2010年12月18日土曜日

受け継がれるフォーク

 今年の仕事はもう打ち止めだと勝手に決め込んでいたら、昨夕に新たな急ぎの仕事が入った。年越しモードの頭を急きょ仕事モードに切り換え、今日はひたすらデータ入力に励んだが、依頼物件の屋根形状が、これまで一度も描いたことのない古いアメリカンスタイルの入り組んだもの。手こずるうちに、夕方の外出時間が迫ってきた。
 この日は19時からなじみの居酒屋で、若い音楽仲間「Hide&Tama」の初ライブがある。かなり以前に案内が届き、参加を快諾していたので、万難を排して行かねばならぬ。「義理は欠かれても欠かすな」である。

 早めの食事をかきこみ、18時に家を出る。あいにく昨夜来の雪で、道は完全に氷のダンゴ状態。うかつに飛ばすと、確実に事故る。慎重に運転し、普段の倍近くの50分近くもかかって会場に着いた。


 ほぼ定刻にライブは始まったが、聴き手は軽く20名を越え、盛況であった。本人たちはもちろん、ライブを強くバックアップしたマスターとママさんの尽力のたまものだろう。
 途中10分の休憩を挟んで、2度のアンコールを含み、合計2時間半近くの熱唱。60-80年代の懐かしいフォーク系の歌を中心に、全部で30曲近くは歌ったのではないか。
 二人は私の子供たちと同年代の夫婦ユニットだが、ブレのない伸びやかなTamaちゃんのボーカルと、Hideさんの卓越したギターテクニックが魅力である。
 実は二人はよく我が家に遊びに来ており、今年に限っても2度我が家のスタジオでミニライブをやっている。セットリストには知っている曲も多かったが、ギターのみならず、アコーディオンやハモニカ、タンバリンやマラカスなどを随所に取り入れ、構成が単調にならないよう工夫をこらしていた。
 我が家で初披露した、彼ら初のオリジナル「夢色の夏」も大きな場ではこの夜が初公開。タイトルは私の発案だが、当初よりも歌詞やアレンジがこなれた印象で、今後のオリジナルソング展開への確かな胎動を感じた。

 ステージを最前列で見ていて、フォークという比較的新しいジャンルの音楽は、脈々と若い世代にも受け継がれているのだなと、感慨深いものがあった。もしかすると、100年後にはシャンソンやボサノバのように、フォークが音楽の一ジャンルとして定着しているかもしれない。