2019年6月16日日曜日

最悪体調でも好反応

 市内南端にある有料老人ホーム誕生会で歌った。依頼はネット経由であったが、実はこの施設では8年前にも2度歌っている。当時の担当者はすでに退職していて、引き継ぎによるリピート依頼ではなく、まっさらな状態からの依頼だった。
 とはいえ、施設の建物や経営形態は同じで、入居者の多くは8年前から変わっていないという。当時の記録を参考に進行や構成を打合せたが、洋楽を多めに歌うという希望は変わってなく、中ほどで歌詞カードを配って全員で歌うという趣向が新たに加わった。

「サン・トワ・マミー」「ケ・セラ・セラ」の要望が施設側からまずあり、ラストは「また逢う日まで」で締めくくることが最初の電話で決まる。
 実施2週間前までに、30分10曲の構成を先方にFAXして最終了解を得た。
 当日は雨の予報だったが、うまい具合に降られずに済む。前日夕方にイベントライブで歌ったばかりで、帰宅は20時過ぎ。ライブ開始は12時で、施設までは1時間近くかかる。10時45分に家を出て、先日の墓参りで開拓した新ルートを通って向かった。
 いったん終息したはずの腰痛が昨日のライブ後にぶり返し、腰にはコルセットを巻いた。過酷なスケジュールで身体は悲鳴をあげているが、この日を乗り切れば一息つける。

疲労感がにじむ終了後のスナップ

 どのルートよりも早く、50分で先方に到着。新担当者と挨拶を交わし、まず会場の下見をする。前回とは食卓の配置が大きく変わっていて、ステージ位置は中央壁際に設定されていた。
 予定通り12時ちょうどに開始。11時半から始まった昼食は、食べ終わってお茶を飲んでいる時間帯で、歌と食事が重なる問題はない。およそ35分で11曲を歌う。

「サン・トワ・マミー」「ここに幸あり」「恋の町札幌」「恋はやさし野辺の花よ」「バラが咲いた(歌詞カード)」「上を向いて歩こう(歌詞カード)」「ケ・セラ・セラ」「君恋し」「エーデルワイス」「また逢う日まで」「月がとっても青いから(アンコール)」
 最初の数曲は反応がやや硬かった。8年も経つと歌い手も聴き手も互いに記憶が薄れ、ほとんど初訪問に近い。過去2回の記憶を頼りに、ていねいに歌い進める。
 典型的な傾聴型の場で、ニギヤカ手拍子系の曲は皆無だったが、1曲ごとの拍手は熱く、手応え自体は悪くなかった。

 中ほどの歌詞カード配布曲では、共に歌う声がかなり耳に届き、以降の後半はじわじわと反応がよくなった。
 ラストの「また逢う日まで」では、期せずして会場から小さな手拍子が湧く。過去2回にはなかったことで、これは驚きだ。そのまま締めくくると、奥に座っていた男性利用者から「アンコール!」の声。会場の拍手がそれに続く。
 全く打合せになく、もちろんこの施設では初めてのこと。気遣った担当者が「アンコール、大丈夫ですか?」と確かめにきたが、もちろん問題なかった。
 終了後も「よかった」「最高だった」の声が多数耳に届き、ステージまで近寄ってきて、ていねいに労いの声をかけてくれる方も複数いた。
 体調が最悪に近い状態での連続ライブで、無事にやれるか不安だらけだったが、想像以上の手応えで正直ホッとした。

 反省として、歌いながら聴き手と目で語りすぎて、「ケ・セラ・セラ」の2番歌詞を一瞬見失ったこと。他施設ではあまり歌わない曲が多く、歌詞から目を離し過ぎるのは禁物だった。
 そのほか、アンコールの「月がとっても青いから」のロングトーンで、一部声が切れた。体調が悪いときに起こる現象で、大きなキズではなかったが、欲を出さずに半音下げて歌うべきだったかもしれない。