2012年12月4日火曜日

萎えそうなライブ

 昨夜未明から雷やら竜巻やらの物騒な警報が飛び交う悪天候。暴風雨のなか、札幌駅地下歩行空間で実施される2つのライブのため、昼食もそこそこに出かけた。
 さすがに今日は傘が必要だろうと覚悟したが、都心に近づくにつれて雨は小振りになり、とうとう止んでしまった。脅威の晴れ男は健在だった。

 ところがいつも利用する1時間100円の価格破壊駐車場が、なぜか閉鎖されている。先月は普通に利用できたが、冬の到来と共に除雪経費が捻出できなくなったのか、機械類が全て取り外され、ただの空地に変貌していた。
 やむなく最近見つけた別の100円駐車場に停める。実はこれがこの日のトラブルの始まりだった。
 最初の会場である憩いの空間に行くと、受付の方は私が歌うことを全く聞いていないという。被災地支援系のイベントで、写真展や物品販売の一隅で広報をかねて歌う手はずになっていて、責任者の方からも正式依頼されていた。
 しかし、一昨日同じ空間で別の方が歌った際、警備担当者から歌うことは固く禁じられたとのこと。そもそもチカホでは広場以外、歌ってはいけない決まりのはずだった。

 被災地支援がからむと扱いが別なのだろうと解釈していたが、やはり例外はないらしい。押し問答の末、結局ライブは中止となった。
 PAを使わない生歌が条件とのことだったので、選曲を含めていろいろ準備していったが、無駄になった。要するに単純な連絡ミスなのだが、まあ、ライブではこんなことも稀にある。


 気持ちを切り替えて、次なる会場の北大通広場へと向かう。この日は3組共演の予定だったが、前夜遅くに1組がキャンセルとなり、残る1組が15:30の到着。それまで私が2ステージ歌う打合せだった。

 到着が13:50で、前回歌った広場の外れで準備していたら、突然一人の女性が現れ、ここで歌っていいと言われましたか?と出し抜けに問う。どちらさまでしょう?と問い返すと、何と事務局の方だった。
 どうやら広告看板の有無に関わらず、広場から外れた場所で歌ってはいけないルールらしく、広場の中に移動するように、という警告。素直に従った。これがこの日3つ目の予期せぬトラブルだった。
 萎えそうになる気持ちを奮い立たせ、14:10頃からシャンソン系洋楽を中心に、30分で以下の9曲を歌った。

「サン・トワ・マミー」「ケ・セ・ラ・セラ」「恋はやさし野辺の花よ」「ラ・ノビア」「雪が降る」「メガネを買う(オリジナル)」「かなりや」「Godfather愛のテーマ」「夕凪ワルツ(オリジナル・リクエスト」

 モチベーションが落ちたまま歌い始めた割に、人の集まりはまずまず。CDも4枚売れた。驚くべきことに、以前にCDを買ってくれた方が偶然通りかかり、リクエストをいただく。
 しばらく歌ってないオリジナルで一抹の不安があったが、ありがたい話なので歌った。案の定転調する箇所で一部コードを間違えるという情けないミス。この日4つめのトラブルがこれ。


 20分ほど休んで持参のオニギリをほおばる。再度気持ちにムチを入れ、15:00頃から昭和歌謡を中心に以下の8曲を歌う。

「時の過ぎゆくままに」「オリビアを聴きながら(初披露)」「夜明けのスキャット」「グッドバイ・マイ・ラブ」「抱きしめて(オリジナル)」「五番街のマリーへ」「飾りじゃないのよ涙は(初披露)」「冬のリヴィエラ」

 師走で皆忙しいのか、前半に比べると聴き手は明らかに減った。初披露2曲のうち、「オリビアを聴きながら」は受けた。しかし、練習ではいい感じだった「飾りじゃないのよ涙は」を歌い始めると、かなりの人が消えた。
 もしかするとこの歌の世界観が難しいのかもしれない。続けて恐る恐る歌った森進一の「冬のリヴィエラ」では、なぜか盛り返した。全く不思議な場で、何が受けるのかは歌ってみるまで分からない。
 後半になって見覚えのある顔があるな、と思っていたら、音楽仲間のKENさん。実はKENさんもチカホで歌うライセンスを持っているのだが、わざわざ聴きにきてくださって、CDも買ってくれた。ありがたいことだ。
 終了前の数曲で左手が少しつり、左耳が聞こえにくくなった。先月の自主企画ライブ後半と同じ現象で、いろいろな部分に見えないダメージが深く及んでいたのだろう。
 ライブを円滑に維持するには体力面だけでなく、精神の在り様も大切であると思い知った。大事には至らなかったが、これが都合5つ目のトラブル。

 最終的に6枚のCDが売れ、過去タイ記録。修正したCD販売スタンドや案内状入れもうまく機能した。CD売上げ額も記録を更新した。トラブル続きのなかでも、光はそれなりにある。