2019年12月31日火曜日

いつもの年越し

 朝方まで1センチあった積雪深が、その後の時期外れな雨で、とうとうゼロに。気温も8度まで上がって、およそ大晦日らしくない天気となった。
 調べてみたら、記録のある1961年以降の大晦日〜最小積雪深は3センチ。記録更新は確実だ。これが単に記録上のブレによるものか、はたまた温暖化によるものなのかは不明。
 雪が少ないこと自体はありがたいが、地球の異変によるものだとすれば、喜んでばかりはいられない。


 お昼ころに母の暮らす施設に行き、今年最後の挨拶を済ませる。母の様子に特段の変わりはなく、「私は誰でしょう?」と問いかけると、しばしして名前を呼んだ。
 1年前の正月には容態が急変して入院を余儀なくされたが、今年は穏やかに過ごして欲しいもの。


 15時に最寄りの地下鉄駅まで長男一家を迎えに行く。その後みんなでオヤツを食べ、YouTube動画などで少し遊んでからお風呂に入る。
 例年より早めの18時過ぎから、次男の用意してくれたカニを中心に大晦日恒例の宴が始まる。いつもと変わらない年が暮れてゆく。

2019年12月30日月曜日

玄関アクセント

 妻はオセチ料理作りに忙しいが、私が担当の大掃除は台所も含めて全て終わらせた。鏡餅を始めとする正月系の飾りつけも終わり、5種類のカレンダーも交換して、12月のライブが多忙だった割に余裕のある年越しである。
 午前中は妻を伴ってトライアルとビッグに買物。年末年始用の食材を調達したが、増税直後ともあって、全体的に控えめな内容となった。
 ただ、今年の年越しは初の試みとして、31日〜2日かけて2泊3日でやる。家族Xmas会も初めて1泊2日でやり、孫娘の成長に伴って、じょじょにそうした方向になりそうだ。
 その分、食材は多めに準備する必要がある。大晦日は次男がカニを準備してくれ、元旦の夕食は長男夫婦が牡蠣のガンガン焼きを用意してくれた。どちらも今日届いて待機中。オセチに飽きた2日の昼と夜は、例年好評のラーメンとしゃぶしゃぶにする予定。


「以前よりもオセチ作りに気が乗らなくなった」と嘆く妻をなだめ、今日の夕食は私の担当でレーズン入りのフルーツカレーを作った。
 ほんの思いつきだったが、これがフルーティで絶妙。今後、カレーの定番にしてもいいくらいだ。
 空いた時間に玄関のインタホン台座に取り付ける飾りを作る。新しくした表札がやや殺風景なので、なにかアクセントが欲しくなった。正月用というわけでなく、通年設置するつもり。


 使ったのは松ぼっくり、どんぐり、色ビー玉、100均で買った木製の玉など。透明プラ板を直径6センチの円形に切り抜き、コーキング材を使ってパーツを載せてゆく。
 だいたいイメージ通りに仕上がって、乾いたころを見計らい、同じコーキング材で台座に貼りつけた。

 ついでに左のスペースにもリンゴの金属キーホルダーを貼る。耐候性は未知数だが、アクセントとしては悪くない。正月に間に合ってよかった。

2019年12月29日日曜日

赤いセーターに穴

 先日のXmasライブを無事に終えたあと、家でまったりしていたら、「あら、セーターの肘に穴が開いてるわ!」と、妻から指摘された。
 ライブ中は歌に夢中で全く気づかなかったが、確かに3センチほどの丸い穴が左肘にポッカリ開いている。その日のライブには「情熱の赤を唄う」というタイトルがついていて、ステージ衣装として赤のセーターは必須。

 修理するにも同色の毛糸はなく、布か皮でパッチをあてるしかない。穴の周囲もかなり薄くなっていて、大きなサイズで両側にあてる必要があった。
 親戚からの貰い物だが、すでに20年近くが経過。ユニクロのウール100%で着やすく、ステージ衣装として重宝したが、これまでも脇の下のほつれで何度か補修を繰り返していて、もはや寿命である。
 他に赤いジャージー上衣を持っていたが、薄い春秋物。冬には適さない。ライブ活動はもう少し続きそうで、すっぱり買い換えを決断した。


