2015年12月23日水曜日

「チカ☆パ・コンペ」で苦戦

「チカ☆パ・コンペティション」と称する、チカチカパフォーマー限定のイベントが初めて開催された。オーデションに合格したパフォーマーが互いにその技を競い合い、優勝者には賞金3万円のほか、チカチカパフォーマーの「顔」として、パンフレット等に写真がむこう1年掲載される。
 場所や開催要項はオーデションと同じで、審査には一般市民も加わるのが特徴だ。

 パフォーマーが交流するお祭り的なイベントは、かねてからあればいいと考えていた。12月は殺人的なスケジュールに忙殺されていたが、せっかく事務局が設けてくれた機会でもあり、熟慮のすえに参加することにした。


 開催日は12/23(祝)会場は北3条広場と早くから決まっていたが、エントリーの締切は2週間前。パフォーマーにとってはクリスマス直前の「稼ぎどき」の時期だったが、結果的に10組がエントリーした。
 内訳はジャグリングに代表される大道芸ジャンルが大半で、ダンス系、縄跳び系、音楽系が各1組。音楽系は私だけのエントリーで、そもそも現在のチカチカパフォーマーに弾き語り系は私一人しかいない。
 まさに「異端の人」の状況だったが、勝ち負けに対する野心は当初からなく、ただ参加することに意義を見いだす無欲の心境で臨んだ。
 タイムテーブルは二転三転したが、私は2番という早い出番に決まる。苦手な午前中開始で、しかも後半が昼食時間にかかるという悪条件。
 80席ほどの椅子が最初から並んでおり、休日でいつものチカチカパフォーマンスとは客層も大きく異なるので、構成は練りに練った。


 1番のジャグラー・コーヘイさんが無難にオープニングをまとめ、イベントの気分を一気に盛り上げる。その雰囲気を大きく外さないようにしなくてはいけない。
 入れ替え時間は2〜3分で済み、マイクやエレアコの音量調整も短時間でOKとなった。ほぼタイムテーブル通りに11時41分から開始。およそ24分で8曲を歌った。

「ウィンター・ワンダーランド」「季節の中で」「夜霧よ今夜も有難う」「オー・シャンゼリゼ」「赤鼻のトナカイ(リクエスト)」「あわてんぼうのサンタクロース(初披露)」「天使のウィンク」「また逢う日まで」

 各自の持ち時間は入替えを含めて30分だったので、短めで聞かせどころがあり、しかもジャンルがバラけた曲を慎重にセレクト。さらには「祝日の昼間で、クリスマス直前」という条件から子供が多いことが予想されたので、それらも意識した。
 進行の方が簡単にプロフィールを紹介してくれ、そこではリクエストを募っていることにもふれていた。
 マイク前には前日に急きょ作った自立式のリクエスト用紙スタンドも立ててあったが、普段の通りすがり相手と違って、歌に関心を持って立ち止まり、そこからリクエストにつながる、という流れにはならない。MCで案内しても、席を立ってリクエスト一覧を取りにくる方は皆無だった。


 1曲目に賑やかなXmasソングを歌ったが、場の気分を一気に変えるには程遠く、自然発生的な手拍子もおきない。応援してくれるサポーターの類いは一切頼んでなく、苦戦を覚悟したが、幸いに客席を7〜8割ほど埋めた方々は終始静かに聴いてくれていて、歌い進んでも席を立つ方はほとんどなかった。

 かといって、通りから歌を聴きつけて席につく方もあまりいない。そんな膠着状態を打開するべく、5曲目でXmasソング限定のリクエストを会場から募る。
 最前列に子供が数人座っていたので、「何かリクエストある?」と問いかけた。目の合った男の子に「そこの赤いジャンパーの君、どうですか?」と振ると、一瞬首をかしげる。後ろに座っているお母さんらしき方が、何かささやいている様子。すると「赤鼻のトナカイ」との声。やっと出てくれた。
 これに勇気を得て、さらなるXmasリクエストを募った。実は前日に「あわてんぼうのサンタクロース」「ホワイトクリスマス」の2曲を急きょ会得し、合計9曲のXmasソングを準備していた。いっそ全曲をクリスマスでまとめようかと一時は考えたほど。
 しかし、あとが続かない。ここは無理をせず、つい先日チカホで出たXmasソングリクエストの逸話を披露しつつ、「あわてんぼうのサンタクロース」を自主的に歌う。子供向けの歌なので、場の気分には合っていた。

 ラストは最近介護施設でしばしばやっている、得意の「三択リクエスト」を試みる。思惑通りにリクエストが出ない場合を想定しての切り札だったが、ここではPOP系昭和歌謡で仕掛けた。
「ブルーライト・ヨコハマ」「つぐない」「また逢う日まで」の3つで聴きたい曲を場内の拍手で募ったが、およそ3:3:4ほどの割合で、各曲が僅差で競り合う。どれを歌ってもいい感じがしたが、微妙に拍手の多かった「また逢う日まで」で決着とした。


 場を自分のペースに持ってくるのに、かなりの苦戦を強いられたが、後半はそれなりに盛り上げた。終了後の拍手も熱くて長く、「ありがとうございます」を2度続けたほど。
「三択リクエスト」はこの種の場でも充分使える。これが分かっただけでも、この日のイベントに参加した意味は充分にあった。

 しかし、一発で場の気分を変える力量には欠ける非力な自分もまた再認識した。結果論だが、中高年の姿がまばらだったので、「夜霧よ今夜も有難う」は万人受けする「エーデルワイス」に差し替えるべきだった。
 終了後は翌日以降のライブ準備のため、いったん自宅に戻る。夕方5時に再度会場に出向いて審査結果発表に立ち会ったが、優勝は第8期から活動している若手ジャグラーの方だった。

 3人のプロ審査員の持ち点が各20点で、4人の市民審査員の持ち点が各2点。総合計は68点だが、優勝者は10点を獲得したという。それでも頭ひとつ抜けていた、という講評だった。
 他の得点は公表されなかったが、かなりバラけていたのかもしれない。審査員の自分への評価が大いに気になるので、希望者にはメールでこっそり教えてもらえないだろうか。