先月末に事務局から突然打診があった「アカプラパフォーマンス(仮称)」の初日に参加。普段チカチカパフォーマンスをやっているチカホが、7月下旬から札幌国際芸術祭の会場として使われていて、10月まで演れない。
代替会場として、7月下旬に新規完成した「アカプラ」(旧北海道庁と札幌駅前通をつなぐ道をレンガ敷にした歩行者専用広場)が以前から候補に上がっていたが、まずは手始めに5組の特別枠活動者で実証試験を試み、集客等の様子と問題点を探るという。
打診が急だったこともあり、参加可能のパフォーマーは3組のみ。互いに都合のいい時間をやり繰りし、天気の様子もみながら、まさに「手探り」でパフォーマンスを実行する運びとなった。
「アカプラ」には、完成2日目に下見に訪れている。そのとき西側にあったサントリーの仮設店舗はなくなっていて、通りは広く、そしてまっすぐに赤レンガ旧道庁へと向かっている。
本当は前日が初日のはずだったが、あいにくの雨で中止。チカホと違って雨風の影響がモロにくるので、大半のパフォーマンスは雨天中止となるだろう。ここが地下会場と比べて、最も辛い部分か。
昼枠は12〜13時、夜枠は17〜20時と時間制限があり、騒音等の扱いは、チカチカパフォーマンスと全く同じである。
この日はジャグラー・コーヘイさんとの共演だったが、都合で2人とも昼枠のみの参加。つまりは、互いに30分ワンステージのみということになる。
先着のコーヘイさんからパフォーマンス開始。雨は落ちてこないが、曇天で暗く、いまにも降り出しそうな空模様。休日だった下見のときとは雰囲気がかなり違っていて、通りを往く人や備えつけのベンチに座る人は少ない。
それでもMCで告知しつつ進めるうち、小さい子供を中心に、少しずつ人が集まってきた。子供が来れば、引率の親もやってくる。終了時には、およそ30人ほどの集客となった。
ステージは広場やや東よりの南側ベンチ前、1階店舗が工事中のビル街を背にして設営したが、私が歌い始めようとすると、雨がポツポツ落ちてきた。予報では夕方から雨だったが、外れたらしい。
この日はもうひとつ不測の事態が起こっていて、電子譜面の調子が悪かった。直前の自宅リハでは問題なかったが、スリープから復帰させると画面がチラついて、勝手に別のファイルやソフトが起動したりする。
再起動を数回かけても回復せず、電子譜面はあきらめて、持参した予備の紙譜面を電子譜面ホルダーにクリップではさんで歌うことにした。
いざ歌い始めると、声が全く聴き手に届かない感覚に襲われた。この場所では2年前の実証試験でも一度歌っているが、そのときは旧道庁を背にし、ステージ前には臨時に並べられた椅子とテーブルがあった。イベントライブだったので、駅前通りを往く人に声をかけるスタッフもいた。
しかし、今回は完全な路上パフォーマンスの位置づけである。「客席」に想定した北側ベンチに座る人との距離が遠すぎ、音で勝負する私のようなパフォーマーには、かなり条件が悪かった。音量制限があるので、むやみに音を大きくするのは厳禁である。
昭和歌謡を中心に歌ったので、小さな子供とその親はそそくさと立ち去り、その場に残った人はごくわずか。
それでも間近に近寄ってきて、熱心に聴いてくれる方もいた。椅子がないので、地面の上に直接座っている。いつものように適当に会話しつつ進めていたが、そうするうちに雨脚がだんだん強くなってきた。
少しばかり聴いていた人たちも、この雨でじわじわと姿を消した。たとえ小雨でも、雨が降ると路上ライブはやれない。予定より1曲減らし、およそ25分でステージを終える。結果として以下の7曲を歌った。
「時の過ぎゆくままに」「ジョニィへの伝言」「少年時代」「ブルーライト・ヨコハマ」「時の流れに身をまかせ」「涙そうそう」「青春時代」
何とも厳しい初日となったが、反省点としては、ステージの位置を東端の巨石(国際芸術祭の参加作品)を背にした、通りの中央にするべきだったかもしれない。
音が左右のベンチに均等に届き、聴き手との距離は半分になる。人通りが比較的多い駅前通りにも、ある程度音は聞こえるはずで、そこからの集客が期待できる。
実証試験の日程は明後日までだが、あいにくの愚図つく空模様で、次回いつやれるかはっきりしない。チャンスがあれば洋楽の構成もぜひ試してみたい。