2014年8月8日金曜日

アカプラパフォーマンス3

「アカプラパフォーマンス(仮称)」の3日目に参加。この日が最後の実証試験日で、初めて17〜20時の夜枠を試す予定になっていた。

 予報では午後から次第に晴れるはずで、そのつもりで準備していたが、15時ころに事務局から突然の連絡がある。
 都心は土砂降りで、このままだと夕方のパフォーマンスは難しいかもしれない、とのこと。北へ10キロ離れた我が家周辺に雨の気配は全くなく、どうやら雨雲が局所的に都心を襲っているらしい。
 ひとまず自宅待機していたら、ほどなくして再度のメール。雨が上がったので、やる方向でお願いしたいとのこと。ただちに機材を積み込んで、16時に家を出た。
 この4日間、雨には振り回され続けているが、最初の日のように、ずっと降り続く雨なら予定も立てやすいが、猫の目のように変わる空模様だと、気持ちの持ちようが非常に難しい。


 ともかくも会場に入って、機材のセットを始めた。この日はパントマイムのトイシアターさんとの共演で、準備の都合で私が先に演ることになる。

 東端の巨石の横に地元テレビ局のお天気生中継が準備中で、時間が重なるので、できれば少し離れて設営して欲しいとの要望。今日の昼枠パフォーマンスは中央付近でやったとの情報も得たので、同じ場所で準備していたら、突然大粒の雨が落ちてきた。
 雨はまたたく間に本降りとなり、とても歌どころではない。急きょ機材をたたんで、チカホに降りるビル出入口に避難した。雨は一向に止む気配がなく、いったん事務局のあるビルに移動して様子を見ることに。
 共演のトイシアターさんは、機材が濡れると損害が大きいとのことで、この日のパフォーマンスは断念。私も雨の中では演れないが、電子譜面とPAの簡易雨よけは持参していた。小雨程度ならどうにか演れる。

 そのまま待つうち、17時50分ころにパタリと雨が止む。ベンチは濡れていて座れないが、レンガ通りは水はけがよく、大きな支障はない。演奏中に再び雨が降り出すリスクはあったが、自己責任で18時から歌い始めることにした。


 共演者のいないソロライブとなったので、雨が再び降りだしたときが打ち切りと決め、そのむねMCで告知しつつ、歌い進める。
 断続的な豪雨の直後とあって、通りを往く人の姿はごく少ない。ベンチに座る人は皆無。あたりは次第に暮れてくる。そんな悪条件のなか、前日に手応えのあった洋楽を中心に、延々と18曲をノンストップで歌い続けた。(※はオリジナル訳詞)

「ボラーレ※」「サンタ・ルチア」「ラ・メール」「詩人の魂」「ブンガワン・ソロ」「エーデルワイス」「サン・トワ・マミー」「さくらんぼの実る頃」「レット・イット・ビー※」「End Of The World※」「ケ・セラ・セラ」「夕凪ワルツ(オリジナル作詞)」「想い出のソレンツァラ」「悲しき願い」「Godfather 愛のテーマ」「ろくでなし」「帰れソレントへ」「オー・シャンゼリゼ」
 歌い進むうち、周囲はどんどん暗くなってきたが、雨が再び降り出す気配はない。事務局の担当者が記録写真を撮りにやってくる。機材を片づけ、ひと休みしたトイシアターのお二人も途中から現れ、照明や人の流れなどを観察している様子。とにかく初めての夜枠なので、多方面から問題点を探る必要がある。

 通行人は断続的に現れるが、立ち止まる人は少数。昼間のように休憩をかねてベンチに座るという状況がないと、集客的にはかなり厳しい感じだ。それでも何人かの方から、暖かいお気遣いをいただいた。ありがとうございます。


 ふと気づくと、時計は19時を回っている。ずっと立ち会ってくれたトイシアターさんから、「暗くて表情が見えにくい。街灯に向かって歌ってみて」との要望がでる。
 この日は通りの完全な中央に立ち、旧北海道庁を背にして東を向いて歌っていた。つまり、昨日とは180逆転した位置だ。街灯は南北のベンチに沿って立っているので、光は顔に当たりにくい。
 そこで90度北側に転回し、照明の正面に立つ。試験的にさらに4曲歌った。

「カサブランカ・ダンディ」「ジョニィへの伝言」「ブルーライト・ヨコハマ」「そっとおやすみ」
 やはり街灯を正面に見て歌うほうが、パフォーマンスとしては向上するとの判断だった。日が暮れると人は激減するので、北側南側いずれかの街灯近くに向かい、背面は捨ててパフォーマンスするのが正解かもしれない。
 現時点では工事中だが、南側にあるオープンカフェが開店すれば、おそらく夜営業もやるはず。そうなればまた人の動きが変わる。まだまだ試行錯誤は続く。


 19時30分で全実証試験が終了。結局雨は最後まで降らなかった。休憩なしで22曲を歌い続けたが、喉や左手に異常はなく、まだ余力があった。

 半分は責任感のような気持ちで参加したが、新しい試みに参画するのは大変である反面、なかなか楽しいことでもある。うまく運ばない状況下での修正力にも、自信を持てた。刺激的で収穫の多いイベントだった。