2017年1月31日火曜日

ナチュラルリバーブ

 先日の白石イベント広場でライブを聴いてくれた方から断続的に感想が届いているが、そのどれもが好意的なもので、「次はいつですか?また聴きに行きたい」と結ばれている。
 そのうち、チカチカパフォーマンスとの両方を聴いた方から、「音の反響はチカホのほうが優れていた」という意見があり、実は歌っている私にも同じ感覚があって、ライブレポにもその旨を記したところ。

 専門的な話になるが、音の反響すなわち、ナチュラルリバーブのことを意味する。「お風呂で歌を歌うと声が響いて心地よい」という現象が起きるが、あれが空間が創り出すナチュラルリバーブである。
 一般的には天井が高いとか、部屋の形状が横長である場合に自然な反響があり、音に独特の空気感が漂って聴き手には心地よく感じられるもの。部屋に依存せずに「エフェクター」という機器で電気的に音を加工し、同じ効果を擬似的に得る場合も少なくない。
 必要以上に加工された反響音は個人的に好まず、ナチュラルリバーブに期待できないような場でも、音は加工せずにずっと歌ってきた。

 数年前からはネットオークションで入手したZOOMの「RFX-300」というエフェクターを使い、場所に応じてわずかなリバーブをかけるようになった。
 同じ時期に買った乾電池式のPAには最初から簡易なリバーブが内蔵されていて、こちらも場所に応じて使い分けていた。

乾電池式PA(左)とエフェクターRFX-300(右)

 チカチカパフォーマンスの舞台となる地下歩行空間(チカホ)は、実は非常にナチュラルリバーブが効いている。割当ての多い北4広場では特に顕著で、天井は低いほうだが、通りから凹んだ横長の形状が効果的のように思える。
 同じチカホでも天井が高く、広場形状が立方体に近い北3広場のナチュラルリバーブは、実はそれほどよくない。歌っていて断然心地よいのは北4広場で、それは当然聴き手にも同じ印象を与える。

 音の反響がいいかどうかは、実際に歌ってみないと分からない場合が多いが、これまで歌った実感では、単純に天井が高いだけでは不可で、時計台ホールやガラスのピラミッドのように、高くて三角形の傾斜天井であることが必須。天井が低くとも、閉鎖空間に近くて横長の部屋はよく響く。
 反対に反響の悪いケースは、縦長形状の部屋や、部屋に凹凸が多かったり、内装に吸音材が多くて、音が吸収されてしまう部屋。こうなると音の電気的加工に頼らざるをえない。
 今回初めて歌った白石イベント広場での音響効果は全くの未知数だったが、部屋の形状がチカホの北3広場によく似ていて、そのせいかナチュラルリバーブも似た印象だった。
 使った乾電池式PAはチカホで使っているものと全く同じだったが、チカホ北4広場ではほとんど必要がないリバーブ効果を、今回はやや強めに設定した。しかし、それでもチカホのナチュラルリバーブには及ばなかったらしい。

 白石イベント広場ではまた歌うことになりそうなので、手持ちのエフェクターを初めて乾電池式PAにつなぎ、音がどう変化するか試してみた。
 すると、思った以上に効果がある。少なくとも乾電池式PAに内蔵のリバーブよりは、はるかに音の空気感がよい。機材は少し増えるが、次回はこのエフェクターをつないで歌い、その効果を試してみたい。

2017年1月29日日曜日

1000曲レパートリー

 多忙な2週間を無事に乗り切った。ライブが計4本、母の病院送迎とケアプラン説明、妻の歯科通院送迎、長男のお嫁さんの誕生パーティ、孫娘のハーフバースデー&家族会、長女夫婦との夕食会等々、いまの自分の生き方暮らし方を象徴するような、多岐にわたるめまぐるしい2週間だった。

(これで終わり…)と油断したせいか、昨日のライブ帰り、細い脇道から右折しようとした際、右からすごいスピードでやってきた車と、危うくぶつかりそうになった。
「まず右をみて確認」→「次に左を確認」→「念のため、もう一度右を確認」という右折ルーチンのうち、不覚にも3番目を怠った。かなり遠くだと思っていた右の車が、予想よりもスピードを出していたようだ。
 もう5年近くも事故や違反からは遠ざかっているが、災難は忘れたころにやってくる。(もう少しで終わる…)と思ったゴール近くに、災いは待受けているものだ。用心しなくては。
 1週間ほどライブや他の予定がなく、つかの間の休息。ライブ機材の手入れや資料の追加をしたり、新しい曲の仕込みをやったりしてユラユラ過ごす。

 来週の介護予防センターライブ第2弾で「ありがとう…感謝」のリクエストが出ているが、そのおさらいに加えて、6日前の白石イベント広場で終了後に男子学生から問われた加山雄三の代表作、「君といつまでも」を練習に加えた。
 さらには、昨日歌った高橋真梨子のカラオケ人気ナンバーワンが「for you…」であることを知り、こちらも追加。代表曲は一通り歌えるようにしておくべきと考えて、ふと思いついた「SACHIKO」もレパートリーに加えることに。

 4年前のブログで「キリ番目標」という弁慶的目標を自分で立てていたが、列記した中に「1000曲レパートリー」というのが入っていた。
(ちなみに、他の「100本路上ライブ」「オリジナルCD100枚販売」はすでに達成)
 現段階でのレパートリーはオリジナルも含めて862曲。4年前は715曲と記録にあり、年40曲ペースである。この調子なら4年後に目標達成となるが、「求められたら覚える」というスローペースなので、時間がかかる。
 まずは1000曲達成まで、健康で歌い続けることが先決かもしれない。

2017年1月28日土曜日

コミカフェ・オープンマイク

 市内やや遠方にある手稲区のコミュニティカフェ「めりめろ」のオープンマイクで初めて歌った。別のカフェコンサートで知り合った若い女性からのツイッター情報で知ったもの。
 コミュニティカフェに関しては、自宅近隣にも設立を模索する動きがあり、発起人代表のY子さんとは以前からの知り合いで、場所や運営に関し、時折相談を受けたりしていた。
 発足の折には音楽系のイベントも実施する可能性が高く、その場合は協力することになっている。市内のコミカフェとしては先輩格なので、見学と勉強もかねた今回の参加だった。

