年に一回ペースで招かれていて、今回が3度目。いわゆる「高くて険しい3度目の壁」を乗り越えた施設である。
会場も進行手段も過去2回と同じだったので、大きな戸惑いはなかったが、盛夏の開催は過去に例がなく、過去のライブレポを参照しながら、慎重にセットリストを決めた。
連日の30度を超す猛暑が一段落し、この日は比較的過ごしやすい陽気。しかし、冷房が効いてないこともあってか、施設内はかなり暑い。一昨年の6月誕生会でも暑かったと記載があったので、汗対策として作りたての木綿のバンダナを締めていって正解だった。
施設側の簡単なイベントがまずあり、ほぼ時間通りに12時35分からライブ開始。この施設では「アンコールを含めてピタリ30分」という厳密なルールがある。事前にFAXで提出済みのセットリストに従い、どこをどう省くか?を中心に、何度も練習して臨んだ。
「憧れのハワイ航路」「瀬戸の花嫁」「君恋し」「青葉城恋唄」「三百六十五歩のマーチ」「たなばたさま」「われは海の子」「旅の夜風」「夜霧よ今夜も有難う」「花笠音頭」「東京ラプソディ」「上を向いて歩こう(アンコール)」
会場にプログラムが配られていることもあり、曲順や曲目の変更は一切できない。無駄なMCは極力省いて進めたが、盛況だった前回(昨年4月誕生会)に比べて、この日は場の反応が非常に弱かった。あえて要求はしなかったが、自然発生的な拍手や共に歌うなどの手応えが、ほぼない状態。
6〜7曲目の夏の唱歌2曲は、予めプログラムの裏に歌詞を印刷し、一緒に歌う趣向だったが、ステージに届く声はごく小さいものだった。
聴き手はいつもと同じおよそ100名で、半分は通いのデイサービス利用者。新旧とりまぜた苦心の構成も、まるで空振り。ようやく反応らしきものが出たのは、終盤の「夜霧よ今夜も有難う」で、歌い終わる前に期せずして拍手が湧いた。
直後の「花笠音頭」「東京ラプソディ」では自然発生的な手拍子も飛び出し、「東京ラプソディ」のラストでは伴奏にかぶせて、「みなさまこれからもどうぞお元気で」とエールを贈ると、歓声が湧いた。
アンコールは事前の打合せで準備していたが、会場から飛び出した声に従った自然なもの。一時はどうなることかと危ぶんだが、ラスト近くになってようやく帳尻を合わせた印象。
苦戦した要因として、まず連日の猛暑で、聴き手がかなり疲れていた様子がステージ上からもうかがえたこと。寒さよりも暑さのほうが、特に北海道の高齢者には堪える。歌っている私自身も、自宅に戻ってどっと疲労に襲われ、夕方まで仮眠したほど。歌うことと同様に、聴く側にも気力体力が求められるものだ。
次にMCで場を和らげる余裕がなかったこと。全12曲は明らかに欲張りすぎで、多ければよいというものではない。11曲以下に減らすべきだった。
さらには、いつも中間あたりで歌う「幸せなら手をたたこう」を今回に限って省いたこと。前回も歌っているのでマンネリを避けたが、この曲は毎回でも歌うべきだ。聴き手をライブにいざなう得難い曲で、代替曲はいまのところ見当たらない。
あれこれ反省点はあったが、担当のNさんには「来年もまたぜひに」と喜んでいただけた。修正すべき点は次回に活かしたい。