2018年3月4日日曜日

それでも春が

 居間の片隅にある観葉植物コーナーに置いたカポックに、小さな新しい芽を見つけた。
 1年前に買ってずっと玄関ホールに飾ってあったが、寒さに比較的強いというカポックも、我が家で最も温度の低い玄関ホールの環境には耐えられず、葉が枯れ始めたので、あわてて暖かい居間に移動させたもの。
 厳しい寒さを乗り越え、いち早く芽を出してくれた。ようやく微かな春の兆しを感じる。

 この日は最高気温が10.2度という、4月上旬なみのバカ陽気。降り積もった雪がどんどん解けて、見る間に減ってゆくのが分かるほど。1日で一気に10センチ解けた。
 母の暮らす施設からの要請で、土日は30分ほど見守りに行くことになっているが、今日はその2日目。午前中に先方に電話して都合を確かめると、時間は昼休みではなく、16時半か18時半に来られないか?との打診。
 相談のすえ、18時半に行くことになる。それまでの時間、想定外のトラブルが重なってすっかり遅れていた確定申告書類を一気に片づける。夕方までに全ての下書きが終わり、あとは清書して提出するだけとなった。


 18時15分に家を出る。いつも通る近道が暖気で激しくぬかるみ、車が全く進まない。何とか脱出し、遠回りの幹線道路経由で施設に向かった。
 この日は母の生まれた寺である浄土真宗のご本尊画像をA4版にプリントし、アルミ製の額に入れて持参した。

 昨日私が見守りし、話しかけなど充分にやったにも関わらず、母はやはり深夜と明け方にベットから抜け出し、動き回ろうとしたという。施設側の提案が、ただちに徘徊や転倒防止にはつながっていない。
 そこで考えたのが、寺の娘として生まれ育ち、仏様には従順な母の資質を徘徊防止に活かそうというもの。「お仏壇代わりだよ」と、ご本尊を母に見せると、まんざらでもなさそうな様子。うながして両手を合わさせた。
 額は部屋の机の上に飾り、ベットから起き上がると目の前に見えるようにした。職員さんにも気を落ち着かせるために「仏様」の持つ力をよく説明。うまく運ぶかどうかは分からないが、やってみる価値はある。

 見守りは今後どの曜日どの時間にすべきか、まだまだ流動的のようだ。こちらとしては昼間より、雑用が片づいた夕方のほうが何かと都合がいいのだが。