17年前の新築時にDIYで作った吊り引戸の建て付けが悪くなった。戸車にゴミでも詰まったか、はたまた油切れかと外して調べてみると、プラスチック製の戸車本体が摩耗し、円形を保てなくなっている。これが引っかかりの原因だった。
戸車自体の補修は難しく、交換するしかない。幸いに税別30円で買っておいたストックが2個あり、ただちに交換して問題は解決した。
この吊り引戸、2階の仕事部屋と寝室をアバウトに仕切る目的で作ったが、寸法が852×2205あって、かなり苦心した作品。そもそも引戸を素人が自作することが稀と思われるが、1階のトイレにも633×1972の同様の引戸が取り付けてある。
ローコストの一環で簡単な建具は自作しようと考えたが、開き戸系は難易度が高く、どうにか自力でやれそうなのは引戸だった。
しかし、戸の下端に戸車を付ける一般的な引戸だと、床にレールを固定しなければならず、これまた収まりが難しくなる。苦肉の策で考えだしたのが、梁や鴨居から戸を吊り下げる手法だった。
参考になる例が当時はなく、構造は全くのオリジナル。枠には1階床に使った16ミリ厚パインパネル材を加工し、内側の板には12ミリ厚OSB合板を使用している。
OSB合板は全周を電動カンナで本実加工し、パネル材についている本実にぴったりはめ込んでいる。我ながらなかなかの力作で、17年の時を経ても本体自体はびくともせず、歪みも全くない。
引戸下端は床から1センチほど上げてあるので、床を傷める心配はなく、毎日の開け閉めはスムーズ。
弱点は吊り下げ部分に仕込んだ戸車で、パネル材をノミで切り込んで取り付ける都合で、幅8ミリのスリムタイプを使わざるを得なかった。この部分が経年で弱ってくる。記憶では2階が3度目の交換で、1階も確か1度換えた。
(1階トイレは普段あまり閉めないので、長く持つ)
レールには12×12のアルミU字材を使い、上向きに固定して、ここに下向きに仕込んだ戸車付きの枠を載せる仕組み。
戸車のメンテさえ怠らなければ、プロの作った建具に負けずに長く使えるはず。OSB合板の本実加工が難しく、DIY難度は最高難度の5とする。