 エントリーは先着5組で、持ち時間は正味20分。内容は音楽に限らず、パフォーマンス的なものなら、なんでもOKだった。
 エントリーや細部の詰めは全てメールでやったが、打合せの段階で地元コミュカフェ設立準備委のY子さんが、偶然相談に行っていたことを知る。世間は案外狭く、同じ志の道はどこかで通じているものだ。


 会場はJR手稲駅に隣接するビル2階にあるが、行くのは今回が初めて。幸いに年に数回招かれるデイサービスへの経路にあり、迷う心配はなかった。
 集合時間は開演30分前の14時30分だったが、前日と打って変わって平年なみの寒さが戻り、道路は完全に凍てついていた。それでも50分で無事に先方に着く。車は3時間まで無料の量販店駐車場に停めた。

 責任者のMさんと挨拶を交わし、カフェ内を見せていただく。ビルは新しく、店内も新装されたばかりで、洗練されたインテリアだった。台所はもちろん、完全バリアフリーのトイレもカフェ内にある。
 壁際には市民に開放された小物物販コーナーがあり、店内奥には高さ40センチほどの小上がりがある。普段はここにテーブルも並ぶようだが、ライブ時など、時に応じてステージにも変貌する仕組みだった。
 動線がシンプルでよく考えられている。市民の憩いの場としては、こうありたいものだ。
 この日エントリーしたのは最終的に4組で、14時45分からリハーサルを始めた。本番一発勝負でも構わなかったが、PAが初めて使う新品ということで、その調整もかねていた。
 音響は専門の担当者がいたが、初めて使うせいか、ちょっと時間がかかった。使い慣れている譜面付きマイクスタンドを持参し、マイクのみを借りた。
 他の2組が続けてリハーサルし、時間ぴったりの15時に開始。ちょうど20分で5曲を歌った。

「さくら(直太朗)」「ケ・セラ・セラ」「桃色吐息」「サクラ咲く(オリジナル)」「365日の紙飛行機(二択リクエスト)」


 オープンマイクは今回で7回目だそうだが、お店のHPやフェイスブックから、過去の参加者はかなり若い印象がした。セットリストはその若い層を多少意識しての設定である。
 実際に蓋を開けてみて分かったが、最終的な参加者16人のなかで、同年代と思しき方は私を含めて3名だけ。入口近くには女子高生の集団が座り、ほぼ予想した通りの客層だった。
 完全アウェイ感の漂う初めての場でのオープニングアクト。やや苦手としている高いステージ。そして慣れていないPAという難しい条件が重なったが、特に上がることもなく、淡々と歌い継いだ。
 途中、強いストロークの曲でハウリングを確認。初めてのPAなどでしばしば起きる現象だが、防止用のサウンドホールカバーを忘れた。ギターの音量を手元で絞ることで何とか回避したが、持参するべきだった。

 4曲目でサクラ系のオリジナルを歌い、持参のオリジナルCDを告知。(オリジナルCDの販売は許されている)ラストでは得意の二択リクエストを仕掛けた。
 5日前の白石イベント広場とは組み合わせを微妙に変えたが、若い聴き手が多いこともあってか、「上を向いて歩こう」が僅差で脱落。女子高生にも人気のAKB48が支持された。
 途中から手拍子も飛び出し、まずまずのエンディング。モニタがないので音がやや聞き取りにくかったが、無難にまとめた。

お店のFacebookより転載

 その後、ハンドベル、マジック、ピアノ弾き語りと続き、最後に飛び入りでギター弾き語りがあって、ちょうど17時にイベントは終わった。
 転換にそれぞれ5分を使ったが、持ち時間をオーバーすることもなく、快適な進行だった。
 各自のパフォーマンス内容は程よくバラけていて、男女比が2:3。年齢層も下は女子高生から上は還暦シンガー(私)までと幅広く、広く地域に根ざした活動を目指すコミュニティカフェの在り方としては、望ましいものだったろう。

 明るいうちに始まって夕食前に終わるのは、中高年にとっては大変ありがたいシステムだった。聴き手はワンドリンク付500円だが、演者はワンドリンク付で参加費無料というのも嬉しい。
 ガン療養中の身なので、何かと負担の多い夜のライブは未だ自粛せざるを得ない。次なる機会があれば、また参加したいと思う。

2017年1月27日金曜日

母のケアプラン

 母の暮らす施設へジュースを届ける、2週間に1度の定例日だった。前回の訪問でジュースの消費ペースが少し落ちていると聞き、今回は1.5L入りペットボトルをいつもより1本少ない3本にした。
 2日前に施設から電話があり、各自負担となっているテイッシュボックスが残り少なく、次回訪問時に持参して欲しいとのこと。

 同じ日、ディスカウントスーパー内で手頃な冬物スウェットズボンを見つけ、手持ち分の傷みが激しいので買おうとしたら、横で女物を見ていた妻が、「これ、おばあちゃんにいいんじゃない?」という。
 グレーの洒落た冬物スウェットパンツがバーゲンになっていて、いかにも暖かそう。先週、母を病院まで送迎した際、はいていたズボンが薄くて一部がほつれ、そのせいか母はしきりに寒がっていた。
「孫にばかりプレゼントしてないで、たまには母親にも買ってあげたら?」と妻が諭すように言うので、それもそうかと思い、自分の分と一緒に買うことにした。
 実はこの日、16時にケアマネージャーと待合せていて、母のケアプランについても話し合うことになっていた。うまい具合に4つの用事が一度に片づく。
 午前中から降り出した雨で、雪が解けだして道路はひどいぬかるみ状態。いつもの裏道では雪山にハマってしまいそうなので、少し遠いが安全な幹線道路を通って行った。


