2016年12月17日土曜日

ノーマイクで奮闘

 12年という長いお付き合いのある近隣のグループホームXmas会で歌った。施設名の変更や移転などを経て、今回がちょうど30回目のライブ。その間、入居者や職員さんにも多くの入れ替りがあったが、目には見えなくとも、ずっと変わっていないものも確かにある。
 イベントは食事会を兼ねたもので、開始は11時半。私の出番はずっとトップと決まっていて、施設側の簡単な開会宣言のあと、ただちに歌い始めた。

 この日は介護施設系ライブでは初めて試すことがあり、ずばりマイクなしで歌うことだった。いつも共演するフォークユニットのエイプリルさんがノーマイクを貫いていて、それに合わせたことがひとつ。
 さらには、今年9月に雨のため屋内開催となった秋祭りイベントでPAを使った際、最前列で耳を押さえて聴いていた利用者の方がいたことも理由のひとつだった。そう広くはない食堂内のライブで、PAは必要ないのでは?と考えたのだ。
 これまで屋外での路上ライブやカフェライブでマイクなしで歌ったことは数回ある。しかし、介護施設でも支障なくやれるのか、やや不安はあったが、まずはやってみることだ。
 およそ20分で6曲を歌う。

「高校三年生」「きよしこの夜」「花笠音頭」「二人は若い」「知床旅情」「浪花節だよ人生は」


 4曲中2曲だけがアルペジオの穏やかな曲調で、他は基本的に元気の出るストローク系の曲でまとめた。夏祭り余興では全曲をニギヤカ系にすることも少なくないが、屋内とクリスマスということから、少し趣向を変えた。
 出だしから手拍子が飛び出し、調子よく進む。マイクがないということで、1曲目は多少の力みを自分でも感じたが、じょじょに慣れてきた。うつむいて歌うと声が広がらない感じがし、極力顔を上げて歌うよう努める。

 無難に終えたが、結果としてマイクがないことによる大きなハンデはないように思えた。前を見て歌うことで聴き手の顔もよく見えるし、上半身で自由にリズムをとって歌えるという利点もある。介護施設でも充分やれる。
 その後、職員さんや入居者の方々による手品やハンドベル演奏が続いたが、ほとんどタイムロスなくプログラムが進み、時間がすっかり巻いて(早まって)しまった。
 予定では12時半から最後の余興が始まるはずだったが、時計はまだ12時を回ったばかり。進行のNさんと責任者のAさんとが時間調整をどうしようか、困っている。とりあえずみんなで歌でも…、などと相談しているので、「よろしければ私が何か歌って場をつなぎましょうか?」と申し出た。

 実は責任者のAさんには、この秋に母が転居した施設を紹介していただいたという恩がある。歌でお役にたてるのなら、むしろこちらからお願いしたいほどだった。


 それでは次の出演者が現れるまで、ということになり、手頃なXmasソングを順に歌い継ぐことにする。結果として20分強で8曲を「第2ステージ」と称して歌った。
(※はリクエスト)

「ウィンター・ワンダーランド」「恋人がサンタクロース(初披露)」「赤鼻のトナカイ」「サンタが町にやってくる」「あわてんぼうのサンタクロース」「まつり※」「北海盆唄(初披露)※」「故郷※」
 Xmasソングはどれも短いが、完全に別ファイルとして電子譜面にまとめてあるので、メドレーのように次々と歌える。聴き手からの手拍子は終始耐えることがなく、5曲を終えた時点で一息入れ、「もしかして、演歌も聴きたいですか?」「リクエストありましたら、歌手名でどうぞ」と声をかける。
 すると北島三郎と吉幾三との声があり、まずはこのところ歌い込んでいる「まつり」を歌う。続けて吉幾三に移ろうとしたら、Aさんから「北海盆唄」と「故郷」のリクエストがあり、それで締めて欲しいとの要望。
 どちらもこの施設では定番ソングのような位置づけで、「北海盆唄」はそのために最近覚えたばかりだった。

 無難にまとめて、ポッカリ空いた時間の穴埋め役は十分に果たした。Aさんにも喜んでもらい、個人的な義理も同時に果たせた。
 その後、食事会とビンゴゲームへと移行。(出演予定のエイプリルさんは手違いで欠席)いつもながら美味しい料理を堪能し、花束やお土産までいただく。記憶に残る通算30回目のライブだった。