単に木材で作った水栓なら、市販のままごとキッチンにも多く見られるが、それだけではツマラナイ。ちょっとした仕掛けを施し、ままごとのバリエーションを広げようと企んだ。
使うのは直径30と21の木材丸棒。いずれも100均ダイソーで入手した。太いほうを導管にみたて、細いほうが枝管。水栓のハンドルは回るようになっているが、実は上に持ち上げると蓋のように外れる。
すると内部は本物の水栓のようにパイプ状になっていて、穴に丸い玉などを投入すると横の枝管を通り、コロリと下のシンクに落ちるという、まるでNHKの人気番組「ピタゴラスイッチ」のような仕掛けになっているのだ。
このアイデアが閃いたとき、実は自信がなかった。金属パイプでなく、木材の丸棒に穴を開け、2本を横につないで玉をスムーズに導くという細工が、果たしてやれるのか?
木材保護のため、紙芯をかませる |
木製水栓、全パーツ |
径30丸棒を適当なヌキ板にCクランプで固定し、中心をキリでマーキング。続けて12ミリのドリルでまっすぐに穴を開ける。一気にやらずに、上下や逆回転などを使うとうまく開いた。
次に枝管用の横穴を開け、100均で買った手芸用の10ミリ玉(カラフルラインビーズ、30個入)を入れてみた。しかし、下で止まったきり、全く出てこない。ガイド用の鉄板を入れたり、穴を広げたりしたが、結果は同じ。そうするうち、丸棒が割れてしまった。
気を取り直し、最初から作り直す。Cクランプで固定したままの状態で、横穴を斜め下45度くらいの急勾配で開けた。すると今度は10ミリ玉がすんなり出てくる。成功だ!
径21丸棒にも穴を開け、接続部分を斜めにカット。丸棒に紙ヤスリを巻いてヤスリがけし、タイトボンド(ギター修理用)で固定した。つなげた状態でも10ミリ玉の通りに問題はない。
その後、導管の上に径42のドーナッツ状の5ミリ厚ハードボードを接着。さらにその上に16ミリ厚無垢材で径40のハンドルをかぶせる。ハンドル下には突起をつけ、穴にぴったりはまるよう調整した。
この日は31度に迫る真夏日で、休憩を挟みつつ延々と作業。17時までに全ての調整を終え、天板の下から水栓をビス2本で止めて終了。水栓1個に丸一日を費やしたが、当初の構想通りの出来映えに満足。
本日のDIY難度、5段階中最高の5。かなりの熟練と根気が必要と思われる。