 施設に着くと、母は洗って乾いた包帯を巻く仕事を、数人の入居者と共同でやっている真っ最中。リハビリの一環なのだ。
「こんにちは、あなたの息子ですよ」と声をかけると、分かったような分からないような顔を返してきたが、すぐに作業に熱中。元来、細かい仕事は好きなタチである。

 ジュースや備品類を職員さんに渡し、傷みのひどいズボンは廃棄するべく、引き取ってきた。その後、今後のケアプランに関して資料をもとに話し合う。
 こまめに通って、その都度様子を聞いているので、取り立てて目新しい情報はなかったが、むこう数ヶ月の短期的長期的なリハビリや食事等のケアプランに関する説明を受ける。
 認知症の回復は期待できないが、食事や歩行に関してはかなりの改善が見られるそうだ。もっとも怖い転倒に関しても、さまざまな観点から見守ってくれているようで、家族としては安心できる。

 ただ、いまの老健施設に長くはいられず、リハビリによって身体機能が改善すれば、次なる施設へと転居しなくてはならない。今日はその希望先についても聞かれた。
 候補としてはグループホームと特養とがあるが、家族的経営が魅力のグループホームは維持費が高く、母の年金ではまかないきれない。今回の骨折がきっかけで介護度が3に上がったので、特養に入る権利が発生した。希望としては、やはり特養である。
 弾き語り活動で実際に行って知っている施設をいくつか伝えたが、前施設とは異なり、転居に伴う折衝はすべて施設側でやってくれるので、家族側の負担は減る。ありがたいことだ。

2017年1月26日木曜日

家族集合

 首都圏で暮らす長女夫婦が冬のスキーツアーで北海道にやってきた。2泊3日のパック旅行だが、羽田からの航空機代とホテル代、さらには1日リフト券までついて、1人25,000円という格安である。
 昨年も同じ時期に似たようなツアーでやってきたが、探し出すのが上手いものだと感心する。

 例年我が家にも顔を出すが、今年は長男夫婦に子供が生まれ、ちょうど今日が誕生6ヶ月目にあたる「ハーフバースデー」という記念日らしい。
 100日目のお食い初めと同じで、一生に一度しかやらないそうだが、最近は少子化のせいもあってか、昔とは違うさまざまなイベントが用意されているらしい。

 ともあれ、せっかくの機会なので今回は長男夫婦のマンションに集合し、子供を中心に誕生会をかねた家族パーティをやることになった。


 妻の担当は赤飯と煮物で、サラダや海老の刺身、飲み物の準備は長男のお嫁さん。お昼過ぎに全員が集合し、にぎやかな食事会が繰り広げられた。
 妻が前夜から張り切って仕込んだ料理は、ちょっとしたオセチ料理のよう。ついこの前、年末年始を家族で過ごしたばかりだが、今回はメンバーが少し変わった。小さな家族が加わると、いろいろ口実を作っては、飲んだり食べたりするものだ。

 食事のあと、お嫁さんが手作りした布製クラウンを孫娘にかぶせ、全員で記念撮影をする。初対面の人には時にナーバスになる孫娘も終始ご機嫌で、愛想をふりまいて大サービス。
 壁にはクリスマスとはまた違うスタイルの手製オーナメントが飾られ、手作り感満載の家族イベントとなった。


 17時まで歓談し、長男一家とは分かれて、長女夫婦と私たちは札幌駅近くの和風居酒屋「花ごころ」へと向かう。
 北海道に本店があって海産系の食材が美味しく、値段もリーズナブル。店内は細かくパーテーションで区切られており、テーブルは堀こたつ式で足も疲れない。落ち着ける店なので、来客があるとよく利用する。
 今回も10%割引が適用されるネット予約を使った。


 メンバーが大人だけになったので、話題もちょっと変わる。これまでとこれからの生き方やら、どうやって死ぬか?等々、つまりはオトナの話である。
 美味しく食べて飲んで話し、あっという間に3時間近くが経過。都心のホテルに泊まる長女夫婦とはここで別れる。

 家に戻ると21時を回っていて、長い1日だったが、仲良く暮らしている娘夫婦と息子一家の様子をこの目で確かめることが出来、よい時間を過ごせた。

2017年1月25日水曜日

寒さの底

 昨夜も暖房ボイラを夜通し点けていた。ボイラを切るか切らないかの目安は、寝る前1時過ぎの外気温がマイナス10度以下であること。予報にもよるが、この状態だと明け方にマイナス15度くらいまで下がる可能性が高く、ボイラを切ってしまうと朝6時にタイマー着火しても、室温上昇にかなりの時間を要するのだ。
 このところボイラの夜通し運転が続いているが、冬至1ヶ月後の寒さが最も厳しくなる時期なので、やむを得ない。

 とはいいつつ、11時過ぎには陽射しが強まり、2階室温が20度に達したので、ボイラはただちに切った。太陽の恩恵は大きい。


 久しぶりにまとまった雪が10センチほど降り、今年になって初めて電動除雪機を出動させた。しかし、低温のせいで雪はスカスカに軽い。非力な除雪機でも、あっという間に吹き飛ばせた。

 玄関前に設置の車庫&物置屋根の積雪が深いところで90センチほどになり、雪下ろしをすべきかどうか、微妙な状態である。気休めだが、軒先に盛り上がった雪を長いスコップを使って下からざっと落とした。
予報ではドカ雪は当面なく、週末には真冬日を脱してプラスに転ずることになっている。昨年は一度も雪下ろしをせずに春を迎えたので、今年もそうなることを期待したいが。
 明日は首都圏に住む長女夫婦がスキーツアーで北海道にやってくるので、長男宅に家族が集い、ちょっとしたパーティをやることになっている。午後からその買い出しにあちこち回った。
 昼食は例によって平日90円寿司。今月はオセチ料理の恩恵で、食費にかなりの余裕がある。従って、外食費も家計費から難なく捻出できる。

