前回から施設長さんと担当者が一度に変わり、それに呼応するように、利用者の雰囲気も微妙に変わった気がする。職員に応じて施設利用者の気分も変わってゆくのが常。小学校で生徒の気質が担任で変わるのと同じだ。
開始15分前の14時15分に到着。担当職員の姿は見えなかったが、勝手知ったる場なので、ステージ横のいつもの場所ですばやく設営にとりかかる。
広くて天井の高い会場なので、最近はいつも2台のPAを使う。担当者の会場入りがギリギリで、予定より2分遅い14時32分から開始。30分強で11曲を歌う。
「北国の春」「おかあさん(森昌子)」「真室川音頭」「瀬戸の花嫁」「二人は若い」「みかんの花咲く丘」「誰か故郷を想わざる」「君恋し」「東京の花売娘」「リンゴの唄」「丘を越えて(アンコール)」
聴き手の数は60〜70名といったところ。出だしから場の反応が弱く、この時点で苦戦を覚悟した。
このところ歌っている春の定番曲が中心で、歌いながら順に顔を見回す余裕があった。どの会場でも目を輝かせて聞き入る方が必ず数人はいるものだが、そんな顔がほとんど見当たらない。
1曲ごとの拍手も弱々しく、手応えの悪さをそのまま表している。「真室川音頭」での手拍子も職員さんが中心で、利用者からはほとんど聞こえてこない。
換気が悪いせいか会場がかなり暑く、歌う側も聴く側も集中力の面で大きなマイナス要因だったように思える。
わずかな手応えを感じたのは、終了間際の「君恋し」からラストまでの3曲。懐メロ系で元気のいい曲、という共通点があったが、いかにもノリが遅い。
先方の希望通りに30分ちょうどで終えたが、会場中ほどにいたヘルパーさんが中心になり、アンコールの手拍子。事前の打合せにはなく、もちろん自然発生的なものでもなかったが、「お気遣いありがとうございます」と、ありがたく応じた。
なんともすっきりしないライブとなってしまったが、喉の調子そのものは悪くなく、先方の求め通り無難に時間をつないだというのが、唯一の収穫だった。