そもそもいまの住まいを決めたのも、周辺環境がキャンプ場に近いイメージであったことが大きな要素。自ら設計した家も、「バンガローのような住まい」がコンセプトなのだった。
そんな家に住み始めて16年、かっては年に数回やっていた家族キャンプも、全くやらなくなった。なにせ「毎日がキャンプ」「毎日が非日常」の生活なのだ。あえてキャンプに出かける動機づけがなくなった。
しかし、長年かけて整えたキャンプ用具一式は、大半が捨てずに残してある。「床下収納」という膨大な収納空間があること、そして(いつかまたやる日が来るかもしれない…)という思いがどこかにあった。
思い返せば、家族5人での最後のキャンプが、確か25年ほど前のこと。月日が流れた。キャンプをやる日など、二度と来ないような気にも最近はなっていたが、人生は分からない。
予定は来月だが、まずは手書きで保存してあった「携行品リスト」を、PC用のテキストファイルに入力し直した。次に、長く封印してあったキャンプ道具を久しぶりに取り出し、不備がないかどうかをチェック。
キャンプの大きな問題点と煩わしさは、当日の天候とテント設営である。長男夫婦の休暇の都合で日程の変更は難しいので、小雨でも決行するつもりでいる。そんな事態に備えて、今回は初めてバンガローを借りることにした。
多少の雨でもやれるし、テント設営と撤収の手間が省けるのは大きく、畳敷きのベットがある施設なので、地面の上よりはよく眠れるはず。
多数ある携行品のうち、第一段階としてまず食器関連の備品を点検し、すべて洗い直す。使い終えると必ず洗っておいたが、25年の汚れを再度落とさねば。
あまりに大量にあるので、外のBBQコンロの上で乾燥させることにした。少しずつ買い足してきたが、最も古いものは16歳の夏に8日間の単独野宿自転車放浪旅行を企てた際、バイトの金で買ったコッフェルとアルミ製食器、そして水筒だ。
使いやすくするため、鍋に取手をつけたり、皿を蓋としても使えるようにしたり、改良を加えた跡が懐かしい。多少のへこみや焦げ跡はあるが、50年経ったとは思えないほど丈夫。まだまだ使えそうだ。
これらの備品を収納する袋も、大半が古着などをリメイクした手作り品。ライブ用の備品もそうだが、この種のグッズは手作りの要素を高めるほど愛着が湧き、そして使いやすくなってゆくものだ。
今後天気の様子を見ながら、テントや寝袋など、他の携行品の点検を順次すすめる予定。懐かしい夏が始まる予感。