2011年3月17日木曜日

何もしない

 日本ハムのダルビッシュ投手が被災地に5000万円もの浄財を寄付するらしい。地元北海道チームの選手なので以前から応援していたが、ますます好きになった。
 もっと高い年棒をもらっている日本人大リーガーも多数いるが、いまのところ誰も寄付を申し出ていない。ただ口で心配するだけなら、子供でもできる。日本人としての誇りと気概を持っているなら、具体的な行動をぜひとって欲しい。

 彼は地震直後から、「日本の危機に、野球などやっていられない」「野球で励ますという論理は詭弁で、まだそんな時期ではない」とコメントし、開幕の順延を強く訴えていた。
 まだ弱冠24歳だが、人生で目指すものが違うのだろう。被災地の心情など委細構わず、身勝手論理で強引に開幕に踏み切ろうとするどこぞの老害オーナーとは、人間の器が違う。
 地震で皆がやる気をなくしているのかと思っていたら、昨夜遅くに急ぎの仕事が首都圏の取引先から入った。停電にもめげず、それなりに企業活動は続いているようだ。
 終日どこにも出かけず、粛々と仕事にまい進した。時期外れの寒波で室温は日中でも20度を切ったが、被災地の人々の心情を思いやり、灯油節約の意味もあって、夕方5時まで暖房を点けずに過ごした。

 明日で地震後1週間となり、テレビもじょじょに日常番組に戻りつつあるが、当分は外に向けた華美なイベントには興味が湧かないし、参加する気にもなれない。しばらくはチャリティーに名を借りたイベントも含め、「無用なエネルギーを消費する特別な活動は何もしない」を社会全体で徹底してはどうだろうか。
 Jリーグはすでに3月一杯の公式戦中止を決めた。その流れからすれば、センバツ高校野球は当然中止、プロ野球も4月以降開幕が被災地を中心とする国民感情に沿ったものだろう。
 自然保護活動にも似た側面はあるが、時に「何もしないこと」が、最も適切な行動であることは少なくない。