母の施設には13時ちょうどに到着。30分ほどいつものように昔話を中心とした雑談を交わす。私の知らない50年以上前の事実を母が未だに覚えていて、驚かされた。数分前に話した些細なことはすぐに忘れてしまうが、かなり昔のことは部分的に非常に鮮明に覚えている。人間の記憶の不思議。
30分ほどで切り上げ、その足でチカホへと向かう。14時に事務局に到着。入口で共演するトイシアターさんとばったり出会い、2種類ある看板を手分けして運ぶことに。
第5期から広場出入口に掲示する市民むけの注意書き看板が、これまでのイーゼル式からコンパクトな折畳式に変わった。パフォーマーの真横に置く「パフォーマンス中!」の黄色い看板と同じサイズだが、色がなぜか5種類ある。
今回はオレンジを選択したが、前回は緑。いずれ全5色を制覇しよう。
話し合いのすえ、最初は私が演ることに決まる。準備にやや手間取り、14時23分から第1ステージ開始。およそ27分で以下の7曲を歌った。(◎はオリジナル)
「アメイジング・グレイス」「パープルタウン」「雨ニモマケズ◎」「風来坊」「つぐない」「抱きしめて◎」「サ・ヨ・ウ・ナ・ラ◎」
6日前の北大通広場での構成とほぼ同じだが、今回は苦手な北3条広場。会場が大きすぎて音が通りに届きにくい。
実は先週のチカチカパフォーマンスで、「音が大き過ぎる」との指摘が一般市民からあったという。直後のパフォーマンスなのでPAの音は絞らざるを得ず、普段の70%くらいで演った。そのせいかどうかは分からないが、この日は人の集まりが非常に悪かった。
4曲目の「風来坊」で少しずつ立ち止まる人が増え、ピークに達したのは何とオリジナルの「抱きしめて」である。前回と違ってラストの「サ・ヨ・ウ・ナ・ラ」ではやや減らしたが、オリジナルの集客がカバー曲を凌いだことを素直に喜びたい。
終了後、熱心に耳を傾けていた中年女性がつけていたマスクを外し、親しげに近寄ってくる。よく見ると昨年コンサートで2度ご一緒したクラシック歌手の清水紫さんではないか。紫さんには昨年末のチカチカパフォーマンスでも偶然お会いしている。よくよく縁のある方らしい。
トイシアターさんのパフォーマンスをはさみ、15時33分から第2ステージ開始。およそ25分で以下の9曲を歌った。
「恋心」「ドミノ」「サン・トワ・マミー」「サンタルチア」「河は呼んでいる」「ケ・セラ・セラ」「月の沙漠」「独り◎」「ろくでなし」
第2ステージの構成は久しぶりにシャンソン中心の洋楽にしてみたが、人の集まりに大きな変化はなく、広場に置かれた10席ほどの椅子に座った人々が主な聴き手である。月曜ということで、通りを行く人々の足取りは一様に早い。皆向かう場所が決まっていて、歌に耳を傾ける余裕もないような印象だ。
それでも熱心に聴いてくれる方はいて、終了後に「素晴らしかった。ぜひ握手を」と中年女性に求められた。今年になって握手を求められたことはこれで2度目。プロではないので、正直握手は苦手である。しかし、拒むとトゲが立つので、やむなく応ずる。
当初は2ステージでやめるつもりでいたが、この日はなぜかCDが1枚も売れない。場の反応はまずまずなのに、市民の財布のヒモは相当固い。先週とよく似た傾向である。ちょっと意地になり、時間ギリギリまでねばって第3ステージを珍しくやることにした。
16時42分から開始。およそ23分で以下の7曲を歌った。
「いちご白書をもう一度(初披露)」「あてもないけど」「風」「心もよう」「白い冬」「サクラ咲く◎」「ダスティン・ホフマンになれなかったよ」
第3ステージの構成は、これまた久しぶりのフォーク。場の反応は第2ステージによく似ていて、椅子に座って熱心に聴いてくれる少数の人々が主な聴き手である。
終了後にていねいに挨拶をしてくれるなど、反応は熱かったが、やはりCDは売れない。昨年10月にオリジナルCDの頒布をチカチカパフォーマンスで始めて以来、ついに売上げゼロを記録してしまった。
場の反応はさておき、CDの売上げに限れば、冬の時代が到来した印象がする。消費税が2段階で上がり、年金が3段階で下がる。電気代はすでに上がっている。これらが、ごく短い期間にまとめて実施される。娯楽にかける庶民(特に中高年)のお金は、節約に走らざるを得ない。冬は当分続くだろう。