2018年12月9日日曜日

緊急代役ライブ

「緊急で申し訳ないのですが、明日歌っていただくことは可能でしょうか…」と、遠慮がちながらも切羽詰まった様子の電話が突然あったのは、昨日午後のこと。
 ライブスケジュールの立て込むいつもの12月ならとても無理だが、今年に限っては依頼が少なく、スケジュールは空いている。
 過去に10数回歌っている馴染みのデイサービスだったこともあり、お受けすることにした。それにしても、依頼翌日のライブとは過去に例がない。

「随分と急な話ですが、予定されていた方のキャンセルでも?」と尋ねると、実はその通りですとの返答。自分も過去に喉の不調で予定をキャンセルせざるを得なかったことが数度ある。
 プロでもアマでも突然の体調不良やアクシデントはあるもので、緊急時のフォローはお互いさまというもの。やれるときにやっておけば、巡り巡って自分のトラブル時には、誰かがきっとカバーしてくれるはず。
 週に一回程度歌うのが最近の調整法。下旬までライブ予定はなく、しばらく歌ってなかったので急きょセットを組み、軽く調整した。咳喘息も治り、喉の調子は悪くない。

 当日は3日連続の真冬日で、前日よりもさらに気温は下がった。雪もまた降って、午前中に手作業での除雪を強いられる。開演は15時だったが、20キロ以上離れている施設で、冬場は1時間近くかかる。用心してかなり早めに家をでた。
 滑る凍結路を慎重に走って、50分で先方到着。定刻ちょうどの15時から始めた。アンコールなどあって、ちょうど1時間で16曲を歌う。
(※はアンコール&リクエスト)


「ウィンター・ワンダーランド」「高原列車は行く」「おかあさん」「瀬戸の花嫁」「お座敷小唄」「二人は若い」「ブルーライト・ヨコハマ」「荒城の月」「恋の町札幌」「つぐない」「雪國」「小樽のひとよ」「まつり」「旅の宿※」「夜霧よ今夜も有難う※」「故郷※」
 全体として冬や年末を意識した構成とした。叙情系の曲がやや少なめで、皮肉なことに「瀬戸の花嫁」「荒城の月」などの反応がよかった。もう1〜2曲、叙情系の曲を入れるべきだったかもしれない。
 1曲目はXmasを意識した選曲で、場の気分次第ではラストに「ジングルベル」を歌うつもりでいたが、結果としてXmas系はこの1曲のみとなった。

「お座敷小唄」「雪國」「まつり」は年末に合わせた選曲だったが、うまく収まった。他の曲の手応えもまずまず。
 中盤のMCで自己紹介をはさむ手法を今回もとったが、聴き手との思いがけない会話が弾み、場をなごませるのに充分役立った。
 終了後のアンコールは施設長さん主導のもの。「時間調整アンコール」に近かったが、「もう終わりかい?」との声が上がっていたので、場の気分には沿うものだった。
 ラストの「故郷」は「みなさんで歌える曲を」との施設長さんの希望によるもの。フレーズの間に歌詞指導をしつつ進めたこともあってか、ほぼ全員が歌ってくれ、歌い納めには相応しかった。
 緊急事態による準備なしライブだったが、経験値をフル稼働させ、無難に乗り切れたと思う。先方にも大変喜ばれた。