長年ここで路上ライブを続けている小樽在住のギタリスト、浜田隆史さんにいろいろ教えていただいたが、要は公衆の迷惑にならないよう、節度を守って演奏するということだった。
.............................................
(基本的な部分でチカチカパフォーマンスと大きな違いはないが、一切を自分でコントロールするという点が異なる)
(場所が狭いので、人だかりができるパフォーマンスは無理と思われます)
前日から天気の状態を調べたが、晴天は無理としても、雨の心配はなさそうだった。何より、風が強くないという予報が決め手となり、決行を決める。
末の息子が小樽の大学に通っていたので、自宅からのルートは熟知している。運河になるべく近く、安い駐車場も数ヶ所ピックアップした。オニギリ持参で早めの12時ちょうどに出発。写真係として、妻も同行した。
小樽に近づくに従って、次第に空が薄暗くなってくる。気温もじょじょに下がってきた。条件は悪いが、初回なので様子を見るだけでもよいと割り切ることにする。
片道41Km、およそ1時間で現地到着。30分100円の駐車場も空いていた。そこから5分ほど歩いて運河の遊歩道に着く。
歌う場所は北の外れにあるトイレの前だ。人通りは南端のほうが多いが、新参者なので隅っこで自重する。通行の邪魔にならない運河側の腰壁際に素早く機材を設営した。
歌う場所は北の外れにあるトイレの前だ。人通りは南端のほうが多いが、新参者なので隅っこで自重する。通行の邪魔にならない運河側の腰壁際に素早く機材を設営した。
ギタリストの浜田さんはツアー明けのせいか、いつもの場所に姿は見えない。近くで水彩画絵葉書を展示販売していた男性に挨拶し、ただちに歌い始める。
13時35分からのおよそ40分で、計11曲を歌った。
「I LOVE YOU(初披露)」「オー・シャンゼリゼ」「小樽のひとよ」「風来坊」「ダニーボーイ」「つぐない」「おれの小樽」「大空と大地の中で」「ビリーヴ」「万里の河」「釜山港へ帰れ」
当初はジャンパーを脱いで歌うつもりでいたが、現地の温度表示を見ると、8.2度しかない。経験的に10度を切る環境下での路上ライブは厳しい。急きょジャンパーを着たまま歌うことにする。
曇天で寒く、時折小雨もパラつく悪条件で、しかも平日である。通りを往く人の姿はまばらだったが、それでも関心を示してくれる方はそれなりにいて、手応え自体は決して悪くなかった。
通路の反対側は高い石垣になっていて音の返りがよく、歌いやすい。石垣の向こうは3車線の広い道で交通量も多いが、高低差があるせいか騒音は気にならない。
唯一の障害らしきものは近くのビル工事の騒音だが、これはやむを得ない。いろいろな場所で歌ってきたが、条件としては恵まれている部類だ。
通行人との距離が近いので、PAのボリュームは地下通りよりも低めに設定した。反響がゼロに近いので、普段は使わないリバーブをわずかにかける。
通路の反対側は高い石垣になっていて音の返りがよく、歌いやすい。石垣の向こうは3車線の広い道で交通量も多いが、高低差があるせいか騒音は気にならない。
唯一の障害らしきものは近くのビル工事の騒音だが、これはやむを得ない。いろいろな場所で歌ってきたが、条件としては恵まれている部類だ。
通行人との距離が近いので、PAのボリュームは地下通りよりも低めに設定した。反響がゼロに近いので、普段は使わないリバーブをわずかにかける。
この日のテーマは特になく、強いて言うなら小樽関連の歌を入れることくらいで、あとはその場の思いつきで選んだ。まだ手探り段階だが、演歌系や洋楽系の曲よりはポップス系の曲のようが受けが良かった気がする。
MCは一切なしで淡々と歌い続けたが、「ビリーヴ」を歌っているときに、突然ギターに異音がして、音がおかしくなった。調べてみると、なんと2番目に太い5弦がブリッジ部分で切れている。
昨年の夏に3弦が切れたことがあったが、5弦が切れるとは予想外。応急処置を試みるが、回復しない。予備の弦も準備がない。近隣のガラスショップを散策に出かけた妻に連絡し、事情を話してライブの打切りを告げた。
妻がやってくるまでの間、5弦を外したままで2曲歌ってみたが、ストローク系の曲ならそれなりに弾ける。しかし、5弦がないと間が抜けた印象で、続行はもはや不可能だった。
妻と合流後、近くのカフェで珈琲とケーキのセットを食べる。車を停めた駐車場が提携していて、ここで飲食すると3時間の駐車料金が無料となってお得だった。
予期せぬアクシデントにいくつか見舞われたが、手探りのお試しライブとしては、上々の出来だった。何より、自己責任下で時間や共演者を一切気にせず、自由気ままに演れるのがいい。これぞストリートライブである。
演ってみて分かったが、「小樽運河」という歴史ある一種の異空間で歌うのは、かなり刺激的で気分がいい。条件が整えばどれだけの反応があるのか、ちょっと期待してしまう。
今回の路上ライブ、シリーズ化するべく、自らネーミングを試みた。考えたすえ、「小樽運河フロート」に決める。
「フロート float」→「浮かぶ」「漂う」「流浪する」と、水辺で自由に歌うスタイルをイメージした。当日の天候やスケジュールを睨みながらのゲリラ的ライブになりそうだが、今後もぜひ続けたい。