2017年1月23日月曜日

チカっと叙情歌サロン

 かねてから準備していた白石区役所まちづくりイベント広場でのライブの日だった。広場は昨年11月に新規移転オープンした区役所地下2階にあり、何もかもが新しく、吹き抜けのある大空間は明るくて伸びやかな印象だ。
 事前審査も無事に通り、下調べも済ませた。似た施設では何度か歌っているが、ここで歌うのは初めなので、まずは手探りの進行になるはずだった。

 自分のブログで1ヶ月前に告知したほか、数人の友人に賀状の添え書きで案内しただけで、管轄する地域振興課のイベント告知はネットスケジュール表での数行のみ。告知としては控えめで、通りすがりの人をいかにしてつかむかに期待した。

 広場の使用時間は13〜15時で、ライブは休憩を挟んで13時15分〜14時45分を予定していた。設営等の補佐役として妻を伴い、12時5分前に家を出る。
 心配していた悪天候は回避し、温暖な陽気に恵まれた。12時30分には区役所に着き、駐車場にもすんなり停められた。幸先はよい。



 まず最初に1階防災センターで受付を済ませ、持参のオニギリを休憩コーナーで食べる。13時10分前に広場に下りたら、直前の販売系使用者の方が撤収中。地域振興課の係員やボランティアの方もいて、倉庫の鍵をその場で引き継ぐ。まだ13時前だったが、ただちに設営に入った。
 広場に隣接するカフェへの騒音を懸念し、スピーカーを向けない位置がステージとして望ましいとのこと。そこでカフェを背にして持参のマイクとPAを設営し、さらに背後には2メートル弱の衝立をびっしり並べて音を遮へいした。

 倉庫は広場横にあり、椅子はそこにしまってある。20脚を借りたが、3脚×3列を通路を挟んで左右に配置し、実際に並べたのは計18脚。そんなには来ないだろう…、との読みからだが、万一足りなくなったら追加しよう、ということなる。

 広場が大変寒いということで、先週から使用時にはヒーターが設置されたという。大小3基のヒーターが客席を左右から挟むように稼働。熱が逃げにくいよう、通路側には透明の衝立も置かれ、寒さ対策は万全だった。
 広場内にある騒音計のチェック(最大80dB)も無事に通り、事前にテストした音量値でOKが出た。係員やボランティアの方が手伝ってくれたこともあり、13時7分くらいには準備が整う。


 開演までの時間、集まってくれた古い友人夫婦やイベント仲間のTさんと歓談。見知らぬ女性が2人いたので声をかけたら、昨春にチカチカパフォーマンスで知り合ったSさんの友人だという。

 ネットをやらないSさんだが、先週たまたま寒中見舞いが届いた際にお知らせしておいたもの。ご本人もあとから来るそうで、結果として自ら告知した5人が開演前の聴き手、ということになった。

マイクを設営中

 予定ぴったりの13時15分に開始。歌い手として場を借りている立場だが、場所は公的空間なので、告知した時間は厳守が鉄則だ。
 第1ステージでは、およそ40分で10曲を歌う。(※はリクエスト)

「カントリー・ロード」「エーデルワイス」「雪が降る」「小樽のひとよ※」「男と女のお話」「川の流れのように※」「池上線」「恋の町札幌※」「糸※」「ミネソタの卵売り※」

 リクエストを前提とした場でも、最初はリクエストが出にくいのが常。前後半を通して全くリクエストが出ないことも想定して準備したが、友人を中心に少しずつリクエストが出始める。

 一般通行者の動線としては、ステージ背面にあるカフェ前通路から右手前方にある地下鉄駅に抜ける経路と、反対に地下鉄駅からステージ正面通路を通り、左手にあるエレベーターに向かう経路の2本があったが、厳寒期ということもあって、行き交う人はまばら。
 それでも歌声を聴きつけて立ち止まる人も時折いて、すかさずボランティアの方が声をかけ、椅子に誘導してくれていた。チカホでは歌いながら自分で声掛けするしかないので、大変ありがたいシステムだった。
 終了間際にはそうした通りすがりの方も椅子に座るようになり、曲間で声をかけてリクエストをもらうよう心がけた。
 13時55分ころに第1ステージ終了。音量は小さめにしたが、PAの位置を高くしたので、まずまず歌いやすい。残響時間はチカホよりも短めで、リバーブはやや強めに設定した。

 歌うに従い、最初はやや硬かった場の反応もじょじょによくなってきて、後半にはリクエストも次々に出た。久しぶりに歌った「川の流れのように」では気持ちが入って、満足する出来。客席で聴いていた妻にも高評価を得た。
 リクエスト用紙は透明OPP袋に入れ、回覧返却方式にした。客席との距離が近いので、曲間に「○○を歌って」との声がかかると、ただちに対応できる。手探りながらも、まずまずの出だしだった。


 14時過ぎから第2ステージ開始。およそ50分で14曲を歌う。
(◎以外は全てリクエスト)

「銃爪(初披露)」「石狩挽歌」「アメイジング・グレイス」「ラ・ノビア」「季節の中で」「さんぽ」「空港」「ダニーボーイ」「君恋し」「さくら(直太朗)」「翼をください」「蘇州夜曲」「上を向いて歩こう◎」「世界に一つだけの花◎」

 出だしから見知らぬ女性のリクエストで「銃爪」を歌う。好きな歌だが、なぜか今回が初披露。テンポのよい曲調にも救われ、会心の出来映え。これで一気に場が乗った。
 以降、未知既知の聴き手からランダムにリクエストが飛び出す。過去の地域センターにおける同種のライブでも同じ傾向だったが、後半に進むにつれてリクエストは増え、それに比例して場も乗ってくるもので、この日もその例外ではなかった。
 途中で1〜2歳くらいの男の子を抱えた若いお母さんが最前列に座った。すかさず声をかけ、子供向きの歌をお勧めした。
 最終的に決まった「さんぽ」をその子に向かって歌ってあげると、じっと聴き入っている。この日、最年少の聴き手だった。