 その日の午後に近くのユニクロに行き、売場を物色。3千円くらいで同じウール100%の赤いセーターを見つけたが、あいにく襟は嫌いなVネック。並んでいる丸首セーターには、なぜか赤だけがない。

 ユニクロはあきらめて、近くのイトーヨーカドーに回る。ここでも目的のセーターは見当たらなかったが、テナントで入っているアメリカ屋で、赤い丸首セーターのMサイズがバーゲンで並んでいるのを発見した。
 残念ながらアクリル100%だったが、現状品よりも毛糸が太い。何より定価3,900円が1,500円(税別)という超破格。タイミング的にも絶妙で、これは買えということだろうと判断した。

 新旧のセーターを並べてみると、新しいほうがわずかに彩度が落ちる。しかし予想通り、暖かさに遜色はなかった。これで当分はXmas系のライブに支障はなさそうだ。

2019年12月28日土曜日

ボツ街道から脱出

 久しぶりに投稿が地元紙に掲載された。このブログで断片的に記した固定電話解約に至る経緯を、規定の400字にまとめた内容。
 メール送信は12月7日のことで、その後音沙汰がなく、(さては今回もボツか…)と完全にあきらめていた。

「今回も」と記したのは、8月に「危険な公園のベンチ」と題した投稿をしたが、あえなくボツ。11月には「この一年」と称したテーマ投稿にも応募したが、これまたボツだった。
 20代から新聞投稿を始め、かっては採用率8割前後を誇っていた。投稿は私にとって、その後の小説やノンフィクション執筆等に至る「書くこと」の原点だった。
 文章が社会的評価を得たのちも投稿は細々と続けていたが、加齢に伴って同世代の競争率が激化。突出した説得力がない限り、採用は難しくなりつつあった。

 最近の投稿は全てEメールでやっていて、記録を調べると前回の採用は2013年4月。6年余りも前のことで、その後も数年に一度は投稿していたが、採用は遠かった。

玄関にネズミの正月飾り

 投稿ではなく、謝礼もないが、今年7月に孫の写真自慢が新聞に採用され、長いボツ街道から抜け出す微かな胎動を感じ始めていた。
 今回の投稿は急増する特殊詐欺対策や増税対策にも通ずるもので、高齢者にとっては大切な情報。タイムリーかつ有益なので自信はあったが、時間の経過と共に気持ちも萎えた。

 3週間も経ってから採用されたのは、「キャッシュカードすり替え詐欺が急増中」という記事が5日前の新聞に載ったこと。詐欺の入口となる固定電話を解約するなり、番号変更するなり、常時留守番設定にすることが手っ取り早い防止策なのは間違いなく、急な掲載に至った背景ではないか。
 年末が迫ってみな忙しくなり、投稿数が減って競争率が下がった可能性もある。

鏡餅飾った

 ともあれ、久々の採用が大きな励みとなったことに変わりはなく、来年にむけて「もっと書きなさい」という啓示に思えなくもない。
 車庫&物置の自力建替えという大仕事を無事に終え、来年は別のことに時間が割けるはず。自分にとって決して新しいことではないが、ブログ以外の「書く」という行為を、もう一度見直す気持ちにいまなっている。

2019年12月27日金曜日

涙と笑いが交錯

 自宅から車で20分のデイサービスXmas会で歌った。ネット経由での初依頼で、「忘年会」の間違いでは?と一瞬思った。25日までならともかく、27日のXmasライブはさすがに遅すぎないか。
 しかし、先方はイベントスケジュールの都合で、ぜひともXmas会としてやりたいという希望。そこで1曲目に「ジングルベル」を歌うことで了解してもらった。
 場所はいつもDIY関連の材料を買いに行くホームセンター近く。開始予定は14時15分で、早めの13時50分に着いた。
 会場となる食堂には、確かにクリスマスツリーが飾られている。設営はすぐに終わり、15名ほどの聴き手も時間前に集まったので、予定を早めて14時7分から始めることになった。
 40分弱で12曲を歌う。


「ジングルベル」「北国の春」「お座敷小唄」「バラが咲いた」「幸せなら手をたたこう」「高校三年生」「故郷」「君恋し」「星影のワルツ」「時の流れに身をまかせ」「まつり」「東京ラプソディ」
 1曲目から自然に手拍子が飛び出す幸先のよい出だし。やや介護度の重い方もいたが、4人いた職員さんが積極的にライブに参加してくれ、一抹の不安も吹き飛んだ。
 2曲目は当初「二輪草」を予定していたが、客席の顔ぶれを見て咄嗟に「北国の春」に変更。この直感はたぶん当たっていて、中ほどにいた女性が手拍子しながら涙を流している。
 本来泣くような歌ではないが、何かが琴線にふれたのだろうか。一瞬もらい泣きで崩れそうになったが、視線をそらすことで持ち直した。


