者の方に請われ、オリジナルCDを買っていただいたりもしたが、その後しばらく依頼が途切れた。
 稀に例外もあるが、1年以上の間隔が空くと、そのまま依頼が途切れるケースが大半である。今回はそのギリギリのラインで、よくぞ思い出してくれたものと感謝したい。

 昨日あたりから一段と暑さが増し、この日も25度を超す夏日。今夏初めて半袖シャツを着て備えた。
 定番のボイストレーニングのあと、軽く2曲を歌って調整。以前はその日の予定曲を事前に全て歌ってから臨んだものだが、最近は本番での体力を温存するべく、軽めの調整しかしない。加齢と共に、ライブの在り方も変わってゆく。
 定刻15分前に会場入りしたが、施設側の椅子配置が終わってなく、控室でしばらく待たされた。予定よりやや遅れて、14時10分から開始。想定外のアンコールを含め、およそ50分で15曲を歌った。

「憧れのハワイ航路」「バラが咲いた」「お富さん」「二輪草」「幸せなら手をたたこう」「いつでも夢を」「月の沙漠」「青春サイクリング」「古城」「年下の男の子」「星影のワルツ」「浪花節だよ人生は」
〜アンコール
「矢切の渡し(リクエスト)」「青い山脈(シングアウト)」「神田川(リクエスト)」


 しばらくぶりだったが、場の雰囲気はあまり変わってなかった。「バラが咲いた」と「幸せなら手をたたこう」は過去にも歌っていて、ここでの人気曲。「いつでも夢を」「青春サイクリング」「古城」の3曲は、普段あまり歌わないが、マンネリ化を避ける意味で歌った。
 いずれも反応は悪くなかったが、やや期待はずれだったのが「いつでも夢を」。「高齢者に人気がある」との情報で歌ってみたが、曲が長すぎた感。もっとはしょって歌うべきだった。

 新しい担当者のAさん(男性)の盛り上げ方が巧みで、この日は喉も絶好調。盛況のまま終えたが、終了直後に「もう少し聴いてみたいと思いませんか、みなさん?」などと、打合せにないことをAさんが言う。時計は14時45分を回っていたが、もしかすると「時間調整型アンコール」だったかもしれない。
 何を歌いましょうか、懐メロでいきますか、それとも…、と迷っていたら、「松山千春か中島みゆきを聴いてみたい」と、再びAさんの予期せぬ言葉。ここで千春を?と問い返すと、あくまで私の希望です、とAさん。
 すると最前列の女性から「矢切の渡し」のリクエストが出た。ここは利用者が優先である。
 その後、「みんなで歌える歌を」との声が利用者からあり、定番曲の「青い山脈」を歌詞指導つきで歌って納めたが、機材を片付けている途中でAさんがインタビューと称し、「弾き語りを始めたきっかけは?」などと尋ねてくる。
 20歳のころに「山谷ブルース」をラジオで聴いたのがきっかけで、こんな曲ですと、ワンフレーズを歌いながら説明。その後かぐや姫の「神田川」のブームが起きて…、と続けると、「菊地さんの《神田川》をぜひ聴きたい!」と、顔見知りのヘルパーさんから突然のリクエスト。
 すでに機材の大半は片付いていたが、PAだけはまだ使える状態だった。「アカペラでもいいので…」との強い要望から、急きょマイクだけをつないで歌うことに。

 アンコールが度重なることは少なくないが、機材を片づけてから再び歌ったことは記憶にない。しかし、いつも言っているように、歌い手は請われているうちが華であろう。
 結果として、アンコール3曲がこの日一番の出来だった気がする。歌っていると汗がしたたる暑い日だったが、場の反応も負けないほど熱かった。

2016年7月15日金曜日

カラスの次はアリ

 子育てカラスによる襲撃が小康状態になったとたん、新たなる問題が突然持ち上がった。今度はアリの襲撃である。
 このごろ浴室内にアリが出てくる、と妻が訴えたのは10日ほど前のことか。ユニットバスなので、壁や天井からは侵入不可能で、天井換気扇周辺も調べたが、異常はない。どうもドア付近が怪しい。

