2015年10月12日月曜日

ライブは三位一体

 ネット経由で初めて依頼された都心近くのデイサービスで歌った。3日連続のライブだが、先月で集中した場合の乗り切り方をある程度心得たので、心身へのダメージは以前ほどではない。
 偶然だが、昨日歌ったデイサービスと同じ全国展開の施設で、このところ同じ系列施設からの依頼が相次いでいる。
 口コミによる紹介ではなく、全てネット経由での依頼。登録しているボランティア系NPOの自己紹介記事をこの春に更新したことと、おそらく無縁ではない。
 15時半という遅い開始時間で、時間錯誤をしないよう用心して、携帯のアラームに出発すべき時間をセットして備えた。

 定刻20分前に先方に無事到着。デイサービスにしては珍しく4階建てで、エレベーターで2階ホールへと上がる。
 15時20分にスタンバイしたが、隣接するグループホームの利用者が到着するまでの間、軽い曲で場をつないで欲しいとの要望があり、マイクテストをかねて「浜辺の歌」「ここに幸あり」を歌う。


 聴き手は40名ほど。マイクテストの段階で一緒に歌う利用者が続出。この時点ですでに強い手応えを感じた。
 予定より少し早めの15時28分くらいにスタート。およそ32分で11曲を歌う。

「高原列車は行く」「おかあさん」「炭坑節」「バラが咲いた」「幸せなら手をたたこう」「高校三年生」「荒城の月」「まつり」「星影のワルツ」「青い山脈」「月がとっても青いから(アンコール)」
 本番が始まっても場の声援は衰えることなく、1曲ごとに熱い手応えが増幅した。「幸せなら手をたたこう」でそれが頂点に達する。立ち上がって両手を掲げて踊りだす人、職員さんと手を組んで社交ダンスを繰り広げる人まで飛び出す。
 開始前に職員さんから、「利用者さんにマラカスやタンバリンを持たせてもいいですか?」と問われ、「どうぞ楽しくやってください」と快諾。場には手拍子とそうしたパーカッション類の音が終始途切れなかった。


不思議なことに、ニギヤカ手拍子系の曲と、しっとり叙情系の曲両方に熱い反応があった。傾向としては普通どちらかに片寄るもので、両方が受けるという施設は珍しい。
 特にお願いせずとも、一緒に歌ってくれる方が多数。歌詞カードなしで、ほぼ全曲を歌ってくれた女性もいて驚いた。
 あっという間に終了時刻がやってきたが、自然発生的なアンコールがおこって、ありがたく歌わせてもらう。
 終了後、施設側の都合もあって職員さんがプロ野球中継に切り替えたら、「野球より、歌をもっと聴きたかった」との声あり。確かに30分では物足りない…、という気分が歌っている私にも残った。

「利用者さんがこんなに楽しそうだったことは、かってなかったことです」と、企画担当のHさんからも労われる。Hさん自身も、ライブ中はつきっきりで場を盛り上げてくださった。非常に歌いやすい場だった。
「本当に楽しかった」「きれいな声ですね」「また歌いにきてくださいね」などの声に送り出される。ライブは歌い手と聴き手、そして主催者が一体となって創りあげるもの、という典型例をみた。