 以降の曲も手応え抜群で、会場には手拍子や歓声が絶えなかった。8曲目の「君恋し」では、中ほどの女性のほかに、男性でも泣き出す人が複数。この曲で泣かれたこと自体が記憶になく、男性の涙も極めて稀。
 この日は喉の調子が抜群によく、いつもは途中で一度は飲む水も全く必要ないほど。いろいろと「泣く」条件が整っていたのかもしれない。
 施設側からは30分程度の演奏を事前に頼まれていたが、場の反応があまりによく、状況次第では飛ばすつもりでいた「時の流れに身をまかせ」「東京ラプソディ」の2曲も勢いに乗って歌った。

 15時からオヤツの予定があり、当初の希望より長く歌った関係で、アンコールはなし。涙と笑いが交錯する、実に不思議なライブだった。
 今年のライブは31回目のこの日が最後。締めくくりに相応しい大団円である。

2019年12月26日木曜日

最後の年賀状

 極端な少雪の冬で、札幌都心ではまたまた積雪ゼロを記録。雪のないクリスマスは記憶にない。寒さはそれなりに厳しいが、雪かきの必要がほとんどないのは、忙しい年末にはありがたい。

 このまま正月に突入か?と甘い期待を抱いていたら、昨夜から間断なく雪が降り始め、近隣アメダスではあっという間に積雪36センチを記録。雪雲が上空を集中的に通過したらしい。
 周辺では朝から除雪機の音で騒がしく、我が家でも今冬初めて本格的除雪を手作業でやった。


 一泊した長男一家、怖い夢を見たらしい孫娘の泣き声で7時に起こされた。そのまま起きて孫娘の遊びにつきあう。
 午前中に玄関前の除雪をやったせいか、昼食を食べたら急に眠くなり、居間のベンチで仮眠。孫娘にちょっかいを出されたが、そのうち孫娘も2階予備ベットで寝てしまった。

 珈琲タイムになって妻に起こされ、大人たちでXmasケーキやラズベリーアイスを食べる。やがて孫娘も起きてきて、機嫌よくオヤツを食べていた。
 17時ころに解散。雪が深く荷物も多いので、地下鉄で帰るという息子を押し留め、車でマンションまで送ってゆくことにした。
 帰路には遅れていた年賀状をようやく投函する。


 考えに考えたが、年賀状は今年でやめることにした

 年明けから本やアルバム関連の大規模な断捨離作業をやり、春先から夏にかけて壊れた車庫&物置の全面建替え、秋にはADSL回線や固定電話の解約、それに伴ってメルアドも変更になり、HPも引っ越した。こうした身辺整理作業の一環ともいえる。
 夫婦で70歳を無事に迎え、区切りとしてはこれ以上ないタイミング。年末はXmas系ライブに追われ、母の見守りや孫娘の子守りにも忙しい。年賀状はずっと重荷だった。ハガキの価格も上がり、増税対策にもなるだろう。
 親しい人々とは日々のブログやメール等の別手段でつながっていて、改めて年賀状で近況を伝える必要性は薄くなっている。仕事をやめてから、営業手段としての意味もなくなった。
 もらう方の年賀状は同年代かやや上の世代が中心で、最近はパターン化された内容がほとんど。加齢に伴っていろいろなことが煩わしくなってしまうのは、よく理解できる。

 今年の添え書きには近況報告以外に、電話番号とメルアドが変更になること、最後の年賀状であることも同時に記した。
 年賀状は小学生の頃から60年近く続けていて、多少の感傷はあるが、これが年をとるということ。時の流れに抗ってはいけない。

