2015年12月17日木曜日

歌って踊って泣き笑い

 怒涛のXmas連続ライブの第1弾が近隣のデイサービスであった。昨年夏にネット経由で依頼されてから、今回が4度目の依頼。いつも賑やかに場を盛り上げてくれる職員さんと、ノリのいい利用者さんが特徴的な施設である。
 Xmasライブの依頼は初めてだったが、その特徴は継承されていた。冬場の午前11時開始という、声の出にくい難しい条件だったが、そんな不安を吹き飛ばすような拍手・手拍子・歓声が1曲目から湧き上がる。そのノリで13曲45分間を駆け抜けた。
「ウィンター・ワンダーランド」「憧れのハワイ航路(リクエスト)」「二輪草」「ソーラン節」「知床旅情」「二人は若い」「365日の紙飛行機」「まつり」「吉幾三リクエストタイム〜雪國」「テレサ・テンリクエストタイム〜時の流れに身をまかせ」「月がとっても青いから」「リンゴの唄」「旅の夜風(アンコール&リクエスト)」


 クリスマスなので、衣装は久しぶりに赤のセーターを着用。アクセントとして、黒系のバンダナとストールを使った。繰り返しになるが、非日常を演出するアイテムとして、衣装は重要である。

 1曲目はそのXmasソング。直前の施設側イベントで「ジングルベル」を全員で歌っていたので、重複の少ない曲を選んで正解。2曲目は施設名称に沿った、いわば「テーマソング」のような位置づけで、季節によらず、必ず冒頭で歌うよう要請を受けている。
 どちらも手拍子の出やすい曲で、場は一気に盛り上がった。
 そのノリのまま、どんどん歌い進む。一緒に歌う人はもちろん、途中で踊り出す人も続出。そんな状態が8曲目の「まつり」まで延々続いた。
 歌い手として、反応の弱い静まり返った場より、賑やかに乗ってくれる場のほうが遥かにやりやすいもの。当初はその元気過ぎるノリに戸惑う場面もあったが、4回目ともなると、掛け合いで上手に場をさばくことにも慣れてきた。


 9曲目で少し間をとって、吉幾三のリクエストタイムという趣向をこらす。カラオケで上位を占める「酒よ」「雪國」「酔歌」「津軽平野」のうち、会場の手拍子で歌う曲を決めたが、圧倒的に多かった「雪國」に落ち着く。
 バラード系の悲恋の歌なので、この歌が始まると賑やかだった場がシンと静まり、涙を流す人が続出。それまでの喧騒のこともあり、最初は場を演出するための「ウソ泣き」かと疑ったが、職員さんがあわててテッシュを取りに走ったことで、演出ではないことを知る。
 45分間をずっと手拍子歓声では疲れるので、中程のいい熱さまし、そして休息になった気もした。

 続く10曲目の「テレサ・テンリクエストタイム」では、「愛人」「空港」「つぐない」「時の流れに身をまかせ」の4曲から希望を募る。「つぐない」と「時の流れ…」が競り合ったが、僅差で「時の流れ…」の勝利。
 他の施設でも同様の趣向を試みたことがあるが、やはり「時の流れ…」が強かった。たとえ場は変わっても、高齢者の嗜好に大きな隔たりはないようだ。
 先方の要望通り、40分ぴったりで事前に提出したセットの12曲を歌い終えたが、熱くなった場は簡単には冷めない。自然発生的にアンコールが飛び出し、会場からあがった声をもとに、「旅の夜風(愛染かつら)」を歌った。

 終了後、多くの方々から感謝の声をかけていただく。歌い手冥利につきる時間だった。信じ難いことに、会場でライブをたまたま観ていたという関連施設の方から、「私の施設でもぜひ歌って欲しい」とのオファーが施設長さん経由で届いた。
 これまたありがたい話なので、年末のスケジュールに比較的余裕のある日に、歌わせていただくことが急きょ決まる。
 これにより、年間ライブ数は予定分を含めてキリのいい70本に到達。こんなふうに慌ただしく今年も暮れてゆく。