ただ、画像以外に前回とは違う印象を持った。ラストで92歳のマリアさんが歌に関する重要なメッセージを発信していたが、なぜかその部分の記憶が残っていない。その要旨は以下の通り。
「歌は単なる娯楽ではなく、聴き手の魂に響くもの。人々の心に美しいものを伝えるもの」
記憶が欠落している所以は、6年前には弾き語り活動を本格再開したばかりで、まだこのメッセージの意味が分かってなかったからだろう。だが、時を経たいまはその言わんとすることが痛いほど分かる。
「魂」という言葉は以前から好きで、たとえば20数年前に地域の子供たちにサッカーを教えていた際もしばしば指導で用いた。「シュートは魂をこめて打て」といった具合に。
「コーチの言ったあの言葉、いまでもよく覚えている」と、大きくなった教え子から言われたこともあり、確かに伝わるものはあったのだな…、とうれしく思った。
時と場、対象は変わったとしても、人間をとりまく世界がそう大きく変わるわけではない。何事にも魂は必要で、歌も文章も人間もしかり。それが欠けたものは外観がいくら立派に見えたとしても、私にすればただのヌケガラ。追いかけようとは思わない。