2019年12月25日水曜日

今年の家族Xmas会

 恒例化しつつある家族Xmas会を実施。参加は私たち夫婦のほか、市内在住の長男一家。
 昨年は午前中に集まって昼食と夕食を食べ、その後解散したが、送迎する私がアルコール抜きとなり、孫娘が夕食前後に寝てしまったりして落ち着かない。そこで今年は試験的に1泊2日の日程でやることにした。
 集合は昼食後の14時半とし、昼食準備の負担を減らした。14時にマンションまで迎えにゆき、都合で夕方に合流する息子以外の2人を車に乗せる。
 到着するとすぐにオヤツタイムとなり、お嫁さん手作りのアップルケーキや、私が作った芋納豆などを珈琲やオレンジジュースと共に美味しく食べる。


 孫娘のXmasプレゼントは函館在住の次男からことづかったディズニーのソラン人形。私からはトランポリンで、どちらもお嫁さんの希望に沿ったものだ。
 そのほか、アンパンマンXmasお菓子詰合せやXmasドーナッツもある。傍らには昨年のXmas会用に作った雪だるまサンタ一同を置いてにぎやかだ。

 家の中はありあわせのXmas系グッズで飾りつけ、それなりのキラキラした華やかな雰囲気は作り出した。


photo by granddaughter

 夕食まで時間があり、つなぎとして2階のライブコーナーでXmasソングを延々歌った。お嫁さんが持参の鈴でセッション合流。孫娘は即興のダンスで参加し、これがなかなか決まって、1時間近くを楽しく過ごした。
 昨年は入念な準備で人形劇を仕掛けたものだが、今年は多忙で出来なかった。しかし、即興でもそれなりにやれるものだ。

 古いデジカメをオモチャ代りに孫娘に与えたら、私の歌う姿を盛んに撮っている。解像度は粗いが、これが3歳にしてはけっこうな出来。貴重な写真なのでブログにも載せることにした。


 その後お風呂に入って、18時50分くらいから夕食開始。少し遅れて長男も合流した。帰る心配がないので、いつもよりゆっくりできた。
 21時くらいに、長男が買ってきたクリスマスケーキを食べる。外はクリスマスらしく、遅れていた雪がようやく降り始めた。

2019年12月24日火曜日

ジャムとアイスと

 午前中から大掃除に励む。残っているのは1階の居間と台所。台所は多少遅れても構わないので、居間から片づけた。
 11月にやったWi-Fiルータ設置工事である程度は掃除したので、簡単に終わるつもりでいたが、予想外に手間取った。昼食前には終わらず、午後からも延々継続。珈琲タイムまでにようやく終えた。
 その後、明日の家族Xmas会に備え、ラズベリージャムとラズベリーアイスを一気に作る。2つまとめて作るのは初めてだが、プロセスが微妙に異なるので、同時進行ではやれない。

 ラズベリーの量が多く、下ごしらえに時間のかかるジャムから開始。冷凍ラズベリーは前夜のうちから自然解凍させてあった500gを使用。


 続けてアイスに取り掛かったが、こちらはまだ2度目なので、レシピを確認しながらやった。
 完成後に冷凍庫へ入れたあと、携帯のタイマーを1時間毎に設定し、計3回撹拌をする。作る時間は短めだが、その後のメンテナンスが少し面倒なのだ。


 夕食後は年賀状の作成に取り掛かる。およその案は昨夜までに固めてあり、今日は画像や文章の微調整をやる。
 プリンタが古く、10枚印刷すると極端に印刷速度が落ちる。一気に印刷することは不可能で、30分ずつ休ませながらやるという気の長い話だ。コツコツやればいずれは終わるだろうが。

2019年12月23日月曜日

宅配ボックスモード

 このところ2週続けて外出時に宅配便が届き、持ち帰りを強いている。再配達は運送業者の大きな負担になっているので、荷物が届きそうな日は極力家にいるよう心がけているが、今回はなぜか2度とも配達予定日より早く来た。

 ネット通販のアマゾンでは、最近になって「置き配指定」というシステムを採用し始めた。注文時に選択すると、指定された場所に荷物を置いてゆくというもので、宅配ボックスを始め、玄関横、ガスメーターボックス、自転車カゴ、車庫、建物内受付、などが指定可能。
 荷物は指定された場所に置かれ、在宅や受領サインの必要はない。配達完了を写真で受け取るサービスもあり、家でじっと待ったり、再配達手配の煩わしさから解放される。
 万一の盗難や紛失の補償もあるので、今後はこのシステムが主流になりそうだ。


