ハードスケジュールのため、当初はパスする気でいたイベントだったが、マスターの熱心なお誘いに、ついフラフラと心が動いた。先月、かなりの無理をお願いして自主企画ライブをやらせていただいたばかりの店である。参加費も安く、(ワンドリンク1,000円)近いので時間もかからない。人間、義理を欠くといい目に合わないと相場が決まっている。ここは万難を排して行くべきだ…。
開始は19時の予定だったが、この日は集まりがやや悪く、15分遅れでライブ開始。オープニングは今回もママさんを始めとする3人の琴演奏からだった。
その後、マスターのギター弾き語りが続き、途中でママの琴演奏が加わった。事前に「琴とギターのコラボ演奏をやる」とは聞いていたが、この異色コラボによる「岬めぐり」が秀逸。歌の後半でママが琴を弾きながら二重唱で加わるという趣向で、つまりは琴の弾き語りである。初めて見る演奏スタイルだが、実に斬新だった。
練習段階ではあまりうまくいってない、と聞いていたが、新しいものに果敢に挑戦する精神に脱帽である。
私の出番は全7組中の4番目。ハードスケジュールなので早めの出番をお願いしてあったが、正解だった。
曲は「桃色吐息」とオリジナルの「Teimi/丁未」。前回、予想外にオリジナル演奏が多かったので、今回は定番フォークへのこだわりを捨て、自分の好きなスタイルで選曲した。
あまり練習してなかったが、実績のある曲なので、出来はまずまずか。自分の手応えとしては、この場では初披露の「Teimi/丁未」の反応が非常に良く、終了後にもいろいろ声をかけていただいた。
「丁未」は財政再建中の夕張市にある地名で、作詞とプロデュースは別の方だが、どこで歌っても受ける得難いオリジナル曲だ。
この種の場でオリジナルを歌うのは冒険だと思っていたが、他に4曲あったオリジナル曲も見事に場を「切って」いた。2曲中の1曲はオリジナルで問題ない気がする。今後の選曲の参考にしたい。
この日は初回に比べ、全体的に統一感のあるライブであった気がする。琴演奏1組、ギター弾き語り5組、ギターインスト1組といった構成だが、楽曲や演奏スタイルに大きく外れたものがなかった。
喫煙場所を出入り口付近に限定してくれたので、紫煙に悩まされることもなく、快適な空間が確保されていた。
演奏予定者に遅れてくる方がいて、少し時間の合間ができたとき、すかさず2巡目の歌を飛び入りセッション形式で入れ、場を間延びさせなかった。ギターテクニック抜群の方がいて、アドリブで瞬時に伴奏が入る。弾き語りの楽しさ、音楽の楽しさを感じさせる時間だった。
演奏中の私語など、今後にむけての課題は多少あるにしても、2回目にして明確な方向性が打ち出せたのではないだろうか。確かに進化している。お店側の細かい配慮と努力のたまものだろう。
聴き手も含めた全参加者は20名弱。初回よりも減っているが、楽しさの一点では逆に勝っていた。終わったらすぐに帰るつもりが、つい10時過ぎまで長居してしまったのがその証である。