しかし、モノはとことんまで修理して使い切るのが日頃のモットーなので、あり合わせの廃材を使い、自分で修理した。
その後も毎日2度のペースで延々使っていたが、最近になって妻が空焚きをしてしまった。このコーヒーメーカーには保温装置がついていて、毎朝欠かさずコーヒーを飲む妻が、すでに空になった容器の保温スイッチを入れたまま出勤する、という問題が発生した。
妻が出かけた数時間後に起きた私が気づき、あわててスイッチを切ったが、耐熱用に置いたタイルはかなり熱くなっていて、放置すれば火事につながりかねない事態。
空焚きは今回が初めてでなく、過去にも数回あった。いずれも大事には至らず、対症療法として下に置いた耐熱タイルで何とか凌いでいたが、これから二人とも年をとるばかりで、このままでは危険である。打てる手は早めに打たねばならない。
2台あるボイラはFF式。電気ストーブはなく、台所の熱源は炎の出ないIHヒーターで、万一の空焚きにも30分で自動オフになる安全装置がついている。家の中でタバコを吸う者はなく、コンセントプラグ類には、すべてトラッキング火災予防措置が施してある。
1-2階には熱や煙に反応する感知器も設置済みで、現時点で防火に関して漏れがあるとするなら、このコーヒーメーカーだけだった。
いろいろ調べたすえ、珈琲を落とし終わったあとに電源自動オフの仕掛けがあり、味がよくて安い。こんな条件にぴったりのメリタ製コーヒーメーカーをネット通販で買った。送料こみで5,000円弱。ネットでの評価も非常に高い。
ポットがステンレス製保温式になっているので、電源が自動で切れたあとも、1時間は暖かさを保ってくれる。この間電気代はかからず、蒸発による味の劣化もない。縄文的生活にはピッタリの機器ではないか。
色は年齢や風水を考慮し、思い切ってローズレッドを選択。台所の家電は黒や白ばかりなので、パッと明るく映える。
さっそく日々使っているが、これまでと違って味に丸みがあり、手で入れるのと遜色ない。保温を保つため、蓋や本体のセットがこれまでより厳密になったが、ガラスポットのように割る心配が皆無なので、大きな瑕ではない。
古いコーヒーメーカーは年末最後の不燃ゴミの日に出し、ついにお役御免。よくぞ働いてくれたが、十二分に元はとった。またひとつ新しい時代の始まりである。