 今回、2度とも置き配指定は選択してなく、その準備もなかった。今後のため対応策を検討したが、6つある選択肢のうち、最も安全そうなのは、やはり宅配ボックスである。
 実は車庫と物置を建替えしたのを機に、宅配ボックスも同時に自作するという構想はあった。場所は木製の玄関ポーチ下部が最有力候補だったが、実現しないうちに雪が降った。

 そうするうち、いまある物置内部を宅配ボックスとして転用可能なことに気づく。スペースには充分な余裕があり、入口引き戸には鍵もかけられる。あとは案内板を作って、不在時にすみやかに収納してもらうことだ。


 案内板は手頃なマグネット板を加工して自作した。文章はひとまず手書きで済ませる。
 インタホンの直下には手製の郵便ポストがあり、蓋はトタン板で覆ってあるので、磁石が簡単につく。物置内の棚にも案内板を張って念を押す。

 今日は妻を伴って車で買物。宅配便の届く予定はなかったが、物置を「宅配ボックスモード」にして出かけた。
 皮肉なことに、こんな日に限って荷物は届かなかったが、今後役に立つのは確実。気兼ねなく外出できそうだ。

2019年12月22日日曜日

「泣けた…」という評価

 札幌ドーム近くにある地域カフェで1年ぶりに歌った。責任者のOさんとは路上ライブの聴き手として知り合い、その後各種ライブの運営を通して、長いお付き合いが続いている。
 カフェライブとしては今回が5回目。一昨年は1度、昨年は3度の依頼があったが、参加の顔ぶれが固定化してきたせいか、しばらく間隔が空いた。同じ場としては、年一回が程よいペースと思われる。

 過去4回は10時開始で、今回は30分遅れの10時半開始。苦手な午前中ライブであることに変わりはなく、私にしては早めの7時に起きて備える。
 昨夜は緊張のせいで眠りが浅く、このところの過密スケジュールもあって喉に不安があったが、出掛けの練習でまずまず声は出た。


 久しぶりに雪が降っても車の流れに支障はなく、9時50分に会場到着。PAは2台、予備ギターも持参したフル装備で、Xmasの赤い仮装をしたOさんと打合せしつつ設営。15分前にはスタンバイした。
 少し迷ったが、念のため持参した漢方系喉薬「響声破笛丸料」を飲むことにした。前回のように歌い始めてから喉に異常を感じてはならない。

 出足は悪かったが、開演が近づくにつれどんどん人が集まってきて、最終的には40名を超える盛況。1年ぶりという時間がその背景にあったかもしれない。
 やや遅れて10時32分から開始。前半は「トムノ 情熱の赤を唄う!」と称し、40分弱で12曲を歌う。

「赤いスイートピー」「真っ赤な太陽」「サルビアの花」「どうにもとまらない」「赤い花白い花」「君の瞳は1万ボルト」「さくらんぼの実る頃」「ブルーシャトー」「圭子の夢は夜ひらく」「ワインレッドの心」「神田川」「熱き心に」


 ライブのテーマは事務局が決めたもの。ステージ名が入っていて気恥ずかしいが、運営の事情もあるのでおまかせした。
 選曲も半分以上は事務局からの提案で、「赤」「情熱」のキーワードから曲調やジャンルのバランスを考慮して絞り込んだ。プログラムには事前に決めた曲順と、簡単な曲紹介が印刷されている。

 聴き手の多くはリピーターかその紹介で、場は静ひつでも条件としては非常に歌いやすい。直前に服用した漢方薬の効果もあってか、喉の調子はよかった。
 調子よく歌い進んで、ラストの熱き心に」では「ブラボー!」の声もかかる。どちらかといえばクラシック系の声援だが、ライブがうまく運んだとき、いただくことが稀にある。


 10分の休憩中に六花亭のケーキが配られた。開演時には飲み物だけで、普段はこのまま最後まで進行する。
 今回ケーキをいつ出すのか流動的だったが、「あまり待たせず、空腹を抱えない程よいタイミング」ということで、中間の休憩時に落ち着いた。
 11時22分から後半開始。40分強で13曲(全てリクエスト)を歌う。

「黄昏のビギン」「真夜中のギター」「空に星があるように」「硝子のジョニー」「コンドルは飛んで行く」「アメイジング・グレイス」「知床旅情」「涙そうそう」「さくら(直太朗)」「少年時代」「地上の星」「世界に一つだけの花」「この広い野原いっぱい(シングアウト)」

