この日は19時からなじみの居酒屋で、若い音楽仲間「Hide&Tama」の初ライブがある。かなり以前に案内が届き、参加を快諾していたので、万難を排して行かねばならぬ。「義理は欠かれても欠かすな」である。
早めの食事をかきこみ、18時に家を出る。あいにく昨夜来の雪で、道は完全に氷のダンゴ状態。うかつに飛ばすと、確実に事故る。慎重に運転し、普段の倍近くの50分近くもかかって会場に着いた。
ほぼ定刻にライブは始まったが、聴き手は軽く20名を越え、盛況であった。本人たちはもちろん、ライブを強くバックアップしたマスターとママさんの尽力のたまものだろう。
途中10分の休憩を挟んで、2度のアンコールを含み、合計2時間半近くの熱唱。60-80年代の懐かしいフォーク系の歌を中心に、全部で30曲近くは歌ったのではないか。
二人は私の子供たちと同年代の夫婦ユニットだが、ブレのない伸びやかなTamaちゃんのボーカルと、Hideさんの卓越したギターテクニックが魅力である。
実は二人はよく我が家に遊びに来ており、今年に限っても2度我が家のスタジオでミニライブをやっている。セットリストには知っている曲も多かったが、ギターのみならず、アコーディオンやハモニカ、タンバリンやマラカスなどを随所に取り入れ、構成が単調にならないよう工夫をこらしていた。
我が家で初披露した、彼ら初のオリジナル「夢色の夏」も大きな場ではこの夜が初公開。タイトルは私の発案だが、当初よりも歌詞やアレンジがこなれた印象で、今後のオリジナルソング展開への確かな胎動を感じた。
ステージを最前列で見ていて、フォークという比較的新しいジャンルの音楽は、脈々と若い世代にも受け継がれているのだなと、感慨深いものがあった。もしかすると、100年後にはシャンソンやボサノバのように、フォークが音楽の一ジャンルとして定着しているかもしれない。