2019年3月28日木曜日

苦手克服に光明

 札幌南部にある町内会老人クラブの誕生会ゲストとして歌った。このところ多いネット経由での依頼で、以前に何度か歌った町内会に近く、よく知っている場所だった。
 開始は11時。苦手の午前中ライブで、早めに起きて備える。車で1時間弱はかかり、初めての場でもあるので、9時15分に家を出た。

 前回開拓した豊平川右岸の道が空いているはずだったが、平日午前中のせいか渋滞が激しい。10時10分に会場となる町内会館に着いたが、時間的には少し早すぎて、車の中で30分ほど時間をつぶす。
 10時45分くらいに呼ばれて、ゆっくり設営。事前に頼まれていた8曲分の歌詞カード原稿を渡し、必要分のコピーをとってもらう。


 会場には高さ15センチほどの立派なステージがあったが、客席との距離が遠くなるので、聴き手と同じレベルの床に立って歌うことにする。
 時間ちょうどの11時に始まり、およそ50分で17曲を歌った。
(※は歌詞カード配布曲)
「春一番」「二輪草※」「瀬戸の花嫁※」「二人は若い※」「宗谷岬」「高校三年生※」「君恋し」「お座敷小唄」「上を向いて歩こう※」「リンゴの唄※」「青い山脈※(伴奏のみ)」「バラが咲いた※」「真室川音頭※」「つぐない」「リンゴの唄(伴奏のみ)」「幸せなら手をたたこう」「浪花節だよ人生は」

 聴き手は30名くらい。男女比は4:6ほどで、女性がやや多い。平日の午前だが、テーブルにはアルコールの瓶や缶が並び、つまりは苦手な宴会余興である。奇しくも苦手がふたつも重なった。
 特に宴会余興は苦戦した記憶しかなく、過去のライブ記録を入念に分析し、選曲と曲順は練りに練った。
 イベント開始から45分が経過し、場は飲食の真っ最中。この時間帯に手拍子や掛け声等で聴き手の参加をうながす曲は避けたほうが無難なので、前半は単純に聴いてもらうだけの調子のよい曲を並べた。
 それでも間奏や終了後の拍手は熱く、手応えそのものは決して悪くない。「高校三年生」では歌詞カードを見ながら歌う多くの声が耳に届いた。

 中盤の「お座敷小唄」からじょじょに聴き手の参加を促す趣向にしたが、この目論見はおおむね当たり、10曲目の「リンゴの唄」を歌い終えると、会場から「《青い山脈》をギター伴奏でぜひ歌いたい」という声が上がる。
 町内会イベントでよくあるパターンで、ただちにマイクを渡し、私はギター伴奏に徹する。後半にも「リンゴの唄」で同じ声が上がった。


 場は尻上がりに盛り上がり、前半は単純に聴いてもらい、後半に参加してもらう、という苦心の構成は成功だった。

「幸せなら手をたたこう」を歌い終えた時点で担当のFさんから「あと1曲で終わってください」との要望が出る。ラストは少し迷ったが、テンポが少し早すぎて手拍子が打ちにくかったきらいがある。「月がとっても青いから」あたりが正解だったか。
 選曲で唯一外したのは「つぐない」。酒が回った時間帯にしては、曲調が暗すぎた。ここは明るめの唱歌か民謡にするべきだった。
 終了後、多くの方がそばに来て労ってくれた。特に最前列で熱心に聴いていた高齢の女性は、実は目が不自由だそうで、「これまでの余興で最高でした。また呼んでくれるよう、役員会に頼んでおきます」と両手を固く握り、なかなか離そうとしない。
 陽気の変動が激しく、寒い中で車庫解体作業を繰り返したせいか、喉の調子はいまひとつだったが、苦手な酒席を上手にさばく、という課題の克服には、一筋の光を見た気がする。