昨日の地元紙に載っていた記事によれば、原発の廃炉を望む声が82%、現状維持が14%、とある。そのために不便な生活を強いられても我慢する、ともある。つい先日までの拮抗していた比率がまるで嘘のようで、にわかには信じがたいが、全国レベルの調査(全国世論調査会)なので信頼性は高い。
ヨーロッパでの圧倒的反原発世論が影響した可能性もあるが、やれやれこれでようやく日本国民も先進国なみとなったわいと喜んでいたら、一方でトンデモナイ事態が進行していた。
海江田某による「停止中の原発の再稼働を急げ」発言がそれで、先の世論調査に真っ向から抗うような問題発言である。
あろうことか、菅首相自らもその発言を後押しする公式発言で追従。全く何を考えているのか。浜岡原発停止やエネルギー政策白紙撤回宣言で、少しはまともな首相だと思っていた矢先、これではとても信頼できるリーダーとは言えない。野党とは全く違う思惑からだが、この立場を続ける限り、やっぱり辞めてもらうしかなさそうだ。
問題は代わりの選択肢がまるでないことで、大連立とやらを組んで野党から首相を選んだとしても、現状よりもマシな原発対策をとれる政治家がいるとはとても思えない。いくら民がカシコク学び、反原発のノロシを上げたとしても、残念ながら上に立つ政治家の頭の中は、いつまでたっても後進国のままなのだ。
政府が盛んに原発を再稼働させたがる背景は、夏場のピーク時に電力不足となり、企業活動が停滞し、責任を追求されて支持率が致命的に下がるのを恐れるためだろう。献金をもらっている企業や、票をもらっている労組に対する配慮があるのだろう。
つまり、向いているのは企業の側だけで、市井の国民のことなど構っちゃいない、自己保身まるだし政治家なのだ。
こうなれば期待するのは、都道府県知事である。地方レベルでそれぞれの原発の再稼働を認めなければ、むこう1年で原発は自然に止まる。(定期検査の間隔から考えるとそうなる)つまり、国が何と言おうと都道府県知事レベルで原発は止められるのだ。
以前に北海道の高橋知事の政策を批判的に書いたが、最近になってその高橋知事の政治姿勢が微妙に変化した。北海道に唯一ある泊原発の再稼働を現時点では認めず、一方でソフトバンクのメガソーラー発電所を北海道に誘致するべく、精力的に活動している。
こうした道民の側に立った政策をとり続ける限り、私は高橋知事を支持する。こうなれば保守も革新もない。あるのは民意を反映した政策を進めるか進めないかだけだ。国政レベルでそんな政治家が今後現れなければ、選挙では白票を投ずるまでのこと。「出よ、緑の党」そう叫びたい。