 注意深く観察すると、ドアの開閉ヒンジ辺りにアリの姿をよく見かける。浴室付近では数年前にも大量のアリが現れ、特効薬の「アリメツ」を使って撃退したことがある。当時の場所に近いので、同じようにアリメツを散布して様子をみた。
 それなりに効果はあったように見えたが、数日経つと再びアリの姿。そこでドアヒンジの金属部分に直接アリメツを散布した。今度こそ…、と思ったが、数日経つとまたしてもアリの姿が。特効薬があまり効いていない様子だ。
 不思議に思って鏡を差しこんでドアの下端を観察してみた。すると、ドア枠の下端にある穴から、アリが盛んに出入りしている。アリの巣だ!

 信じ難いことに、空洞になっているアルミ製のドア枠内部に、アリが巣を作っているのだ。以前に玄関靴箱の上に置いた植木鉢の下にアリが巣を作ったことがある。早めに気づいて小さな山になりつつあった巣を丸ごと撤去し、植木鉢を置くのもやめて、事なきを得た。
 条件が整えば、家の中でもアリは巣を作る。真冬でも20度の高断熱住宅は天国で、エサにも事欠かない。巣の材料は綿埃とゴミだ。


 植木鉢の下なら撤去は簡単だが、ドア枠の中となると、外して捨てるわけにもいかない。虚をつかれた思いでネットで調べたが、参考になる記事は皆無。非常に珍しいケースであることは間違いない。
 それでも殺虫剤なしで巣そのものを根絶する方法がいくつか見つかった。

アリを殺虫剤なしで殺傷する方法(wikiHow)

 これによると巣を壊滅させるには、熱湯をかけるのが有効だという。もともとアリは水に弱いことは知っていた。なるほど、熱湯か。さっそくドアを外してやってみた。
 ドアの外し方は、ドアそのものにイラスト入りで描いてあり、素人でも簡単にやれる。外したドアを逆さまにして水を張ったバスタブに上端部を入れる。侵入口はヒンジ側なので、まずは1Lの熱湯を2度に渡って注入。念のため、反対側にも入れた。
 しばらくすると、バスタブの中に大量の巣やアリ、アリの子供などが流れでてきた。生きているアリは、しばしして水死。実は熱湯を注入する前に、ドア枠を棒で上から下まで叩いてみた。すると、音に驚いたアリが、侵入口から大量に落ちてくる。その数、ざっと300匹!
 その後、真水でも何度か注水洗浄を重ねたが、やるたびに黒い巣やアリが流れでてきて、全くキリがない。いったい何匹のアリがドアの中にいたのか


 だいたい処理し終えたように思えたので、ドアは元通りに組み立てた。しかし、一晩経って様子をみると、また多くのアリがドアヒンジ付近に群がっている。どうやら遠方にエサ探しに出かけたアリが、元の巣に戻ってきているように思えた。
 このままでは、巣を再生されかねない。巣の在り処を覚えているアリ一族を根絶しないと、何度でも巣作りは繰り返される。
 まず、再度ドアを外し、枠の中に水を流して洗浄を試みる。すると、またしても大量の巣やアリが流れでてきた。どうやら一晩でかなり修復されてしまったらしい。
 ドアを元に戻すとアリ一族の残党に、再び巣を作られる可能性が高い。考えたあげく、入浴するとき以外はドアを外したままにしておき、水を張ったバスタブの中に立てかけておくことにした。


 この状態ですでに3日が経過。まだアリは時折集まってくるが、巣となるべきドアがないので、入り口付近をウロウロするのみ。エサをたっぷりくわえて戻ってくるせいか、特効薬のアリメツも効果がなく、やむなく見つけるたびにつぶしている。
 バスタブに入れたドアからは、時折残っていたアリが顔を出すが、上端はドアストッパーだけしか壁に接触していないので、出口のない水攻め状態。エサもつきたのか、力なく溺死してしまう。

