(母は老健施設にお世話になっているので、看護師が常駐している)
2日はすでに平常モードで酒も飲んでいなかったが、面会に行こうにもユニット内にインフルエンザ患者が発生し、一般面会は許されていなかった。
電話で様子を聞くと、血圧が112〜200と異常に高く、熱が38度弱。ノロウイルスやインフルエンザ感染を疑ったが、検査しても陰性だという。その日は夕食を食べずにベットに移動し、点滴に切替えた。
翌日夕方に電話をすると、血圧は薬で100〜150くらいに下がり、熱も37度台まで下がった。しかし食欲はなく、その日も終日ベットで点滴をして過ごしたようだ。
翌4日は朝食と昼食は食べ、吐くことはなかったが、夕食は食べたくないというので再び点滴に切替えた。出勤した医師が診てくれたが、入院するような緊急症状ではなく、様子をみたいという。
3日後の今朝、再び施設の看護師から連絡があり、容態は変わらないが、一度顔を見に来てほしいとのこと。一般面会は相変わらず禁止されていたが、特別に短時間だけ許されるという。
外はあいにくの悪天候だったが、吹雪をついてお昼近くに施設に行った。
まず看護師詰め所で容態を聞く。カテーテル経由での尿量が減り、腎機能が衰えているという。頻脈のほか、痰も出ていて吸引していた。点滴を含めて3本のチューブがつながっている。
一般面会禁止にも関わらず呼ばれたのは、意識があるうちに息子さんに直接会っておいて欲しいから…、というただならぬ理由からだった。老衰に起因する多臓器不全の疑いが強いという。
担当看護師の過去の経験から、一両日中に容態急変の可能性もあるので、備えていて欲しいとも言われた。
その後手を消毒してマスクで防備し、母の居室に移動する。母はベットで目を閉じていたが、看護師さんが声をかけると薄く目を開けた。顔色はそう悪くないが、反応は弱い。
誰だか分かる?と声をかけると名前を呼んだので、意識の混濁はない。長い面会はまずいので、ごく短時間で退出。看護師さんの言うような「今生の別れ」という実感はなかったが、帰り際に手を握って頭をなで、「また来るよ」と声をかけてきた。
来月で99歳という高齢なので、いつ何が起きてもおかしくはない。統計的に寒さの厳しい1〜2月は高齢者にとって高く険しいハードルだ。そのハードルを果たして母は乗り越えて、春を迎えられるのか。
子としてやれることは全てやっているつもりなので、最後は母自身の生命力にかかっている。