2019年2月24日日曜日

春モード満開

 およそ2ヶ月ぶりに人前で歌った。場は昨年11月にも招かれた市内の有料老人ホーム誕生会。今回が10回目の依頼で、細いが長く確かなおつき合いが続いている。
 よく考えるとこれが今年初のライブで、2ヶ月ものブランクがあるとライブ感覚が鈍っているような気がし、漠然とした不安に襲われた。

 咳喘息で喉を傷めて以来、歌の練習は週一回程度に控えているが、今回は10日くらい前から少しずつマイク前で歌う練習をし、5日前からはショウガ湯を飲んで備えた。
 幸いに昨年同時期のような体調悪化はなく、喉の調子もまずまず。前回歌ってからわずか3ヶ月後の依頼だが、急に間隔が詰まった理由は定かではない。ともかくも記録を元に曲の重複を慎重に避け、春モードを中心とした選曲で臨んだ。
 最強寒波や豪雪がウソのように温暖な日がこのところ続き、路面からは雪がほとんど消えつつあった。夏と変わらぬ時間で先方に到着。ライブ開始まで30分あり、ゆっくりスタンバイした。
 施設側の誕生イベントのあと、予定ちょうどの14時45分から開始。およそ35分で13曲を歌った。

「北国の春」「おかあさん」「真室川音頭」「蘇州夜曲」「幸せなら手をたたこう」「宗谷岬」「仰げば尊し」「みかんの花咲く丘(歌詞指導)」「誰か故郷を想わざる」「釜山港へ帰れ」「港が見える丘」「青い背広で(初披露)」「東京ラプソディ」


 過去10回のうち、春に招かれたことは1度しかなく、その点では構成がしやすかった。全13曲のうち、2/3にあたる9曲が何らかの形で「春」をイメージしていた。
 いつも大人しい典型的な「傾聴型」の場だが、曲の目新しさもあってか、場の反応はとてもよかった。

 ライブという修羅場から遠ざかっていた割に気持ちは落ち着いていて、歌詞はフレーズ毎にチラリと確認する程度にとどめ、横に広い会場を順に眺めて、聴き手とアイコンタクトをとりつつ進める余裕があった。
 普段は12曲を歌うが、欲張って唱歌を2曲入れたせいで、この日は1曲多い。その反動で自己紹介をかねたMCで中盤をつなぐという趣向は省略した。しかし、この日は単純に歌だけで場を引っ張るパワーがあった。

 特に手応えのあった曲は、「蘇州夜曲」「仰げば尊し」「釜山港へ帰れ」「青い背広で」あたり。
「青い背広で」は、かなり以前に某老人クラブでリクエストが出たが、全く対応できなかった曲。その後YouTubeで会得して備えたが、その後の求めはなかった。
 そのまま眠らせるには惜しく、歌詞に春を含むので今回思い切って歌ってみたが、自然発生の手拍子や共に歌う声が相次ぎ、予想外の手応えに驚いた。藤山一郎の歌はハズレが少ない。ラストのシングアウトにも充分使える曲だ。

 終了後、近寄って労ってくれる入居者の方が複数いて、ライブの成功を物語っていた。当初の不安を吹き飛ばす会心に近い出来だったと自己評価する。