札幌市の場合、上下水道料金は隔月検針が基本だが、メーターが氷雪に覆われてしまう12月分と2月分は、10月の指針を元に請求がくる仕組みになっている。
料金の計算方法は完全従量制ではなく、使用量20㎥以下は使用量に関わらず同一料金という不思議な仕組み。たとえば東京都なら5㎥毎に細かく使用料金が分かれていて、節約のしがいもあるというものだが、どうにも納得がいかない。
それはさておき、冬季使用量の暫定基準となる10月分の使用量が21㎥という微妙な数値。普段は20㎥以下に収まっているはずが、なぜか1㎥超えてしまった。
21㎥を超えると42㎥までは、1㎥毎に288円料金が増える。つまり冬季4ヶ月間は、21㎥使ったものとして請求がくるということだ。そこでこれを機に、水道料の徹底削減を試みた。
夫婦2人の生活なので、減らせる水は限られる。毎日の入浴を減らす気はなく、食器洗浄水の節約はすでに限界。車は基本的に洗わないし、庭木や家庭菜園への水もやらない。減らす余地として思いつくのはトイレ洗浄水だけだった。
幸いにトイレの真横には浴室があり、バスタブには前夜入った風呂の残り湯が10センチほど残っている。これをトイレ洗浄水の一部に使うことにする。
実は家を設計した時点からその構想は頭にあり、トイレと浴室はあえて隣接させた。残り湯を電動ポンプで汲み出す手段もあるが、新たな投資や電気の使用は避けたかった。
そこで、最も原始的な手桶による直接汲み出しを試みる。昼間の男子小用に限定し、昨年12月くらいから浴室内の洗い桶を使ってトイレ洗浄を始めた。多い日で1日5回くらいだが、残り湯をタンク内に入れると雑菌が繁殖するので、便器の手前部分に直接投入して流す。
保存してある設計図書によれば、便器はTOTO_C770B。洗浄水量は大8L、小6Lである。手桶による洗浄を日平均5回とすると、
月合計の節約水量は 5×6×30=900L(0.9㎥)となり、理論的には20㎥以下に収まるはずだった。
月合計の節約水量は 5×6×30=900L(0.9㎥)となり、理論的には20㎥以下に収まるはずだった。
4月になって雪が解け、ようやく通常の検針が可能となった。注目の使用水量は15㎥。前回10月の検針値から6㎥の減で、月換算すると1㎥の減。当初の目論見とピタリ一致し、見込み請求だった前回より、865円も安くなっていた。
洗い桶は移動時に水をこぼしやすいので、最近は醤油の1.8Lプラ容器の上端を切り取って使っている。取手がついているので扱いやすく、男子小用に限れば、洗浄水量も過不足ない。
TOTOの最新節水便器の場合、洗浄水量は大3.8L、小3.3Lという少なさだが、月数百円のためにあえて便器を交換する必要もない。
節水目的で洗浄タンク内にレンガを入れたり、タンク内浮きの位置を調整した時期もあったが、あまりうまくいかなかった。原始的だが、残り湯手桶方式は投資&維持費ゼロの究極節水手段かもしれない。