 後半になってじわじわと人が増え、用意した椅子が足りなくなった。どうしようかと客席中ほどの妻を見たが、気づいていない。するとすかさずボランティアの方が椅子を追加してくれた。助かった。
 追加した椅子に座ったのは、私のライブでは珍しい中学生か高校生の若い男性2人組。うまい具合に「さくら」「翼をください」などの若い人むきのリクエストが続く。そのまま最後まで残って聴いてくれた。

 14時45分でリクエスト受付を終え、ラストの全員で歌える曲へと移る。いわゆる「シングアウト曲」で、5曲を用意していたが、場の雰囲気から「上を向いて歩こう」「世界に一つだけの花」のどちらかと考えたが、絞りきれない。そこで座興として場に結論を委ねることにした。いわゆる「二択リクエスト」である。
 すると、それぞれを推す強い声と拍手とが拮抗し、1曲に絞るのが困難な状況。これは両方歌うしかない。
 時間の都合で一部の歌詞を省略したが、2曲ともギターに合わせて歌う声と手拍子とが広場内に響き、エンディングにふさわしい盛り上がりとなった。

お客様の撮影です

 終了後、ただちに撤収し、倉庫内内線電話で防災センターに報告。係員に現状を確認してもらい、倉庫の鍵を渡して使用人数や感想を記した使用報告書を提出する。その後、1階防災センターまで再度行って、駐車料の軽減措置を器械でやってもらった。(5時間まで無料)
 実際の撤収作業は設営と同様に、係員やボランティア、そして聴き手の方々までが手伝ってくださって、あっという間に終わった。

 最後まで聴いてくれた方が次々に声をかけてくれたが、既知の方はもちろん、未知の方にも大好評。身に余る言葉のほか、食べ物を中心に差し入れもたくさんいただく。ありがとうございます。
 若い男性2人が近寄ってきて「加山雄三も歌えますか?」と尋ねてきた。「君といつまでも」の一節をアカペラで歌ってあげると、とても喜んでいた。なんでも、おじいちゃんが大好きなんだそう。そういう世代なのだ。

 最後列中央に座っていた女性に見覚えがあり、「どこかでお会いしてますか?」と声をかけたら、なんと私のブログの10年来の読者だそうで、私が設計した家のオープンハウスで一度だけ会っていたらしい。自宅が偶然白石区にあり、足を運ぶ気になったという。
 古い友人を含めて「近所なので来る気になった」という人は他にも複数いたので、こうしたライブを各区でやってみる価値はありそうだ。
 イベント仲間のTさんが集客数をメモしてくれていて、延べ集客数は25人だったそう。途中で帰った人が3〜4人いたが、大半の方が最後まで見届けてくれた。初めての場で手探り的進行だったにも関わらず、いろいろな方の支えもあって、予想外の盛況だった。
 歌った全24曲のうち、70%強にあたる17曲がリクエストによるもの。ラスト2曲も聴き手に選んでもらったので、「聴き手の意向に沿う」という一点では、街づくり系の場として大変意義あるものだった。
 反省としては、新しく席についた方へのリクエスト用紙案内が、必ずしもスムーズではなかったこと。チカホと同様にマイク横にスタンドを置いたが、この位置では取りづらい。会場入口に相当する客席後方に置くか、最初から椅子の上に並べておくなど、改善が必要だ。

 イベントライブと路上ライブの両方の要素を持つ不思議な場、というのが初回を終えての率直な感想。チカホと違って営業行為は一切できず、通行する人も格段に少ないが、椅子があって明るく、決まった時刻に長時間じっくり落ち着いて歌えるのが最大の利点。駐車料も含めて、会場費が一切発生しないのも魅力だ。
 2回目以降は初回の結果次第と思い保留にしてあったが、年に2〜3回ペースなら、今後もやれそうな気がしてきた。

2017年1月22日日曜日

予期せぬアンコール

 市内南東端にある有料老人ホームで歌った。2007年に口コミ経由で最初の依頼があり、以後年一回ペースでの依頼が細く長く確かに続いていて、今回が実に12回目。累計依頼数が2桁の施設は3つしかないが、そのうちのひとつだった。
 場所は先週歌ったばかりの介護予防センター事業の場に近く、今回も車の流れがスムーズな幹線道路(札幌新道)をルートとして迷わず選択。あいにくの吹雪だったが、わずか50分で先方に着いた。

 毎月実施の誕生会余興で、14時5分くらいから施設側のイベントがまずあり、14時20分くらいから始める。アンコールを含め、約35分で13曲を歌った。
「北国の春」「蘇州夜曲」「宗谷岬」「ここに幸あり」「踊子」「仰げば尊し」「みかんの花咲く丘」「旅の夜風」「星影の小径」「ミネソタの卵売り」「港が見える丘」「リンゴの木の下で」「丘を越えて(アンコール)」

 聴き手は50名ほどで、平均年齢は80代後半。入居者の入れ替わりは少なく、場としては完全な傾聴型だった。ニギヤカ手拍子系の曲は不人気で、叙情系の静かな曲に対する反応がよい。
 過去に入居者の方から、「古い曲も歌って」と直接言われたことがあり、これらの条件を加味して、慎重に構成を練った。


 手拍子をうながす曲はほとんどなく、強いて言えば最初と最初くらい。(もしや…)と期待した「ミネソタの卵売り」にも手拍子は起きなかった。
 反面、他の叙情系の曲に対しては、おおむね好意的な反応だった。歌詞カードもなく、歌詞指導も一切しなかったが、「蘇州夜曲」「ここに幸あり」「仰げば尊し」「みかんの花咲く丘」「港が見える丘」などで、一緒に歌う声が数多く耳に届いた。

