2018年3月24日土曜日

ライブ中のクレーム

 1ヶ月ぶりに人前で歌った。風邪による喉の不調で最悪のライブを終えて以来、歌はしばし自重していたが、その後の養生で喉は70%くらいまでに回復。まだ多少の声がれは残っていたが、キーは普段通りで、この時期としてはまずまずの調子。
 幸いに、依頼先は過去に10回以上も歌っている近隣のデイサービス。信頼関係も厚く、長いブランク後の場としては最適だった。

 いつも通り、14時からライブ開始。この日は聴き手が少なく、ざっと20名弱。男性がゼロで全員が女性という変則的な構成だった。
 およそ60分で17曲を歌う。(※はリクエスト)
《前半》
「北国の春」「白い想い出」「珍島物語」「蘇州夜曲」「愛人」「みかんの花咲く丘」「サン・トワ・マミー」「いい日旅立ち」「宗谷岬」「春一番」
《後半》
「大空と大地の中で※」「レット・イット・ビー(オリジナル訳)※」「夜霧よ今夜も有難う※」「北国の春※」「恋(コラボ演奏)」「世界に一つだけの花」「故郷※」


 いつもの傾向だが、場は非常に大人しい。人数が少なめで、男性が皆無という条件も影響していたかもしれない。

 これまたいつものように、参加型の曲は少なめにし、傾聴型の曲中心で臨んだ。普段ならこれでうまく収まるはずが、前半を終えて場からリクエストを募っているわずかの間隙に、最前列に座っている女性(今回が初参加)から、不可思議な質問が矢継ぎ早に出て困惑させられた。
 なぜここで歌っているのか?誰の許しを得たのか?そんな責任者などいない等々、返答に窮する内容ばかり。丁寧に対応したが、そのうち立腹して大声を出し始めた。場が一気に冷え込む気配。まずい…。
 過去にも何度か経験があるが、いわゆる「クレイマー・オーディエンス」という代物である。どのような場であっても、ライブ中にクレームの類いがはいると、たとえそれが正論であってもライブは宙に浮く。
 職員さんが懸命にとりなそうとするが、クレームは延々治まらない。他の方のリクエストは続くのでそのまま歌い続けたが、自分が無視されたとでも思ったか、しまいには歌い手にとって屈辱的な言葉まで投げつけられた。
(施設にとって利用者は「お客様」なので、こうした状況下での対応は困難を極める)

 凍りついた気分のまま、予定通りにライブは終了。職員さんから、大変な失礼がありましたと陳謝されたが、かなり気分が落ち込んだ。想像だが、認知症の周辺症状(BPSD)のひとつかもしれない。
 1ヶ月前は最悪のコンディションでも予想外に喜んでもらえたが、今回喉は回復してもライブ内容は最悪という皮肉な結果。なかなかうまく噛み合わない。
 体調面と進行面の両方で、以前のペースに戻せる時期がくるのかどうか、全く分からなくなった。