 いつもは休憩時にリクエストを募るが、今回はケーキと飲み物サービスで忙しくなりそうだった。リスクを避け、初めて開演前にリクエストを求めたが聴き手の慣れもあってか、あっという間に12曲が集まった。
 リクエストカードを元に、全体のバランスを見て直感で歌う順番を決める。不思議なことに好きな曲、得意曲が多くあって驚いた。


 出だしの数曲は食器音が少し気になったが、演奏には差し支えないレベル。やがてそれも落ち着く。前半の好調をキープしてライブはトントン進んだ。

「コンドルは飛んで行く」では英語バージョンをまず歌い、オリジナル和訳を続けるという趣向。前奏と終奏のトレモロ奏法も効いて、歌い終わると中ほどにいた男性から声援が飛んだ。
 得意曲「アメイジング・グレイス」では場が静まり返り、「地上の星」では再び声援が飛ぶ。聴き手の強い後押しもあって、一気にラストへとなだれ込んだ。
 時間の都合でアンコールの類いはなかったが、終演後に近寄って声をかけてくれる方が多数いた。いわく、「《赤いスイートピー》で涙が出ました」「《知床旅情》の白いカモメで泣けました。カモメは私です」等々。歌にはそれぞれの強い思いが隠されているということだろう。
 そのほか、「泣ける歌がたくさんあった」という評価が複数あり、聴き手の心に深く届いていたことは間違いない。

 介護施設ライブでの涙はタブーで、多くはニギヤカ手拍子系の進行を求められる。普段は場に合わせているが、自分の本来の持ち味は「泣き」であると思っている。その一点で、今回のライブは歌う側にとっても満足度の高いものだった。
 反省として、時間内にライブを収めようと進行を急ぎすぎたきらいがある。「少年時代」の後半でアルペジオが怪しくなり、「世界に一つだけの花」の前奏をカットしてバランスを悪くした。
 また、久しぶりに歌った曲でメロディやコードの一部が怪しい箇所もあった。リクエスト対象曲の定期的なおさらいは必須。次回に活かしたい。

2019年12月21日土曜日

歌の合間に大掃除

 難しいライブを無事に乗り切り、次は明日の地域カフェライブだ。休憩をはさんで前後半各40分演奏する長丁場で、しかも苦手な午前中ライブ。12月Xmas月間最大のヤマ場となりそうだ。

 歌の練習をやりつつ、合間に大掃除に励んでいるが、この2日間でかなり片づいた。
 昨日は階段途中に3600長の脚立を斜めに立てかけ、階段吹き抜け上部を徹底掃除。脚立はもともと車庫建替え用に買ったが、これまで届かなかった部分も掃除できるようになった。


 今日は1階へと掃除対象を移し、クローゼット〜玄関〜玄関ホールと掃除。玄関框に置いたマットの汚れが目立つので、久しぶりに丸洗いすることにした。
 洗面台シンクにぬるま湯をはって手洗いしたが、予想外に汚れがひどくて驚く。思い立って洗面所マット、バスマット、2階階段室にかけたタピストリーとまとめて洗濯。


 昼食後、トイレや洗面台、洗濯機の裏、ボイラの裏など、ユーテリティを中心に掃除。引戸はいったん外して戸車に油をさす。どこも1年分のホコリが積もっていて、かなり手強い。
 珈琲ブレイクに昨夜作っておいた芋納豆を食べる。残りはXmas家族会までとっておく。その後、浴室の掃除に取り掛かかる。
 壁や床は毎日の入浴時にメラミンスポンジでこまめに掃除し、最後に水滴をタオルで拭っているので、汚れやカビはほとんどない。


 ところが、天井にある換気扇のレジスターを取り外して掃除していたら、本体のドラム式換気扇の隙間にビッシリとホコリが詰まっているのを発見。
 掃除機ではとても取り切れず、歯ブラシやデザイン用のL字ピンセットを総動員してようやくきれいになった。もしかすると、入居以来20年掃除してなかったかも?
 最後に洗い場の排水トラップを分解して掃除。こちらは毎年欠かさずやっているので、汚れは驚くほどではない。