 やや期待外れに感じたのが、「星影の小径」「ミネソタの卵売り」あたりか。どちらも古い曲だが、古ければいいわけではなく、選曲の難しさを改めて思い知る。
 介護施設では一度も歌ったことがなく、大きな冒険だった「蘇州夜曲」には抜群の反応があって驚いた。2番でやめるつもりが、急きょ3番まで歌うことに。
 同じ部類に入る「港が見える丘」も反応がよかったが、残念ながら時間の都合で2番で打ち切り。惜しいことをした。
 いつも通り約30分で12曲を歌い終えたが、ラストの「リンゴの木の下で」では珍しく手拍子も飛び出し、終了後にちょっと余韻が残った。いわゆる(もっと聴きたい…)という、独特の気分である。
 すると、そんな気分を敏感に察知したのか、進行の方が突然「アンコール!」の手拍子を始める。打合せには全くなく、そもそもこの施設では時間厳守で、過去にアンコールが出た記憶がない。
 しかし、場は明らかにアンコールを求めている。短い曲をありがたく歌わせていただいた。

 終了後、「外の吹雪を吹き飛ばす熱いライブでした」と進行の方が締めてくださった。何人かの入居者の方が近寄ってきて、声をかけてくれる。年に一回繰り広げられる家族的とも思える風景である。
………………………………………………………


 ライブを無事に終えて札幌新道を戻り、イオン元町店で妻と合流。実はこの日、長男のお嫁さんの誕生祝いを長男宅でやることになっており、事前にイオンにあるmorimotoでケーキをFAX予約しておいたのだ。
 イチゴ風味のスポンジとイチゴミルクで仕立て上げたスペシャルケーキを受け取る。ネームプレートとロウソクはサービスしてくれた。
 16時ころ長男宅に到着。1ヶ月前のクリスマスパーティでは孫娘に「人見知り泣き」されて困り果てたが、その後の交流でだいぶ慣れたのか、ニッコリ笑って迎えてくれた。
 しかし、調子に乗って妻が抱き上げようとしたとたん、またまた泣き始める。確かに改善はしているが、もう少しの慣れが必要らしい。

 みんなで美味しくケーキをいただき、孫娘を抱いて遊んでいたら、いつの間にか私の膝で眠ってしまった。こんなとき、強い血のつながりをふと感じる。

2017年1月21日土曜日

深夜の電話呼び出し音

 昨夜未明、突然の電話呼び出し音で飛び起きた。時計を見ると、2時ちょうど。こんな時間に鳴る電話に、ロクなものはない。過去の忌まわしき記憶のいくつかに、(母の身に何か…)という不安が交錯する。
 電話は鳴り止まず、受話器に表示された発信番号を確認する。
(20年以上前からNTTのナンバーディスプレイ契約を結んでいる)

 発信は見慣れない番号からだった。少なくとも、母の施設からではない。そもそも母の施設の電話番号は電話機に登録済みで、特別な呼び出し音が鳴る仕組みになっていたのだ。
 ではイタズラ電話か?いやいや、イタズラなら番号は非通知で掛けてくるはず。番号非通知電話はブロックされて、呼び出し音すら鳴らない設定だ。すると、単なる間違い電話…?
 短い時間に、いろいろ考えた。それほど深夜の電話は不気味なものだ。ナンバーディスプレイ契約をしていない頃は、いろいろイヤな思いや怖い思いをした。月400円でそれが避けられるなら、安いものだ。
 ともかくも、恐る恐る受話器をとった。「もしもし…」

春の訪れを予感させる強い陽射し

 しかし、何も声がしない。やっぱりイタズラか?すると、しばしして「ピーッ」という独特の発信音。FAXだ!
「ファクシミリに切替えます」と自動音声が流れ、階下の親機がFAXを起動する音。(こんな夜中に、何のFAX?)と、それはそれなりに不安になり、内容を確かめに階段を下りた。

 電灯を点けて送信紙を読む。すると、何としたことか、10年以上もの長いお付き合いのある有料老人ホームの施設長さんからだった。

「お久しぶりでございます。お元気ですか?ライブされてますか?実は○月☓日に、またライブをお願いしたいのですが、ご都合はいかがでしょう…」等々、不安な思いとは裏腹に、のんびりした内容の文面が並んでいる。悪い知らせではなかったことに安堵しつつ、思わず力が抜けた。
 推測だが、この日は施設長さんが深夜勤務の担当で、入居者が寝入った深夜にふと思いついて、(FAXだから呼び出し音は鳴らないだろう…)と、時間無視の送信を試みたのではないだろうか。
 我が家のFAXは電話と共用で、専用回線ではない。事前に番号を指定し、FAXであることを設定しておけば、確かに呼び出し音は鳴らない。他のFAX番号はすべて登録してあったが、運悪く今回の施設のFAX番号は未登録だった。従って、深夜でも呼び出し音は鳴る。

 眠りが深い妻までも、深夜のドタバタ騒動で起きてしまったが、ただのFAXだったと説明しても、いまいち状況が把握できない様子だった。(妻も母に何かあったと思ったらしい)
 ひとまず安心して寝たが、今日になってさっそく番号を設定し直した。だが、懇意にしている施設長さんは、数年おきに移動がある。別施設に移ると、また同じことが起きそうだ。関連施設のFAXを、全て事前に登録設定しておくべきか…。

2017年1月20日金曜日

求められるままに

 知人経由で歌声喫茶への出演打診があった。雪解け以降にオープンする計画らしい。メインはアコーディオン演奏だが、主宰する方が以前に私の弾き語りライブを聴いたことがあるという。具体的な話しはこれからだが、何らかの形で参加することになるかもしれない。
 最近はこうした歌声喫茶ふうの展開をあちこちで耳にする。私自身も求められるままに、介護施設系の場で歌声喫茶ふうの構成を数回試みていて、いずれも好評だった。
 弾き語り活動を開始した当初は、もっぱら「聴かせる」あるいは「聴いてもらう」展開が主で、つまりは主役は歌い手そのものだった。
 数年間はこれだけで充分喜ばれたが、場を重ねるごとに新たな要望が生まれてきた。そう、リクエストである。

 歌い手が決めた構成を一方的に聴くだけでなく、聴き手が聴きたい曲を歌い手に歌ってもらう、という変化だった。聴き手が一歩踏み込んで、ライブに積極的に参加し始めた、とも言い換えられる。


