現在入居中の老健施設ではやってくれず、自分で動く必要がある。事前に老健施設へ電話で伝え、その後順に特養へ連絡を入れた。
「ただちに老健施設と連絡を取って様子を見に行きます」「担当が休暇中で分からない」「認定調査票と新介護保険証の写しを郵送して欲しい」等々、対応は施設によってまちまちで、やり取りの中で母が移るべき施設の姿が、何となく見えてくる気がした。
その後報告を兼ね、久しぶりに母の暮らす施設へと面会に行く。15時過ぎだったが、珍しく母は起きていた。
「こんにちは」と声をかけると微かな反応はあるが、誰がやってきたかは分からない様子。しかし、自分と深い関わりのある人間であることは認識している表情だった。
ちょうど体操の時間で、職員さんが一人で指導しているので、横に並んでラジオ体操第一を一緒にやった。車椅子に座った母も声をかけてやると、それなりに身体を動かしている。
続いて「北国の春体操」という、施設オリジナルの体操になったが、これは動作が分からない。やむなくアカペラで歌を担当したら、「素晴らしい声ですね」と、職員さんがびっくりしている。
実は施設を中心に長く弾き語り活動をやっていますと告げると、ぜひここでも歌って欲しいと言う。2年半前の入居時には協力するむねを申し出ているが、どうやら現場までは伝わっていない。
施設では決まったボランティアによる月一回の「歌う会」がすでに実施されており、新たな活動者を加える必要がないものと思っていたが、面会時に母のユニットだけを対象に数曲を歌うなど、今後新たな動きがあるかもしれない。