屋外の駐車場を使い、ステージも特にないスタイルで歌う。幸いにカラリと晴れ上がり、予定より少し遅れて、13時10分あたりからステージは始まった。
手慣れた場所なので、特に気負うこともなく臨んだが、この日はなぜか聴き手のノリがいまひとつで、会場の人の動きもどこか落ち着きがなく、場をつかみきれないまま、歌い進んだ。
およそ25分で8曲を歌う。
「年下の男の子」「月がとっても青いから」「ブンガワン・ソロ」「旅の夜風(初披露)」「さんぽ」「のどか小唄(オリジナル)」「アロハ・オエ」「まつり」
場の反応があったのは、「年下の男の子」「さんぽ」「まつり」くらい。しかし、それすらとても「熱い手応え」とは言い難い。消化不良のまま、ライブは終わってしまった。
直後に始まった若いヘルパーさんと入居者代表の男性による「いっしょに歌おう」のコーナーでは、歌詞カードが配られて「北海盆唄」が歌われたが、打って変わってこちらは抜群のノリ。終わると「アンコール!」の声が飛び、同じ歌をもう一度歌うことに。
それでも場は納得せず、再度のアンコール。ヘルパーさんが困って、「もう準備がありません」。すると「なんでもいいよ」の声があり、入居者男性が得意な演歌を1曲歌って、ようやく収まった。
ある意味ではショックな結果である。聴き手は50〜60人ほどで、歌った場所や時間は例年通り。違っていたのは、PAを乾電池式の小型に変えたことくらいだが、ヘルパーさんたち2人はPAなしのノーマイクで歌っていたので、音響は関係ない。
奢りや気の緩みはなかったと自分では思っているが、「聴かせる」という気持ちがどこかにあって、それが場にマイナスに働いた可能性はある。同じ場で飽きられずに10年歌い続ける難しさもある。もしかすると自分のスタイルそのものが、この施設には合わなくなってきているのかもしれない。
少し頭を冷やして考えてみたい。