 精力的に動いて、残るは居間と台所だけとなった。台所換気扇はすでに妻が掃除済み。これからXmas料理やオセチを作るので、掃除は少し遅めにするのが無難か。

2019年12月19日木曜日

予期せぬ「当て振り」

 ネット経由で依頼のあった、知的障がい者支援施設の忘年会で歌った。会場は市内中島公園近くのホテル宴会場。
 施設そのものは市内南方の山間部にあり、これまでは施設内でXmas会をやっていた。今年は初の試みとして都心のホテルを会場にし、余興にはゲストを迎えることになったという。

 実施前から電話で何度かのやり取りがあり、10日前には吹雪をついて施設を訪れ、担当者と直接面談。歌う曲は入居者の嗜好をふまえて、その場で全て決めるという力の入れようだった。打合せ後に施設内を案内され、何人かの入居者と挨拶も交わす。


 実施日の数日前から当日にかけても、細かい打合せの電話が何度かあった。これほど入念な調整は記憶にない。平常心でいたつもりだが、(失敗は許されない…)と、じょじょにプレッシャーが高まる自分を感じた。
 当初は開会宣言後に歌う手はずになっていたが、直前になって、軽食のオヤツを食べたのちに歌うことに予定が変わる。食べてから聴いてもらうほうがリスクは少なく、この変更は歓迎だった。
 当日は積雪ゼロの穏やかな日和。13時半ころに家を出て、14時過ぎに難なく到着する。
 4階の会場に入ると、入居者もまた予定より早く着いてしまい、開演を待ち望んでいる状態という。14時半の開始が、前倒しして14時20分と早まった。


 会場が広いという事前の情報からPAは2台を準備し、開始前に手早くセットを終えた。
 パーテーションに区切られた位置で控えていると、14時50分くらいに進行の方に呼ばれる。シールドをつなぎ、PAのスイッチを入れてただちに開始。40分弱で11曲を歌った。
(4曲目「瀬戸の花嫁」以降は全てリクエスト)

「ジングルベル」「おかあさん(森昌子)」「お座敷小唄」「瀬戸の花嫁」「北国の春」「高校三年生」「上を向いて歩こう」「365歩のマーチ」「見上げてごらん夜の星を」「まつり」「大空と大地の中で」
 マイクテストやリハーサルの類いは一切なく、文字通りの一発勝負だったが、会場の広さと同時に天井が非常に高く、前半数曲はPAのボリュームやリバーブの調整を強いられた。
 連続ライブのあと、中3日でのライブとあって喉の調子はパッとしない。前回に比べて低音は安定し、ギターの押さえも改善されたが、今度は高音が安定せず、ピーク時に声が切れそうになって危うくこらえる。


 聴き手は入居者40名強、職員30名、保護者を加えて100名弱とかなり多い。食事はフルーツ系のオヤツと飲み物だけで、アルコール類は一切ない。

 自分の不調もあってか、会場の反応はいまひとつで、テーブルによっては歌よりもおしゃべりや食事に興ずる姿もあったりし、難しい進行を余儀なくされた。
 前半は守りの歌唱にならざるを得ず、ようやく落ち着き始めたのは、5曲目あたりから。実は4曲目以降は全て事前の打合せによる施設側のリクエストだった。入居者の嗜好を反映させたもので、じょじょに聴いてくれる人が増えてきた。
 後半の「365歩のマーチ」を歌い始めると、突然入居者の一人(女性)がマイク前に進み出てきて、会場にむかってダンスを始めた。すかさず職員さんのサポートが入る。アップテンポの曲なので、ダンスは合わせやすい。
 一人が踊り始めると、続いて前に出る人が出始めた。保護者の方々の表情がゆるみ、場が一気に盛り上がる。


 続く「見上げてごらん夜の星を」でも同じように歌詞に合わせて踊る人が続出。いわゆる「当て振り」と言われるジャンルの舞踊だった。もしかすると、施設でも娯楽の一環で踊っているのかもしれない。
 突発的な当て振りはその後の「まつり」でも続き、場内の熱気はピークに達する。咄嗟の判断で、歌詞や間奏は一切省略せずにフルコーラス歌った。

 ラストの「大空と大地の中で」を会場の手拍子で締めくくる。聴き手の後押しもあって、この頃には高音の不安も解消していた。
 終了後には1年を写真で振り返るスライドショーが続いていたが、私は途中で退出。一時はどうなることかと思った展開も、何とかまとめられて安堵の胸をなでおろした。