日曜祝日以外は保育園を利用できるが、万一熱でも出たら保育園には預けられないルール。お嫁さんの実家は遠い九州で、そうなれば私たちが子守りをする必要がある。
11月は真冬日が5日もあって、105年ぶりだとかの異常な寒さが続き、雪も多い。急に熱を出す可能性は十分にあり、そんな緊急事態に備えて、丸一日を私たちとだけで過ごす「慣らし子守り」を、事前にやっておくことにした。
これまで2時間弱を息子夫婦のマンションで子守りしたことはあるが、我が家に来てもらって親抜きで子守りしたことはない。
前日からオモチャやオヤツ、昼ごはんなどを準備する。オヤツは好評のスイートポテトのほか、材料が重複していて作りやすいフルーツケーキにも初挑戦した。
10時半に最寄りの地下鉄駅で待合せ。息子だけが孫娘を連れてやってくることになっている。お嫁さんがいないのは、普通とは違う状況であることを孫娘に予知させるため。
少し遅れて、10時50分に地下鉄駅前で孫娘を預かる。車のチャイルドシートに乗せると、息子はバイバイして去っていった。孫娘は当然泣くものと皆が思っていたが、なぜか泣かない。横に妻が座ってカエルの人形であやしたり、歌を歌ったりしたのが効いたか、じっと自分の置かれた状況を考えている様子。
無事に家に着いて運び込むと、事前に並べておいたカエルの人形たちとさっそく遊び始めた。私がカエル狂なので、カエルグッズには事欠かない。カエル好きな娘で助かる。
前日買っておいたカエルパペットもまずまず喜んでくれたが、大人用なので手を入れて遊ぶには大きすぎた。私のところに運んできては、「やって」とせがむ。
お昼になって妻が作った野菜ウドンを食べさせようとしたが、断固拒否。麺類は食べさせたことがないと聞いていたが、どうやら苦手のようだ。私たち夫婦は麺好きなので、がっくり。
急きょ非常用にお嫁さんが準備してくれた離乳食レトルトカレーを食べさせることにする。ご飯は家にあったものを使った。量は事前メール通りに120gで、こちらはペロリと平らげる。オカズが足りないので、ウドン用の野菜を混ぜた。
食事後もぬいぐるみやお絵かきで遊び続け、一向に眠そうな気配を見せない。保育園では12時半から2時間ほど寝ると聞いていたので、2階寝室に布団の準備だけはしてあった。
13時過ぎにオムツをまず交換。やるのは40年ぶりくらいだが、布オムツだった我が子に比べるとずっと楽。そのまま2階に運び上げ、カーテンや引戸で寝室を暗くして、妻と2人がかりで寝かしにかかる。
ちょっと愚図ったが、子守唄をアドリブで歌いつつ、背中をポンポン叩いてあげたら、案外すんなり寝てくれた。
北側隣地では住宅工事の真っ最中で、かなりうるさかったが、そのまま2時間眠り続けた。意外に神経が太いところもあるのだと感心。
夕方には両親と合流することになっていたので、オヤツの時間も考えると、寝すぎはまずい。そこで妻が2階に上がり、寝室カーテンを開けて起こしにかかった。
「おはよ〜、グッドモーニングツ〜ユ〜♪」と、歌つきだ。
「おはよ〜、グッドモーニングツ〜ユ〜♪」と、歌つきだ。
自分の家では昼寝で起きた直後は愚図ることが多いが、この日は機嫌よく起きた。親がいないことを認識していて、甘えが効かないことをちゃんと分かっているみたいだ。
さっそく用意したオヤツを食べさせたが、大好きなスイートポテトはもちろん、初めてのフルーツケーキも大喜びで食べてくれた。
寝ている間に私たちの珈琲は済ませておいたので、サービスに専念。クッキーと違って崩れやすく、フォークで小さく切って食べさせる。
オヤツのあとも少し遊んで、17時少し前に出発することにする。玄関にかけてあったコートを持ってきたら、孫娘は出かけることをすぐに納得。これまた泣くこともなく、すんなり車に乗ってくれた。
その後、17時半ころに地下鉄駅近くのイオンで長男夫婦と合流。7時間ぶりに両親と顔を合わせた孫娘、一瞬だけ切なそうな表情を見せたが、ベソはかかない。よくガンバった。エライ!
孫娘の聞き分けのよさにも助けられ、初体験の慣らし子守りを無事に乗り切れた。本人はもちろん、両親や祖父母である私たちにとっても、いろいろと成長できた意義ある一日だった。