 しばらくは入浴時のみドアを設置し、それ以外の時間はドアを外して常時バスタブにつけておく、という変則的な使い方をするしかないが、こんな状態がいつまで続くのか、私にもよく分からない。

2016年7月14日木曜日

平日午前に手応えナシ

「赤れんがアーティスト」のオーディションを無事に終え、ただちにチカチカパフォーマンス事務局のあるビルへと向かう。この日は数少ない7月の活動日だった。
 実はオーディションの希望日時も、このチカチカパフォーマンスの予定に合わせて出したもの。同じ日に両方のスケジュールを効率的にこなしてしまおう、という目論見からだった。
 手続き後に地下広場へ向かうと、似顔絵のますみさんが会場入りしていたが、他のパフォーマーはまだ来ていない。平日の午前中なので、さすがに出遅れているのか。オーディションの緊張感がまだ心身に残っていたが、ただちに設営して11時40分くらいから始める。
 およそ30分弱で10曲を歌った。

「愛燦燦」「青葉城恋唄」「アカシアの雨がやむとき」「亜麻色の髪の乙女」「アメイジング・グレイス」「雨が空から降れば」「見上げてごらん夜の星を」「イエスタディ」「池上線」「空も飛べるはず」

13時までは節電措置があり、広場は暗い

 5月からの開催時間拡大措置に伴い、11時からのパフォーマンスが可能になったが、声の出にくい午前中ライブは極力避けたかったので、午前中に歌ったことはまだなかった。
 しかし、広場の開放枠がこのところ減る傾向にあり、それに伴って枠毎の競争率も高くなっている。人気のある土日枠は、ときに抽選が実施されたりもする。

 前回は自分では早いつもりの12時40分に会場入りしたが、それでも到着は3組中のラストで、長い待ち時間があった。仮に午前中から歌い始めてそれなりの手応えがあれば、競争率の低いこの時間帯は狙い目だった。
 そんな思いで試みたが、いざ歌い始めても手応えは非常に弱かった。最近になって事務局から騒音に関して以前より一段と厳しい通達が出され、この日は普段よりもさらにボリュームを下げ、バラード系の静かな曲を主として臨んだ影響もあったかもしれない。
 音を下げて静かに歌えば騒音のクレームは出づらいが、相対的に音は届きにくくなるので、集客面ではマイナスになる。「パフォーマンスで賑わいを創る」という主旨からも遠ざかる。公共空間で歌うことの宿命で、出口のないジレンマだった。
 小さな音でも人を引きつける手段が何かあるのかもしれないが、現時点では思いつかない。

 奇しくも上旬に歌った小樽運河でも同じ騒音の問題があったが、歌い手の気持ちが引いてしまうと、歌はいっそう聴き手には届きにくくなる。
 お昼休み直前の時間で、通りを往く人々は昼食に向かうか、昼食前に用事を済ませたい人が多かった可能性もある。関心を示しても、1曲を聴き終えぬうちにそそくさと立ち去る、という負の連鎖が続き、やがて持ち時間が尽きてしまった。
 歌の途中で次のパフォーマーが会場入りしたので、場を譲る。オーディション終了の軽い脱力感と暑さ、そして空腹と手応えのなさとがないまぜになり、歌い続ける気力が減退している自分を感じた。
 3人目のパフォーマーが続けて会場入りしたのを潮に、1ステージのみで撤収することに。

 場所や状況は異なるが、直前に歌ったわずか10分間の赤れんがオーディションのほうが、はるかに手応えがよかったという皮肉。自分の技量が落ちたわけではないと信じたい。
 幸いに来年3月まで歌うためのライセンス延長権利はすでに確保している。8月以降も広場の開放枠は多くなく、例年後半期は介護施設系のライブで忙殺される。自分のあるべき姿を見つめ、考え直すには、絶好の冷却期間であろう。