週3回、14〜17時に実施される介護サロン(レクレーション)のイベント講師というのが私の立場。講師といっても堅苦しいものではなく、歌を介して利用者に楽しんでもらうのが役目だ。
前回の会場と比べて少し遠く、13時に家を出て13時45分に着いた。ただちに設営に入り、入居者の集まりを待って、予定より5分早い14時10分から始めた。
およそ45分で13曲を歌う。
「北国の春」「おかあさん(森昌子)」「瀬戸の花嫁」「真室川音頭」「港が見える丘」「幸せなら手をたたこう」「高校三年生」「みかんの花咲く丘(歌詞指導)」「真実一路」「夜霧よ今夜も有難う」「君恋し」「月がとっても青いから」「リンゴの唄」
聴き手はおよそ20名。男性は3〜4名ほど。構成は2週間前の系列別施設と全く同じにしたが、場の反応は微妙に違っていた。
出だしの数曲には間奏で拍手が自然に湧き上がり、いい調子で歌い進んだが、じょじょに反応が弱くなるという不思議な現象が起きた。普通は出だしの勢いのまま突っ走るもので、かってない経験である。
理由がはっきり分からず、曲に関するMCを長めにしたり、聴き手参加型の曲を入れたり、歌詞指導をしたり、自己紹介を入れたりと、あらゆる手段を講じたが、場の流れが大きく変わることはなかった。
ラスト3曲でようやく盛り上がりを見せたが、時すでに遅し。終了後に知ったが、施設が出来て1年強しか経ってなく、4年の歴史がある系列別施設に比べて、入居者がまだ場に馴染んでいない部分があったようだ。
立ち会った職員さんも出入りする入居者のサポートに忙しく、ライブを盛り上げる余裕がないように見えた。出だしと終了間際にはNPO法人のAさんが手拍子等で参加してくれたので、反応がよくなったのだろう。
職員さんの参加なしで場を盛り上げるのが望ましい姿だが、残念ながら自分にその技量はない。
終了後の場の気分はそう悪いものではなく、「よかった」という声も複数耳に届いたが、歌い手として消化不良のライブだったことに変わりはない。
それでもNPO法人のAさんからは、「年に4度、シーズンごとの講師」を正式に依頼された。
場は静ひつでも45分間聴いてくれているのは間違いなく、大いに盛り上がった系列別施設との合わせ技的依頼と謙虚に考えたい。