 そして最近になって出始めた変化が、先の「歌声ふう」の展開である。単に聴くだけでなく、共に歌って、より積極的にライブに参加する形態だ。
 昭和30年代に一世を風靡した「歌声喫茶」がルーツだが、当時をよく知る人々(70〜80代)には、カラオケとは全く異なる新鮮なイメージとして再認識されているのかもしれない。

 理由や背景はどうでもよいが、要望は現実にあるので、歌い手としては取り入れざるを得ない。つい先日の介護予防センターライブでも、ラスト2曲に歌声ふう展開を試み、かなりの盛り上がりだった。
 施設によっては、単純に聴いてもらうだけの構成もまだまだ多い。しかし、介護度が低く、年齢層が60〜70代あたりで若くなると、何らかの形で聴き手もライブに参加する形式を取り入れないと、支持は得られにくい状況になりつつある。
 さらなる新しい胎動を感ずるのが、聴き手がマイクを握ってしまう展開だ。弾き語りシンガーがマイクを奪われ、ついにはギター伴奏に甘んじてしまうわけだが、現状ではまだライブのアクセントに過ぎないので、求められれば応じている。
 しかし、今後カラオケ代わりにギター伴奏の要望が増えてくるようだと、「歌いたい」「聴かせたい」という野望が根源にある歌い手にとっては、ちょっと困るかもしれない。招かれた歌い手として主役の座を奪われぬよう、日々精進を重ねるしかない。

2017年1月19日木曜日

山は越えた

 一昨日に続き、早朝に起きて母の暮らす施設へと向かう。退院してから4度目となる月に一度の診察日で、予報では吹雪のはずが、雪はチラつく程度で穏やかな日和だった。
 いつもより少し早めに出たせいで、病院にも早く着いた。前回は駐車場の空きが数台でギリギリだったが、今回は入口に「残34台」の電光表示。正面玄関に比較的近い位置に、余裕で停められた。

 受付を済ませると、ただちにレントゲン撮影。終わって待合室に座ったとたん、すぐに名前を呼ばれた。時計は予約時間の10時を少し回ったばかり。こんなに早く呼ばれたのは初めてだ。
 見回すと待合室にも空席が目立つ。寒さの最も厳しい時期ということで、患者が来院を敬遠したのだろうか?


 担当医の説明によると、患部はかなりの回復が見られるそうで、特にボルト固定した左大腿骨は折れた部分が完全に接着。左肘もほぼ接着とのことで、次回通院は雪解け後の4月でよいそうだ。
 この1ヶ月転倒が全くなく、施設側の細かい配慮で以前よりも食事量が増えつつあって、回復を早めた可能性が高い。
「ご飯、ちゃんと食べてる?食べないと骨がくっつかないよ」と、見舞いに行くたびに声をかけていたが、人間まず食べないと始まらないということだ。

 雪道で普通仕様の軽自動車を使った車椅子での病院送迎は想像以上に厳しく、一人でずっと続けることに難儀していただけに、予想を超える順調な回復ぶりに正直ホッとした。
 この日は会計も空いていて、5分ほどであっという間に終了。前回より1時間以上も早く施設に送り届けたら、職員の方も「今日は早いですね!」と、びっくりしていた。

 その足で近くにある大学病院歯科に行き、治療費の支払いを済ませる。先週までに医師が通って母の入れ歯を調整してくれた分で、こちらは送迎の必要はなく、支払いだけが家族の義務。
 かくして母の病院がらみの用事が一気に2つ片づいた。整形外科はまだ完全に決着したわけでなく、潜在的な転倒のリスクはずっとつきまとうが、ひとやま越えたことは確かだ。

2017年1月17日火曜日

歌で介護予防

 札幌市が運営する介護予防センターからの依頼で、市内遠方にある市民活動の場で歌った。打診はネット経由で昨年11月にあり、メールでの長い打合せを経て、実現にこぎつけた。
 同じ主旨での介護予防関連では、住民組織側からの依頼で過去に3度歌っているが、行政側からの依頼は初。

 対象は介護認定を受けていない65歳以上の地域住民で、聴き手の傾向はデイサービスに近いが、嗜好がより幅広いのが特徴だろうか。
 今回も市の相談員経由で7〜8曲のリクエストが入っていて、半数はレパートリーにない曲。幸いに充分な準備期間があり、ネット情報を駆使して練習を重ねた。
 大寒波襲来による交通渋滞が懸念されたが、幸いに温暖な天候に恵まれた。会場は札幌の南東端にあり、夏でも1時間近くはかかる。下調査はできなかったので、用心して開始1時間半前の8時半に家を出た。
 冬でも比較的車の流れのよい幹線道路をルートに選んだのが正解で、夏と同じジャスト1時間で到着する。

 会場は市営住宅内にある集会室。推測だが、介護予防事業を円滑に進めるため、行政側が対応しやすい市営住宅系の住民組織をまず選んだのかもしれない。


 部屋は詰めれば40名は入れそうだったが、集まった聴き手は15名ほど。町内会組織でも似た傾向にあるが、この種の場を設けても、なかなか集まってはくれないのが運営側の共通した悩み。過去3回の例でもそうだった。
 予定通り、10時ぴったりに開始。事前の打合せ通り、1時間で17曲を歌った。(※は初披露)

《セレクトタイム》
「釜山港へ帰れ」「宗谷岬」「愛燦燦」「矢切の渡し」「仰げば尊し」「つぐない」「夜霧よ今夜も有難う」「月がとっても青いから」「虹と雪のバラード」「青春時代」

《リクエストタイム》
「高校三年生」「瀬戸の花嫁」「ああ上野駅※」「晴れたらいいね※」「函館の女」

《うたごえタイム》(歌詞カード使用)
「好きですサッポロ※」「青い山脈」
 苦手な午前中ライブで、喉の調子を崩しやすい冬場。朝7時前に起きて備えたが、数日前から風邪の初期症状もあったりし、万全な体調とは言い難かった。過去にも似たような条件で、手痛い失敗をやらかしている。
 初めての場で大きな失敗は許されない状況で、前半はやや声を抑え気味にならざるを得ず、守りのライブになったように思える。

