前者は8月末に出来たばかりだが、その後9月の敬老ライブの嵐に忙殺され、歌い込みが不足していた。
「テレサ・テンがもし生きていたら、こんな歌をきっと歌っていただろう」という、個人的な嗜好で作った昭和歌謡的シリーズの第3弾。朝の微睡みの中でふっと湧いた曲だが、自分で作っておきながら、やたら展開が難しい。
いろいろ試してみた結果、キーを半音上げて歌ってみたら、なぜかしっくりくる。過去にも似た経験を何度かしているが、わずか半音でもキーは私にとって重要なファクターらしい。
この曲、何と「サヨウナラ」を23回も繰り返している。美しい響きのある日本語だが、さすがに23回は多すぎるだろうと、いったん減らしにかかったが、いざやってみると、削る箇所などどこにもない。
減らすのは諦め、それぞれの「サヨウナラ」の歌唱法を微妙に変える手段に変更。成功しているかどうかは分からないが、近いうちに人前で歌ってみたい。
「雨ニモマケズ」は宮沢賢治の詩に曲をつけたのが、8年も前のこと。以降、いろいろな場で歌ってきて、昨年9月に作ったオリジナルCDにも入れた。
CDを買ってくれた方やチカチカパフォーマンスで、一部の方には熱い支持を得ていたが、ずっと心に引っ掛かっていたのが、原詩の一部を省略して歌っていたこと。
全部歌うと長くなり過ぎることが主な理由だったが、故あってフルバージョンも完全なものにしておく必要がでてきた。
作った当初、ぼんやりしたイメージでフルバージョンのメロディも頭にあったので、今回それを具体的な形にした。
思っていたよりも作業は順調に進み、ショートバージョンである「雨ニモマケズ抄」のメロディはそのままに、省略した詩にごく自然にメロディを挿入する形で完成。歌唱時間は4分を越えたが、ぎりぎり許せる範囲であろう。
何より、これまで心の内にあった、ある種の後ろめたさのようなものから解放された気がする。状況に応じ、2種類の「雨ニモマケズ」を今後歌い分けようと思う。