2015年10月24日土曜日

難しい3回目を乗り切る

 近隣の地区センターにて、かねてから準備中の全曲リクエスト型オープンコンサート、「叙情歌サロン」を実施。
 数えて3回目だが、今回はロビーで別の展示会が同時開催され、会場がやや手狭。地域にかなり浸透してきたこともあってか、市広報や地域新聞、地区センター新聞やHPでの事前告知は一切されなかった。

 実施4日前に打合せにいったが、地区センター内にもフライヤーは貼られていない。何か事情があったのかもしれないが、時には通りすがりと口コミを対象に、こじんまりとやってみるのも悪くはない。


 開演35分前に地区センターに行ったら、玄関ホールに植栽つきの立派な案内イーゼルが設置されていた。会場の片隅には、障がい者授産施設によるカフェコーナーがすでにスタンバイ。
 今回は第2ステージ冒頭で館長さんの朗読とコラボを演ることになっていて、機材が多い。妻の手を借りて、15分ほどかかって設営を終えた。
 先の事情により、集客は前回よりかなり減ることが予想された。私自身の告知活動もこれまでより控えめ。並べられた椅子は28席だったが、座席の後方には常設のソファーセットもあるので、充分足りそうだった。


 13時40分に準備を終え、マイクテストに続いて館長さんとコラボのリハーサルと細かい打合せ。互いの位置は決まっていたが、マイクの使い方とボリューム設定、入りのタイミング、朗読から弾き語りへの移行手段、弾き語りが終わるまでの館長さんの位置など、細かい詰めをする。

 そうするうち、続々と聴き手が集まってきた。メールなどで案内した知人のほか、電話で地区センターに問い合わせてやってきた方や、たまたま通りかかった人など、開演時までに20人ほどが集まる。地味に演るつもりでいたが、数としては充分過ぎるほど。
 定刻ぴったりの14時からスタート。館長さんの簡単な挨拶がまずあり、続けて8曲を歌った。(※は初披露。以下共通)

「生活の柄」「池上線」「ブルー・シャトー」「つぐない」「別れの朝※」「みだれ髪※」「ろくでなし」「大空と大地の中で」


 1曲目「生活の柄」は、恒例の館長さんリクエスト。2曲目の「池上線」は昨年急逝した知人からのリクエストで、本来ならこの場にいた方だった。
 過去にいろいろリクエストをいただきつつ、唯一お応えできなかった曲。追悼の意味もこめて歌ったが、奇しくもこの曲を1曲限定でリクエストされた方が会場にいた。不思議な縁である。
 今回のリクエスト曲は311曲。前回より51曲増やしたが、A4サイズ裏表に読みやすい文字サイズで印刷するには、このあたりが限界のように思える。

 入口に置かれているリクエスト一覧の希望曲に、マル印をつけて係員か私に手渡すのがルールだが、第1ステージではリクエストが出にくい傾向にある。
 そこで前回歌い残した曲一覧を念のため準備していったが、結果としてどんどんリクエストが飛び出し、予備リストを使うことはなかった。


 充分に準備して臨んだので、喉の調子もまずまず。場の反応も熱い。トントン進んで、14時31分に第1ステージを終えた。
 打合せ通りに、14時40分から館長さんとのコラボで第2ステージ開始。曲はオリジナル作曲の「雨ニモマケズ」(宮澤賢治)で、まず館長さんの朗読で詩を読み、BGMとして私のギター演奏をかぶせる。朗読終了後、ただちに弾き語りに移る、という趣向だった。

 以前にチカチカパフォーマンスで同じ曲を別の方とコラボしたことがあり、館長さんも絵本セラピストの資格者で、その道のスペシャリスト。あまり問題なく演れた。場の反応もよかった。
 続けて通常の弾き語りへと移る。15時10分までに、計8曲を歌った。

「忘れな草をあなたに」「乾杯※」「雨が空から降れば」「雪が降る」「昔の名前で出ています」「糸」「越冬つばめ」「サヨナラ模様」

 進行で大事なのは、20枚近い記入済みのリクエスト用紙の中から、瞬時の判断で曲順やジャンルを考慮しつつ、曲を選択すること。
 ジャンルが隔たってはいけないし、同じ傾向の曲が連続するのも好ましくない。ステージの最初や最後にふさわしい曲が当然あるし、季節感が大きく外れた曲もなるべく避けたい。


 だいたい思惑通りに運んで、時間通りにステージを消化。15時20分から最終ステージへと進んだ。
 ここまでで、全ての聴き手からのリクエストに最低1曲はお応えした。「リクエストコンサート」をうたっておきながら、自分のリクエストが1曲も歌われないのでは、何ともつまらない。そんな事態を避けるべく、後半に差し掛かると会場に声をかけながら進めていった。

「1曲入魂リクエスト」をされた方は、必ずその曲が歌われることになるが、今回その対象は、「池上線」「雨が空から降れば」「みだれ髪」「忘れな草をあなたに」「越冬つばめ」「糸」の6曲である。
「糸」は今回最もリクエストが集中した曲で、計3人の方が望まれた。前回の歌い残し曲でもある。
 進行と共に聴き手はじわじわと増え、座りきれない方が後方のソファにもあふれる。最終的には30人を超えた感じだ。
 最終ステージでは15時55分までに、計7曲を歌う。

「ジョニィへの伝言」「恋人よ」「宗谷岬」「万里の河」「銭形平次※」「地上の星」「時の過ぎゆくままに」


 20曲を超えると、決まって左手の指がつるのが過去の常だったが、今回は歌い込みを充分にやった成果か、はたまた回数を重ねて緊張感が弱まったせいなのか、最後までその症状は起きなかった。大きな成長だ。
 反面、20曲を越えてから声の伸びがいまひとつになった印象で、「万里の河」で本来ならブレスなしで歌うべきラストの部分を、一部ブレスしてしまった。妻は全く気づかなかったというが、いわゆる「ズル」である。新たなる課題だ。
 気をとりなおして歌い進み、ラスト近くになってやや持ち直す。
 第3ステージではJ-POP系の比重が高くなってしまい、途中で演歌系の曲をぜひ入れたかった。
 目についたのが、一度も人前で歌ったことがない「銭形平次」。ツイッターのフォロワーさんからの情報で覚えた曲だが、場の気分転換には絶好。タイトルを告げると、それだけでどっと場が湧いた。いいメリハリになったと思う。
 反省は、洋楽系の曲を第3ステージで歌えなかったこと。少ないながらも候補曲はいくつかあったが、ちょっと気持ちに余裕を欠いた。

 多少の反省点はあったが、マンネリ化しやすい3回目のコンサートを、「ほとんど告知なし」という難しい条件下で、無事に乗り切った。歌った曲数も24で、これまでと大差ない。
 終了後、館長さんから4回目のコンサートの打診。聞けば先週実施の別イベントより、遥かに集客がよかったらしい。ありがたいことに、もう少し続けられそうだ。