 それでも1曲目から歓声や曲間での拍手をいただいた。会場がこじんまりしていて、声が届きやすかったことにも救われた。

 全体的に場は大人しく、完全な傾聴型。これも過去の場と同じ傾向である。気分を和ませるよう、曲にまつわるエピソードを多くするなど、普段よりもMCを長めにした。
 事前のリクエスト等から、比較的新しい昭和歌謡を中心に構成したが、この思惑はおおむね当たった。

 唯一「外れた」と感じたのは「宗谷岬」。曲名を紹介しても、「どんな曲だっけ…」との声があり、いまひとつ馴染みが薄かったようだ。
 場が最も盛り上がったのは、ラストの「うたごえタイム」だったかもしれない。ほぼ全員の歌声が響き、まさに「うたごえサロン」そのもの。歌詞カードの問題はあるが、もっと曲数を増やしてもよかった。
 終了後、何人かの方がマイク前までやってきて、ねぎらってくださった。
「素晴らしい声に感動しました」「《青春時代》を聴いていて、自然に涙が流れました」等々。
 セレクトタイムのラストには当初「熱き心に」を予定していたが、過去のライブレポを参考に、直前で差し替えたもの。記録はあとになって活きる。

 ある女性からは、「全体的に洗練されたスタイルですね」と、これまで言われたことのない言葉をかけられた。歌だけでなく衣装や看板など、日々工夫を重ねている部分が評価されたようで、ちょっと嬉しかった。


 機材撤収中にある男性から「お前と水割り※」をギター伴奏で歌いたいというリクエストがあり、昨年の依頼当初からあった話で準備だけはしていたので、ただちに応じた。普段はもっぱらカラオケで歌っていて、いまひとつギター伴奏で歌う自信がなかったという。
 市の生涯学習教室でカラオケをずっと練習しているそうで、さすがに歌の技術には確かなものがあった。
 歌い手のペースに自在に合わせられるのがカラオケとギター伴奏の大きな違い。最近は自ら歌うだけでなく、単なる伴奏の要望にも臨機応変に対応できている。

 いろいろ不安もあったが、少ない過去の経験値を有効に活かして、無難に乗り切った。

2017年1月16日月曜日

ようやくプラス気温

 長くしつこく続いたマイナス気温が、ようやくプラスに転じた。日中の外気温も1〜2度あたりで落ち着く。雪も降らず、ウッドテラス上のパーゴラには、積もった雪がオーナメントのように垂れ下がり、不思議な造形を作った。

 食材がなくなってきたので調達をかねて、いまや日常化しつつある平日90円寿司昼食会に出かける。2軒のディスカウントスーパーを回り、大量の食料品を購入。数日は大丈夫だろうと家に運び込んだが、何ということか柑橘系果物を買ってくるのをコロリと忘れた。
 ずっと切らしていたソースは携帯の備忘録にメモしておいたので忘れなかったが、こっちもメモしておくべきだったと、アトの祭り。


 介護予防センターから依頼されたライブの第1弾がいよいよ明日に迫った。リクエスト曲目に関して紆余曲折があったが、ようやく決着した。
 主役はあくまで地域住民であり、市相談員は仲介するだけ。間に立って、いろいろ困惑することもあるようだ。
 いまごろになって気づいたが、実は住民組織から直接依頼された介護予防関連のライブに、3年前に二度、昨年も一度関わっていた。今回は行政側からの依頼だが、本来は住民側が主体となって進めるべきものらしい。
 経緯や形態は微妙に異なるが、介護認定を受けていない65歳以上の地域住民が対象なのは同じ。曲の嗜好にも大きな隔たりはない。

 というわけで、「全くの未知の場」というわけではないようだ。過去3回の経験が、おそらく活きるはず。

2017年1月15日日曜日

ゴミ出し回数半減案

 昨夜も寝る前に自宅外に設置の寒暖計は−15度を記録。もしや狂っているのでは?と疑ったが、自宅北方4キロにあるアメダスも、同時刻に−19.1度を記録していた。
 やむなく、3夜続けて暖房ボイラを連続運転。あまりに寒いので、朝のゴミ出しを最小限にするべく、燃えるゴミの出し方を先月から少し変えた。
 これまでは市指定の10L袋に入れ、週1回こまめに出していた。使っているゴミ用プラバケツがちょうど10Lで、内側にゴミ袋がぴったり収まる。蓋もついているので重宝していた。

 ゴミの臭気が気になる夏場はこれで良かったが、冬はとにかく寒く、下手をすると腰まである深い雪をこいでゴミステーションに行かねばならぬ。朝のゴミ出しは妻の仕事だが、ちょっとキツそうだった。
 そこでこれを2週間に1回に減らす方法を考えた。


 まず無料でくれるスーパーのレジ袋で10L程度のものを選び、ゴミバケツに入れて1週間分のゴミを溜める。いっぱいになったら縛って、外物置にいったん入れる。
 外物置の棚には扉がついていて、地面から1M以上高い位置にあり、カラスやキツネ、ネズミ等に襲われる心配はない。吹きさらしの氷点下なので、臭気も気にならない。
 次に空になったゴミバケツに、いつもの倍の20L市指定ゴミ袋を入れる。さらに1週間分のゴミを溜めたのち、外物置に仮置きした10L分のゴミ袋を上半分に蓋をする形で入れ、ゴミステーションに出す。
 10Lの市指定ゴミ袋2袋をまとめて運んでも同じことだが、なぜか20L袋を使ったほうが、縛る際に余裕がある気がする。ゴミも幾分多く入る気がするし、袋がひとつなら片手で運べる。

 かかる費用は同じで、出す手間だけが半分になるというアイデアだが、運ぶゴミが倍になっても、回数が半分に減るほうがはるかに楽と、いまのところ妻にも好評。もしかすると、真夏ぎりぎりまで続けるかも。