訪問先は活動を始めた当初から依頼が続く市内西部の有料老人ホーム。足掛け14年に及ぶ長いお付き合いで、細いが確かな信頼関係が続いている。
先月から居座る寒波で街は凍てつく真冬日。用心してライブ開始1時間20分前に家を出たが、意外に車の流れはスムーズで、約40分で先方に着いた。
時間には充分余裕があり、控室でスタンバイする。昨年もそうだったが、事前の打合せで最後に施設長さんとコラボ演奏することになっていた。サブのマイクとマイクスタンド、電子譜面もセットする必要があった。
最近はこうした機会がけっこう多く、古い譜面台を再利用したサブマイクセット一式を袋に入れ、いつでも使える状態にしてある。
控室で出番を待つ |
施設長さんと簡単な音合わせをしたあと、14時15分から施設側の誕生会イベント開始。予定よりやや遅れて14時33分くらいから余興が始まった。およそ35分で12曲を歌う。
「ジングルベル」「おかあさん(森昌子)」「お座敷小唄」「ここに幸あり」「幸せなら手をたたこう」「高校三年生(歌詞カード)」「故郷(歌詞指導)」「君恋し」「星影のワルツ」「旅の夜風」「まつり」「上を向いて歩こう(コラボ演奏)(歌詞カード)」
以前は聴き手の嗜好がつかみきれず、苦戦した時期もあったが、「ニギヤカ手拍子系の曲をベースにし、アクセントとして叙情系の静かな曲を時折混ぜる」という方向性にしてから、場の反応はじょじょに安定した。
この日もこうした方針を踏襲。職員さんの協力もあって1曲目から手拍子が途切れず、共に歌う声や「懐かしいね〜」「いい歌だね〜」といった声も数多く耳に届いた。
この施設では初めて歌った宴会系の「お座敷小唄」の反応が抜群で驚く。これまであまり歌ってなかったが、いまや冬場のライブには欠かせない必殺曲になりつつある。
「ここに幸あり」「故郷」「君恋し」「星影のワルツ」の反応もよく、全体を通して非常にやりやすい雰囲気だった。
盛り上がったまま、ラストのコラボ演奏へと突入。昨年も同じ曲を一緒に歌っていて、互いに戸惑いはない。
打合せ通り、途中からアドリブでのハモリ二重唱(私はユニゾン担当)を仕掛けたが、これが抜群の出来で会場は拍手と歓声に包まれた。
施設長のMさんとは主任だった14年前からの長いお付き合い。私の還暦ライブにも来ていただいた。長く歌っていると、まるで友人か親戚のような深い関係が築けるものだと、感慨深い。
終了後に玄関先まで送ってくださった担当のYさんにも、「これほど盛り上がった余興は久しぶりです」と喜んでいただいた。