ひとつは買ったばかりの模型用塩ビ板で作ったフラットピックの割れ。使い始めてわずか4日で、それまでの使い心地は悪くなかったので、かなりショックだった。弾いた曲数の累計は50曲ほどか。これでは市販のピックと大差ない。
ほぼ同時に、ギターの弦が切れるという不測の事態が起きた。ピックの割れはよく起こるので驚かないが、ギターを弾き始めて40年余、弦が切れたことは過去に記憶がない。
切れたのは3弦。中央の鉄芯は無事だが、周囲の巻き弦がサウンドホールあたりでプッツリ切れている。音が全く響かなくなり、最初はカポが単に甘くなったのか?と思ったほど。前回替えてから3ヶ月が経過していたが、切れることは想定外だった。
時間がなかったので、急きょ手持ちの弦セットから3弦だけを抜き出して交換。これがライブ中だったら慌てただろう。準備中の自宅で起きたことがラッキーだった。
不測の事態に備え、ピックやカポは常に予備を持参しているが、今後は予備弦一式も持参すべきかもしれない。
あとで調べてみると、3弦は1弦よりも鉄芯が細く、最も切れやすいという。もしかすると、ピックの割れたことと弦の切れたことに、何か関連性があるのかもしれない。ピックの耐用度に関しては、もう少しテストしてから結論を出したい。
トラブルは連発することが多々あるので、その日は事故を起こさぬよう、いつも以上に車の運転には気を配った。地下鉄のトラブルもなく、無事に会場に着いて通算100回目の路上ライブを終えたとたん、ついに3つ目の災難が…。
ライブ終了後に写真を撮ろうとデジカメをセットしていたら、風にあおられてマイクスタンドが倒れ、レンガ製の花壇にマイクがもろにぶつかった。演奏中は脚の部分を靴で押さえながら歌っていたが、その支えがなくなったせいだ。
マイク自体には問題なかったが、ケーブルとの接続部が脱落している。マイク内部にあるはずの接点とケーブルが外に飛び出してしまい、うまく収まらない。
(もしや音が出ないのでは…)と、一瞬あせった。慎重に接点部をマイク内に押し込み、PAにつないでテストしてみると、何とか音はでる。しかし、接続部が安定せず、すぐに外れてしまう。
緊急措置として、バック内に忍ばせてあるレスキューセットからビニルテープを取り出し、接続部全体をグルグル巻きにした。14時からのライブ第2弾は、これでどうにか乗り切ることができたが、全く冷や汗ものだ。
自宅に戻って弦をすべて交換し、マイクも修理。接点やコードの接続に問題はなく、マイク内にあるネジのストッパーが緩んでいて、それがぐらつきの原因だった。おそらくぶつけた際に外れたのだろう。
外側からネジを調整して固定し、擦り傷は黒マジックペンでタッチアップ。すでに10年も使い続けているマイクなので、今後は型番が全く同じシュアーの別マイクをメインで使うことにした。