2012年5月10日木曜日

昭和歌謡で大冒険

 通算11度目のチカチカパフォーマンスを実施。新年度からパフォーマー数が倍増し、これまでのように1枠を一人で自由に使うことは難しくなった。前回は私を含めて3組、今回は2組のパフォーマーによる共演である。
 状況の変化に伴って弾き語りのスタイルも変えた。当初のように1回のパフォーマンス時間を30分弱とし、前後半の2部構成とする。試行錯誤のすえにたどり着いた「1時間近くを一気に歌う」というスタイルからは逆行するが、まずは現状に合わせることだ。
 13時40分に事務局に着いたら、この日共演のミスターきくちさんはすでに会場入りしていた。書類に必要事項を記載し、すぐに地下へと潜る。ジャグラーであるきくちさんは盛んに機材のセット中。14時からの開始は無理とのことで、準備の終わった私が最初にやることがその場で決まる。
 14時ちょうどに開始。今回は通りに対して平行な位置にステージを設定した。この日のテーマは「昭和歌謡&POPS」で、第1部としてまず9曲を歌う。

「青いリンゴ」「夕陽が泣いている」「赤いスイートピー」「つぐない」「真夜中のギター」「危険なふたり 」「恋のしずく」「釜山港へ帰れ」「恋のバカンス」


 今回は普段あまり歌わない(歌えない?)曲を中心に構成。「昭和歌謡」と時流に乗ってはみたが、範囲が広く、絞り込みが難しかった。昭和30~40年代を中心に歌謡曲的気分の曲を選んだが、結果として初披露の曲連発となった。

 第1部では「青いリンゴ」「夕陽が泣いている」「赤いスイートピー」「危険なふたり 」が初披露。どの曲も老人ホームや地域センター、あるいは被災地支援などの場では歌いにくい曲だが、チカチカパフォーマンスでなら気兼ねなく自由に歌えるのだった。
 とはいいつつ、手探り状態なので果たして立ち止まってくれるかどうか、正直不安もあった。しかし、歌い始めるとまずまずの集客。「赤いスイートピー」あたりからじわじわと人が増え、「つぐない」では一気に20人を越えた。
「つぐない」は演歌のジャンルで、歌うか否かかなり躊躇した曲である。以前に道庁赤レンガ前で歌った際も台湾観光客に囲まれたことがある。テレサ・テン強しである。
 9曲目の「恋のバカンス」にもかなりの人が集まった。人が集まる曲とそうでない曲とがハッキリしている。やはり売れた曲が単純に強い。


 14時27分に第1部終了。入替え時間を考慮すると、30分きっちりではまずい。ほぼ理想的な時間配分である。ミスターきくちさんに終了を告げてバトンタッチ。休憩しつつ、きくちさんのパフォーマンスを見物したが、失敗を上手にパフォーマンスに取り入れる技など、参考になった。
 こうして自分とは全く異なるジャンルの芸を間近で見られるのは、チカチカパフォーマンスならではである。
 14時55分にミスターきくちさんのパフォーマンスが終了。第2部のステージはいつも歌っている通りから直角な位置に変えた。やはり壁を背負ったほうが、音の返りがよいことが分かったこと。そして場所を変えれば相互のステージが干渉せず、次のステージへの移行がスムーズだからだ。
 15時少し前から第2部開始。30分弱で11曲を一気に歌った。

「月がとっても青いから」「空に星があるように」「黒い花びら」「ジョニィへの伝言」「恋のハレルヤ」「喝采」「熱き心に」「おかあさん(森昌子)」「ブルーライト・ヨコハマ」「花の首飾り」「ラヴ・イズ・オーヴァー」

「月がとっても青いから」「空に星があるように」「おかあさん」「花の首飾り」以外の7曲はすべて初披露である。大変な冒険をしたものだ。用意された場では怖くてとてもできない。
 第1部に比べると聴き手は激減したが、めげずに黙々と歌い継ぐ。ストリートライブの極意はとにかく歌い続けることだ。MCもなしで電子譜面を瞬時に切り替えつつ、ひたすら歌う。そうするうち、「ジョニィへの伝言」あたりからじわじわと人が増え始める。
 頃合いを見て「熱き心に」をここで歌う。この日どうしても試したかった曲で、反応は全くの未知数だったが、手応えはあった。この曲は使える。
 ラスト4曲はその勢いで乗り切った印象。結果として集客は前半と大差なく、この種の切り口でもそれなりに聴いてくれる人はいることが判明。今後定期的に同じ構成でやれそうだ。
 終了後に声をかけてくれた方が3名。「もっと聴きたかった」「普段歌っているお店があるのでしたら、ぜひ教えてください」など、身に余る言葉ばかり。変化する状況にも何とか対応できるメドがついて喜ばしい。