2015年10月27日火曜日

「本日のオススメ」が効く

 第9期初めてのチカチカパフォーマンスに参加。広場の割り当て自体はそれなりにあったが、急増するライブ依頼に追われ、どうにかスケジュールを合わせられたのは、この日だけだった。
 ライセンス取得後5年目に差し掛かり、これまでほぼ月2回ペースの活動を地道に続けてきたが、自分のスケジュールと広場の空き枠とのすり合わせが、なかなかうまく運ばない。しばらくはガマンの日々が続く。
 この日は友人と合う約束があるという妻が、久しぶりに同行。3組の共演だったが、開始20分前に広場に着くと、まだ誰も来ていない。手早く設営を済ませ、事務局から貸与の騒音計を所定の位置で妻に持ってもらい、実際に弾き語りながらの騒音値を開演前に測ってみた。
 すると、最も強い調子の歌の場合、ピークのフレーズでは目安となる80dbをわずかに上回ることが分かった。そこでマイクのボリュームを10%ほど下げ、立ち位置とPAを50センチほど後方にずらす。
 再測定してみると、今度はOK。ちょっと意外な結果だったが、数字は正直だ。


 14時ちょうどから歌い始める。この日は新しい試みがあった。通常のリクエスト一覧のほかに、「本日のおすすめ」と称して、季節感あふれる歌を複数ジャンルから20曲セレクトし、大きめの文字でプリントして添付したのだ。
 311曲のリクエスト一覧は量としては充分だが、多すぎて目移りする、という欠点も併せ持っている。そこを修正しようと考えた。
 開始直前になって現れた見覚えのある中年男性、一昨日のデイサービスで声をかけてくれたAさんだった。「必ず聴きに行きます」と言ってくれたが、本当に来てくれたのだ。
 第1ステージでは、およそ28分で8曲を歌った。(※はリクエスト)

「愛人※」「池上線」「熱き心に」「ケ・セラ・セラ」「恋人よ」「白い冬※」「酔歌(初披露)」「真夜中のギター※」

 1曲目はAさんからのリクエスト。デイサービスでいただいた分の持ち越しである。通る人の数はそう多くなかったが、人の集まりはよかった。「熱き心に」であっという間に20人近くに達する。
 リストを別ファイルに分けておいたこともあって、多くは「本日のおすすめ」からの選曲だったが、数少ない洋楽だった「ケ・セラ・セラ」を歌い始めると、す〜っと客足が引いた。聴き手は実に正直で、選曲の難しさを思い知る。
(同じ洋楽でも、第2ステージで歌った「ろくでなし」は受けた)
 歌い始めて気づいたが、メガネが車運転用のままだった。度が強すぎて、譜面が読みにくい。およその勘で歌ったが、歌詞の読めない箇所やコードの読み違いが数箇所あった。ライブ専用のメガネを機材に入れておく必要がある。大きな反省点だ。


 30分過ぎても他の共演者は現れない。普段ならそのまま延々歌い続けるところだが、先日の会議で、仮に共演がいない場合でも30分で短い休憩を入れるのが望ましい、と言われていた。
 申し合わせ通り、いったん休憩を入れる。聴き手が通りにあふれるリスクが減り、入れ替えによってより多くの人々にパフォーマンスを提供する、というねらいである。

 10分休んだあたりで、共演のジャグラーはち君がやってきた。しかし、設営等に時間がかかるというので、続けて私が演らせてもらうことになる。
 14時45分から第2ステージ開始。およそ27分で8曲を歌った。

「学生街の喫茶店」「夜霧よ今夜も有難う」「ルビーの指環」「冬のリヴィエラ※」「ろくでなし」「小樽のひとよ※」「池上線※」「人生一路※」
 盛況だったステージのあとは、得てして静かな展開になりがちなのが過去の例だったが、この日ばかりは違っていた。1曲目から立ち止まる人がいて、進行と共にじわじわと増えてゆく。3曲歌った時点で早くもリクエストが飛び出した。

 その曲が「本日のおすすめ」にある「冬のリヴィエラ」で、結果的に「オススメ」からのリクエストが3曲もあった。各ステージで8曲歌ったが、実は普段より1曲多い。「オススメ」を中心に選曲するので、時間ロスが少ないのだ。
 レストランやカフェのメニューにヒントを得たアイデアだが、予想以上に当たった。秋から冬へと移ろう、ちょっと人恋しい気分に、うまく寄り添う選曲だったと思う。次回はオリジナル曲も混ぜるなど、さらに工夫してみたい。

 両ステージとも、終了後に声をかけてくれた方が多数いて嬉しかった。某カルチャー講座の方からライブの打診があったり、さっそくツイッターでフォローしてくれた方もいた。介護施設系や街づくり系とは質の異なる出会いが路上系にはある。
 開演前の測定結果に従い、音をかなり絞って臨んだが、逆に集客は増えた印象。「音が大きければ人は集まる」と考えがちだが、むしろ控えめのほうが聴きやすくて快適なのかもしれない。いい勉強をした。