2011年3月12日土曜日

地震より怖い津波

 仕事は昨夜未明に納めたので、今日は終日テレビに張り付いて地震映像を眺めていた。真横には1階に移動したばかりのノートパソコンも置き、併行しつつ情報チェック。
 いくつか気づいたことがあったが、この地震を10年前に予知していた東北大学の地質学教授がいて驚いた。869年に今回と同じ三陸沖で起きた「貞観津波」という災害を調査し、過去3度に渡って同じ地区で同じような災害が800-1100年毎に繰返し起きているという事実を、堆積地層からひも解いている。
 前回の869年からすでに1100年余が過ぎ、「同じ災害がいつおきてもおかしくない状況」と警告していた。

 当時はまだ人口の少ない時代だが、この地震と津波で1,000人の人が亡くなったと記録されている。
 映像を見て思ったが、建築学的配慮で住宅の耐震強度を増すことはできても、10メートルを超す津波の前には無力だな、とつくづく思った。真新しい家々がいとも簡単に波にさらわれてゆき、なすすべもない。
 地震も怖いが、もっと怖いのは、それに伴う津波だと実感した。
 地デジやBSの全チャンネルを通して、丸一日CMが全くないことにも驚いた。阪神大震災のときはどうだったろうかと記憶をたどっても、思い出せない。未曾有の災害なのでCMどころではないはずだが、NHKはともかく、民放はよくやっていると思う。

 原発に対する報道がいまひとつ信頼度に欠ける印象で、いただけない。爆発の瞬間の映像をBS4チャンネル(BS日テレ)だけが繰返し放映していたのは、好感がもてた。
「無用な不安感をあおってはならない」という意図は理解できるが、情報はきちんと公開しなくてはならない。
「原子炉から放射性物質が漏出した懸念はない」と枝野官房長官は会見していたが、直後の近隣民間人の無作為抽出調査で、全員(3人)が被爆を確認した、という矛盾。この放射性物質はいったいどこから?

 どっちにしても、今回の事故が今後の電力開発計画に大きく影響を及ぼすのは間違いない。政治と同じで、結局は国民の覚悟に関わってくるはず。
 工場や家庭の使用電力量に、今後何らかの制限が加わるかもしれない。たとえば食洗機や洗浄便器を使わない「節電耐乏生活」に、利便に慣れきった「文明人」が、果たして耐えられるのか?