9月に某デイサービス秋祭りライブでお会いしたアコーディオン演奏のNONOさんから、ときどき依頼されるサ高住のXmas会でいっしょに歌っていただけないか?と誘われた。当初、ハンドベル演奏とのコラボを企画していたが、スケジュールの都合でキャンセルになったらしい。
いわばピンチヒッターの位置づけだが、お会いしたときに名刺を交換し、何かあればお手伝いしましょうと約束していた。幸いにスケジュールも空いていたので、お受けすることに。
施設は市内の東端に位置し、自宅からはかなり離れている。グーグルマップで裏道を探し当て、この時期にしては珍しく路面に雪が全くないという幸運にも恵まれ、わずか30分強で到着した。
イベントの開始まで30分近くあったので、コラボ演奏する曲に関し、簡単な音合せをする。互いの演奏の受け渡しタイミングに関しても、細かく詰めた。その後、会場となるホールに機材をセット。いつでも始められる準備を整えた。
13時35分くらいから施設側のイベントが始まる。Xmasソングの合唱などあって、13時50分から演奏開始。打合せでは14時ちょうどの開始のはずが、10分も巻いてしまった。どこかで調整が必要だったが、まずは1番手のNONOさんの演奏が始まる。
NONOさんは入居者が座るホールの真ん中で歌いたいという希望があり、わずかなスペースに椅子とマイクスタンドを置く。マイクは施設側の無線マイクを使った。
童謡を10分、懐メロ系を10分やって、14時10分くらいから私にバトンタッチ。私の立ち位置はクリスマスの看板やツリーが置かれているメインステージで、PA一式は持参のものを使用した。
前回のライブで接触不良を起こしたPAだったが、その後入念に調整を重ねたこともあり、今回は全く問題なく機能。持ち時間の20分で6曲を歌う。
「三百六十五歩のマーチ」「365日の紙飛行機」「二輪草」「バラが咲いた」「瀬戸の花嫁」「まつり」
開始早々から施設長さんを始め、職員さん総勢で仮装や手拍子、各種パーカッションで賑やかに場を盛り立てていて、私が歌い出すころには場はすっかりこなれて、お祭りモード全開。私はただその波に乗ればよいという、これ以上ない楽な進行だった。
曲調を問わず、全曲に手拍子やパーカッションが入るので、私も乗り遅れてはならじと、「この曲はこんな感じで手拍子を打ってください」と、曲の前にワンフレーズ歌ってお手本を示す念の入れよう。
私の歌に歌詞カードはなかったが、途中でいっしょに歌い出す人がかなりいたので、何曲かは歌いながら歌詞指導をしつつ進めた。
1〜2曲目は「365」シリーズと洒落たもの。5曲目は「瀬戸の花嫁」「星影のワルツ」「浪花節だよ人生は」の三択から、会場の拍手で決定した。意外にも叙情系の「瀬戸の花嫁」で決着。「バラが咲いた」の感触も悪くはなく、叙情的な歌も好まれる。何事も決めつけは禁物だ。
ラストの「まつり」はサンタの扮装をした職員さんの得意曲ということで、無線マイクを使って一緒に歌った。打合せなしだったが、これがぴったり合って、会場は拍手喝采。
私の持ち時間が終わって、予定ではラストにXmasソングを歌って終わることになっていた。しかし、時計はまだ14時半過ぎで、充分に余裕がある。
すると突然NONOさんが、「トムノさんの伴奏で生オケやりましょう!」と、打合せにない提案をする。生伴奏は弾く側も歌う側も難しいもので、ちょっと戸惑った。何でも弾けるわけではないですよ、と釘を差す。
NONOさんが歌う人を場内から探し始め、入居者の方をあたるが、応じる人は皆無。一緒に歌うのはいいが、前に出てマイクで歌うのはどうも…、といった雰囲気だった。
ちょっと間が空いてしまい、妥協案として職員さんに歌ってもらうことになる。無難な選択だったが、今度は歌う曲が決まらない。候補にあがる曲は私が弾けなかったり、職員さんが歌えなかったり…。
そんなやりとりで場がゆるんでは本末転倒なので、歌詞カードの準備があった「青い山脈」でいきましょう、という妥協案で最終決着。
ここで10分近くが経過し、間延びはしたが、結果としてほどよい時間調整になった。
ラストは打合せ通りに、私のリードで「きよしこの夜」「ジングルベル」を続けて歌い、その後はNONOさんのリードで「ふるさと」「知床旅情」を全員で歌って、大団円となる。
終わってみれば、ちょうど1時間が経過。終盤で「ちょっと休憩入れて」という入居者の声も一部に上がったが、職員と入居者、そして演奏ボランティアの三者が一体となった、ちょっと珍しいイベントを体験した。