20年前にいまの土地を買った際、地盤の悪さは承知していたが、予算の都合で目をつぶらざるを得なかった。
設計時にボーリング調査を実施し、地下水はないことを確認。地下11Mの深さに硬い支持地盤があることを知り、11Mという長い基礎杭を24本打って備えた。建物の設計でも見てくれや広さは二の次で、断熱と構造を最重点項目とした。
今回の地震で建物内外に大きな被害はなく、瀬戸物ガラス類はひとつも割れなかったが、そうした設計上の配慮が有効に働いたと思われる。
しかし、もし液状化が発生するとどうなるのか、予測もつかない。不安は解消されなかった。
ネット検索してみると、札幌市で「地震防災マップ」「液状化危険度図」「建物全壊率図」の3つが区域ごとに閲覧可能になっていて、自分の住む地域の危険度が一目瞭然。これは貴重な情報だ。
札幌市「液状化危険度図」より転載 |
さっそく「液状化危険度図」で調べてみると、意外や意外、自宅周辺の液状化危険度図は4段階のうち最も安全な「液状化発生の可能性が極めて低い」に分類されていた。周辺は最も危険な「液状化発生の可能性が高い」という地域に囲まれているが、不思議なことに我が家近辺だけがエアポケットのように危険度が低い。
判定基準の記載がないが、すでに液状化が発生した地域を調べてみると、全て「液状化発生の可能性が高い」という最高危険度の判定になっている。信頼性は高い気がする。
他の判定図も調べてみたが、予想最大震度を表示する「地震防災マップ」では、4段階のうち上から2番目に大きい「最大震度6強」の判定。最大震度時の建物全壊率を示す「建物全壊率図」では、4段階のうち上から2番目に大きい「10%以上20%未満全壊」の判定だった。
土地を買った際、しばしば地盤の悪さを他から揶揄されたものだが、実際に調べてみるとそうひどいものではなく、設計上で充分な配慮をしてあれば、万一の際にも大きなダメージは免れそう。地震によるリスクがゼロになったわけではないが、不安はかなり解消された。
裏づけのないイメージ論からの地盤情報など、あまりアテにしないことだ。