2日前に施設から電話があり、各自負担となっているテイッシュボックスが残り少なく、次回訪問時に持参して欲しいとのこと。
同じ日、ディスカウントスーパー内で手頃な冬物スウェットズボンを見つけ、手持ち分の傷みが激しいので買おうとしたら、横で女物を見ていた妻が、「これ、おばあちゃんにいいんじゃない?」という。
グレーの洒落た冬物スウェットパンツがバーゲンになっていて、いかにも暖かそう。先週、母を病院まで送迎した際、はいていたズボンが薄くて一部がほつれ、そのせいか母はしきりに寒がっていた。
「孫にばかりプレゼントしてないで、たまには母親にも買ってあげたら?」と妻が諭すように言うので、それもそうかと思い、自分の分と一緒に買うことにした。
実はこの日、16時にケアマネージャーと待合せていて、母のケアプランについても話し合うことになっていた。うまい具合に4つの用事が一度に片づく。
午前中から降り出した雨で、雪が解けだして道路はひどいぬかるみ状態。いつもの裏道では雪山にハマってしまいそうなので、少し遠いが安全な幹線道路を通って行った。
施設に着くと、母は洗って乾いた包帯を巻く仕事を、数人の入居者と共同でやっている真っ最中。リハビリの一環なのだ。
「こんにちは、あなたの息子ですよ」と声をかけると、分かったような分からないような顔を返してきたが、すぐに作業に熱中。元来、細かい仕事は好きなタチである。
ジュースや備品類を職員さんに渡し、傷みのひどいズボンは廃棄するべく、引き取ってきた。その後、今後のケアプランに関して資料をもとに話し合う。
こまめに通って、その都度様子を聞いているので、取り立てて目新しい情報はなかったが、むこう数ヶ月の短期的長期的なリハビリや食事等のケアプランに関する説明を受ける。
認知症の回復は期待できないが、食事や歩行に関してはかなりの改善が見られるそうだ。もっとも怖い転倒に関しても、さまざまな観点から見守ってくれているようで、家族としては安心できる。
ただ、いまの老健施設に長くはいられず、リハビリによって身体機能が改善すれば、次なる施設へと転居しなくてはならない。今日はその希望先についても聞かれた。
候補としてはグループホームと特養とがあるが、家族的経営が魅力のグループホームは維持費が高く、母の年金ではまかないきれない。今回の骨折がきっかけで介護度が3に上がったので、特養に入る権利が発生した。希望としては、やはり特養である。
弾き語り活動で実際に行って知っている施設をいくつか伝えたが、前施設とは異なり、転居に伴う折衝はすべて施設側でやってくれるので、家族側の負担は減る。ありがたいことだ。